皆様、お玉ちゃんの伝説をご存じでしょうか?
私はこの年になるまで、まったく知りませんでした。
私がそうだったように、ご存じではない方もいらっしゃると思うので、まずは、お玉ちゃんの伝説をご紹介します。
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時は江戸時代、1702(元禄15)年のことです。
お玉という名前の少女がいました。
伊豆国大瀬村(現在の静岡県です)の、お百姓さんの家に生まれたお玉ちゃんは、江戸へ奉公に出されました。
奉公先は親戚の家だったそうですが、お玉ちゃんはまだ少女です。
よその家で「働く」ことが、かなりつらかったようです。
「実家に帰りたい」と、両親を恋しく思ったお玉ちゃんは、ある日、こっそりと奉公先から逃げ出します。
箱根の関所近くまで逃げて来ましたが、お玉ちゃんは通行手形を持っていません。
関所を通れないのです。
関所を通れなければ、戻るしかないのですが、お玉ちゃんは家に帰りたい一心で、関所の裏山を越えることにしました。
関所から少し離れたところまで行き、そこから山に登ろうとしました。
しかし、箱根の関所は、山の上まで柵をめぐらせていたため、その柵を乗り越えなければいけません。
現代と違って、着ているものは着物ですし、まだ大人になっていないお玉ちゃんですから、うまく柵を乗り越えることができず……
柵に着物が絡まったりして、もたもたしているところを見つかってしまいました。
お玉ちゃんは牢屋に入れられました。
罪名は「関所破り」です。
2ヶ月ほど牢屋に入れられたのち、お玉ちゃんは処刑されました。
江戸時代の関所破りは重罪でした。
そのため、未成年でも許されることはなく、お玉ちゃんは獄門(斬首のうえ、さらし首にされます)という方法で処刑されたのです。
あわれに思った村の人が、お玉ちゃんの首を洗ってあげた、と伝わっています。
首を洗った場所は「お玉が池」であり、お玉ちゃんがつかまった場所は「於玉坂」とされています。
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お玉ちゃん、かわいそうですね。
悲しいストーリーですが、現在「お玉が池」は心霊スポットになっている、という噂があります。
前述したように、私は、お玉ちゃんを知りませんでした。
観光で、箱根の関所を訪れた時に伝説を知り……
そこから、思わぬ方向でお玉ちゃんと関わって……
ちょっとした体験をしたので、皆様にシェアしておこうと思います。
※続きます。