まず、〝たとえ話〟からします。(完全に創作です)
Aさんには夫がいて、ふたりの間には、可愛いさかりの5歳の息子がいます。
Aさん一家は幸せに暮らしていました。
しかし、息子が病気で亡くなります。
Aさんと夫は、底なしの悲しみにとらわれます。
四十九日が過ぎて、納骨も考えましたが、幼い我が子がひとりぼっちでお墓に入ることを思うと……
Aさんと夫は、息子がかわいそうでなりません。
それよりも、家にいるほうがいいのでは? と考え、遺骨を家のリビングに置くことにしました。
ふたりは毎日遺骨に声をかけ、お供え物をして、供養と思われることをしました。
こうして3年たち、5年たち、8年が過ぎました。
8年が経過したところで、夫の体調が悪くなります。
そして、夫も病気で亡くなりました。
夫が亡くなったあと、Aさんの夢に夫が3回ほど出てきました。
3回とも悲しそうな顔で、ただ黙ってこっちを見ている、という夢でした。
息子はまだ家にいるから、夫も一緒に家にいたいのだろう、お墓に入りたくないのだろう、とAさんは考えます。
それで、夫の遺骨も息子の遺骨とともに、リビングに置くことにしました。
2人分の遺骨と暮らして半年がたった頃、今度はAさんの体調が悪くなり、病気になりました。
Aさんの病気は坂道を転がるように悪化していきます。
周囲が驚くほど、どんどん悪くなっていくのです。
ここから先が長いので、2回に分けます。
実は、先ほど取材から戻ってきたばかりなのです。
疲労困憊しているため、続きは明日書きますね。
※続きます。
7月3日発売です。