『ごりやく歳時記』という本に書いているのですが、
鏡餅は、神棚と仏壇だけでなく、「水が出る場所」と「火を使う場所」にも、お供えしたほうがいいです。
こうすることで、家運が下がることがなくなりますから、新しく来る年もいい年にできます。
神棚と仏壇は、基本、23時45分を過ぎてからお供えをするため、
家の中はそれまでにすませることが理想です。
時間で言えば、23時30分頃から、
キッチンの水道の蛇口、浴室、洗面所、コンロの上、そしてトイレに、鏡餅をお供えします。
「うちは、お供え場所がたくさんあるんです」というお宅もあると思います。
二世帯住宅とか、1階でお店をしているとか、1階を事務所にしているとかですね。
たとえば、1階で美容院をしていて、店舗にもトイレが2つある、シャンプー台が3つあるから蛇口も3つある、となったら、そこにもお供えしたほうがいいです。
ちなみに、トイレは個別に、全部のトイレにお供えします。
1階と2階にトイレがあるというお宅も、どちらのトイレにもお供えは必要です。
というわけで、「え? じゃあ、23時30分頃からやっても、全然間に合わないんですけど~」というお宅があるかもしれません。
こういう場合、昼間に、または、夕方あたりに、鏡餅をお供えする、というのはやめたほうがいいです。
鏡餅は、新年のための〝神様へのお供え物〟です。
これをお昼頃に置いてしまうと、大晦日のお供え物、になってしまうのです。
リビングや玄関に置く「飾り」としての鏡餅なら、早くから置いても問題ありません。
お正月飾りだからです。
けれど、トイレや水場、火を使う場所に置くのは、神様に召し上がってもらうための〝お供え物〟なのです。(何回もしつこく言ってすみません)
年が明けて「めでたい!」という雰囲気の時に、神様に新年の鏡餅を召し上がってもらうと、神様はニコニコの笑顔になって、家がますます栄える、みたいな感じになります。
というわけで、早めにお供えするよりも、遅くなって年が明けてしまったほうがいい、というわけです。
早くからお供えして、大晦日のお供え物となった鏡餅を、年明けのおめでたい時にそのまま置いているよりも、年が明けてからお供えしたほうが喜ばれます。
早めのお供えをしても、叱られることはありません。
ただ、神様は、古くなったものを、おめでたい新年早々召し上がることはないので、その鏡餅は意味がない、ということになります。
時間的にうまくさばけそうもない、となっても、年明け直前にしたほうが丁寧ですし、神様が喜んで下さるのはこちらになります。