参院選候補者に「緊急避妊薬」なぜ質問?

毎日新聞社は参院選の期間中、立候補者向けと同じ内容の政策アンケートにインターネット上で答えることで、どの候補者や政党と考え方が近いかが分かるサービス「毎日新聞ボートマッチ・えらぼーと」を実施している。一部の質問は若者に政治参加を呼びかける団体「NO YOUTH NO JAPAN」に提案してもらった。この団体の代表理事で、慶応大大学院で財政学を学ぶ能條桃子さん(24)に、質問の意図や政治への思いを聞いた。【聞き手・中村紬葵】
――えらぼーとに「緊急避妊薬を処方箋なしで薬局で買えるようにすべきか」という質問がNYNJの提案で入りました。
◆友達などとの会話の中で「これ、おかしくない?」と出てくる話題の一つなんです。女子高生も女子大生も、緊急避妊薬は簡単に買えずめちゃくちゃ高いと知っています。けれど政策決定の場にいる人たちは、多くが年配の男性です。「簡単に買えると悪用するのではないか」「少子化なのに避妊薬を広めるの?」と思っている人もいるようです。ですから候補者アンケートを通じてこの問題への考え方を可視化できたら、投票判断の役に立つかなと考えました。
――脱炭素への姿勢を問う質問も入れましたね。
◆政府は2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げていますが、全然実用化されていない技術まであてにするなど、目標達成の道筋がよく分かりません。30年後、「正しい選択をした」と思える自信はあるのでしょうか。本気で実現できると思っているのなら、もう少し説明してほしい。よく若者の投票率が低いことについて「若い人は政治を自分事として捉えていない」と言われますが、今の政治家に、30年先のことを自分事として考え、責任を取る気がある人がどれだけいるのか不安です。
被選挙権年齢の引き下げが必要です。将来のこと、若い世代に関わる政策を決める場に、若い世代の代表者もいるべきです。私たちの世代は賃金がなかなか上がらないし、雇用は不安定で、長時間労働です。余裕を持って社会のことを考えられる人は多くはありません。でも、20代の国会議員が少しでも増えれば政治はより身近になり、少子化対策などの議論も当事者世代の代表者が加わることで深まるはずです。
――今回の参院選でどんな論戦を期待しますか。
◆今のままの社会では良くないと思っている人は多いと思います。でも、与野党とも物価高対策など今の課題をどう乗り切るかが主張の中心。多くの政党は人権や気候変動についても語っていますが、論争のメインテーマになっているとは思えません。将来の課題に対し、真っすぐな答えを示しているとは言えません。
そういう政治の姿勢に希望を見いだせないから、若い世代の投票率が下がるのです。各党には若者も投票に行きたくなるような、刺さる主張を期待したいです。
NO YOUTH NO JAPAN
30歳未満の若い世代に政治を身近に感じてもらおうと、2019年に能條さんが中心となって設立。メンバーは大学生や高校生など約60人で、写真共有アプリ「インスタグラム」を使って国会の仕組みや投票の仕方などを紹介している。政治家を招いて政策課題を聞くイベントも企画する。