※「小説」ですから、完全な創作、作り話であることをご理解下さい。
広大な宇宙のあるところに「ラビリュン」という星がありました。
非常に高度な文明を持っているこの星の人々は、宇宙を自由に旅することができます。
その乗り物は円盤型で、ラビリュン星人は、一家に1台という割合で保有していました。
この乗り物さえあれば、宇宙空間を自在に移動できます。
そんなラビリュン星にある、とある大学のカフェで、プポンは友人2人とティータイムを楽しんでいました。
2人の友人が、先日までプポンが旅行をしていたことを思い出し、質問をしました。
「あ、そうだ、プポン。卒論のための取材旅行、どうだった?」
「長い間、留守にしていたなぁ。どこに行ってきたんだ?」
「ああ、それな。みんなが行くようなところじゃ面白くないからさ、かなり離れた区域へ行ってみたんだ」
「ほぅ」
「どこまで?」
「宇宙の果てに近いところだよ。銀河系っていうのがあるんだけどさ、知ってる?」
「いや、知らん」
「知らないな~」
「そこは、原始の人類がいると言ってもいいところだったよ。地球っていうんだけど」
友人2人は興味シンシンで話を聞きます。
「なんでそう思ったんだ?」
「男女で姿が違うのさ」
友人2人はカップをテーブルに置き、身を乗り出しました。
「えっ?」
「どういうこと?」
プポンが詳しい説明をします。
地球人は、見た目で、すぐに男性か女性かわかるような服装をしている。
男性の多くはズボンをはき、体が女性よりもガッチリしていて、短髪が多い。
女性はスカートをはく人もいて、ヘアスタイルは短髪からロングまで幅広い。
多くの女性は化粧をしており、体の特徴としては胸の部分が膨らんでいる。
「へぇ~。でもそれってさ、差別につながらない?」
「俺も聞いていてそう思った。生まれた性で、自分の意思には関係なく、外見を無理やりそっち側に当てはめないといけないってことだろ? 当てはめなかった人は差別されるんじゃないの?」
プポンは軽くうなずくと、こう言いました。
「うん。それに、地球ってところはトイレが男女別々だった。もしも男性が間違って女性のほうに入ると大変なことになる」
「えーっ!」
「なんだよ、それ!」
友人たちの絶叫を聞いて、なんだ、なんだ、なにごと? とカフェにいた他の学生たちもぞろぞろと集まってきました。
「地球には、異性としか結婚してはいけない、って国が圧倒的に多かったよ」
「えええーっ!」
「なんで? なんで?」
「好きな人が同性だったら結婚しちゃいけないの?」
寄ってきた人たちも興味シンシンで、プポンに質問を投げかけます。
「ダメ、って決めている国では結婚できないよ」
その場にいた人たちが同時に叫びました。
「ええーっ!」
「うっそー!」
そこで、ひとりの女性が質問をしてきました。
「ねぇ、その星の人たちはイヤがっていないの? そういう決まりを」
「受け入れている人が大部分だった。むしろ男性であること、女性であることを強調していた人もいたな」
「え? それはなんで?」
「そこは俺にもわからないんだ」
「?????」
集まっていた全員が首をかしげていました。
※後編に続きます。