読者さんから情報をもらったことがきっかけで、東京駅にある「東京ステーションギャラリー」で、現在、開催されている展覧会を知りました。
タイトルは「みちのく いとしい仏たち」です。
以下のサイトで、いくつかの神仏像を見ることができます。
さっそく行ってみました。
私が感動したのは、どの神仏像も、まったく〝厳しさ〟を持っていない、ということです。
お寺に安置されている仏像の中には、非常に厳しいものがあったりして、ザ・仏様! という感じであり、「失礼があったらすみません!」という雰囲気ですが、
民間仏はどの仏像も「仏さ〜ん、こんにちは〜」という感じで親しみがわくのです。
展示されていた神仏像を見ていると、思わず微笑んでしまう……というのが、私にとっては初めての経験でした。
というのは、彫刻した人や、その像を信仰をしている人々の「愛情」がひしひしと伝わってくるのです。
仏様から人間への愛情ではなく、人間側からの大きく深い愛情(信仰)です。
それが、ほんわか、ほんのりと漂っていて、なんとも言えない癒やしを与えてくれます。
愛情を持った信仰の素晴らしさを伝えてくれます。
どの神仏像も表情が個性的です。
実際の神様・仏様はよく笑いますし、「え?」という時はそのような顔をします。
困った時は困り顔をしています。
その表情をうまく表現しているので、「ああ、生きた神仏像だなぁ」と、私はそう思いました。
民間仏だからできることかもしれません。
行かれる方のために、私なりの見どころをちょっと書いておきます。
19番 如来立像
「おぉ、そうかそうか、それは仕方がないのぅ。ワシが守ってやるけれど、難しいかもしれんのぉ〜」という表情をしています。
80番 不動明王二童子立像
これは公式サイトでも見ることができます。(クリックすると拡大します)
お不動さんなのですが、なで肩で体が柔らかいです。
お顔も「えっ? それ、ワシに退治してくれと?」と、やや戸惑っているようで、ああ、いいなぁ、と思わせてくれます。
45番 多聞天立像
龍を背中に背負っており、道がつながっている仏像です。
でも厳しさはまったくなく、こういう優しい多聞天さんもいるのだな、と思いました。
123、124番 恵比寿像、大黒天像 右衛門四良作
一番、印象に残っている2体です。
真っ黒にすすけているのですが、「大黒さんと恵比寿さんなのに? え? その表情?」と思わず二度見し、その後もじーーーーーっと観察した仏像です。
見ていると、つい微笑んでしまいます。
口角が上がっているので笑っているのでしょうが、強烈な魅力があります。
レプリカが欲しい、と本気で思いました。
他にも、おどけたお顔の閻魔大王や、なんだか可愛らしい鬼の像(鬼が悪ものではないという東北ならではですね)がいくつかあったりして、楽しめます。
興味がある方は行かれてみてはいかがでしょうか。
展示を見たあと、お土産コーナーで靴下を買いました。
仏様の種類がいくつかありましたが、ここはお不動さんだろう、ということでこちらを購入。
両方の後ろの部分に、お不動さんが描かれています。
ポストカードも何種類かあったので買い、たまに見てほっこりしようと、本まで買いました。