たまにですが、間違えておみくじを持って帰ってしまった、というメッセージをもらいます。
これは、番号が書かれた棒が入っている筒をカラカラと振り、出てきた番号のおみくじを、自分で引き出し、または棚から取り出す、という方式のおみくじの話です。
これは最上稲荷のおみくじです。
この場合、棚のところに表示されている番号が、上の棚を指しているのか、下の棚を指しているのか、ぱっと見で判断するわけですから、それで間違えてしまうことが多いみたいです。
あとからおみくじをじっくり見て、
「あら? これ番号が違うやん」と気づくわけですね。
筒から出てきた番号とは違うものなので、もう1回引くべきなのか……
すでに神社仏閣をあとにしていた場合は、間違ってしまいました、すみませんと、神仏に謝りに戻るべきなのか……
と、あれこれ悩む方がおられるようです。
間違えた意味というか……その時の状況は2パターンに分かれます。
うっかりミスと、神仏や眷属の好意あるいたずら、です。
うっかりミスは単純なミスですから、意味はありません。
神仏や眷属が、「あらら。間違えて、違う棚から取り出したな~。それじゃないけどな~」と、思うだけです。
違うおみくじだけど、引いた本人は、一生懸命に読んでいるわけで、神仏や眷属はその姿を見て、微笑んでいます。
おみくじで、その時の運勢を教えようとした場合は、それがちょっと違うだけですし、
なにかのアドバイスを与えようとした場合も、それが届かなかった、というだけのことですから、
間違えたことは大きな問題ではありません。
番号が違うと気づいたら、「間違えました~」で、もう1回引くといいです。
謝罪をするようなことではないので、謝らなくても大丈夫です。
神仏や眷属の好意あるいたずら、というパターンもあります。
豊川稲荷東京別院での、元夫の体験です。
私が先におみくじを引き、そのあとで元夫がカラカラしていました。
元夫は、出た番号を言いつつ、棚から取り出していました。
その時に、違う棚から出したようなのです。
取り出したおみくじは大吉でした。
「やったー! また大吉をもらえたー!」と、元夫は大喜びです。
内容を読んで、超ゴキゲンでした。
で、ウキウキと繰り返し読んでいて、境内を出る手前で、「ん?」と立ち止まりました。
なんともいえない複雑な表情をしています。
「どうしたん?」
「これ、番号が違う……間違えたみたいや……」
そこで、周囲にいた眷属たちが、いっせいに大笑いしている声が聞こえました。
その雰囲気は、妙にほのぼのとしていて、優しくまろやかでした。
「正しい番号のものと、取り替えんとあかんやろな」
「いや、それでいいみたいよ」
「へ? どういうこと?」
そこで説明をしてあげると、元夫の顔がパーッと明るくなり、ダキニ天さんと眷属にお礼を言っていました。
元夫と逆で、間違えたおみくじがよくない運勢というパターンもあります。
「うわー! こんなおみくじを引いてしまった~。きゃ~、こんな運勢いりません~!」と、ガックリしたあとで、
「あら? これ、番号が違うやん……」と気づくわけです。
この瞬間、見えない世界の境内は笑いに包まれて、ほのぼのムードになっています。
というわけで、番号を間違えてしまっても、なんの問題もありませんから、マイナスに受け取らなくても大丈夫です。