息子一家は、今年の春に、引っ越しをしました。
前のマンションは新築で入居しており、なかなかよい物件だったのですが、定期借家契約でした。
4年が期限でした。
更新はできない、という契約だったのですが、物件がよかったため、4年後の引っ越しは、まぁ、仕方がないだろうということで、入居したのです。
その4年が、あっという間に過ぎました。
更新をしたくてもできない契約で入っていますから、引っ越しをしなくてはなりません。
この春に物件探しをしていた頃は、しょっちゅう息子からメールが届きました。
「このマンション、どう思う?」という内容です。
写真だけじゃなく、内見した時の動画なども送ってきていました。
ある日、息子が張り切って、「ここに決めようと思う!」と、写真と動画を送ってきました。
送られてきた写真と動画を見るかぎり、その部屋に幽霊はいません。
息子が、「ただ……ここがちょっと気になる」というベランダからの景色は、
う~ん、たしかにそこは暗いな、と思いました。
しかし、距離があるので影響があるのかどうか、その暗さはなんなのか、は、行ってみないとわからないので、
マンションの部屋に幽霊はいない、でも、たしかにそこは暗い、と返事をしました。
息子はちょっと悩んだようですが、住んでいるマンションの契約が切れるギリギリだったので、そこに決め、引っ越しをしました。
引っ越しを決めて、引っ越す直前に、上の孫娘の体調が悪くなりました。
近所の小児科から、大きな病院を紹介されて、そこで精密検査をしましたが……
結果は異常なし、でした。
けれど、引っ越したあとも、時々病気の症状が出ます。
症状が出るたびに、息子は心配して精密検査を受けた大きな病院につれて行きますが、異常なし、ということで、
「原因がわかりません。もう少し様子を見ましょう」と医師に言われていました。
息子とお嫁さんは、死ぬほど心配していました。
「う〜ん、それは病気ではなく、霊障なのでは……」と、思いましたが、
息子たちが入居したマンションの部屋に、幽霊はいないのです。
「おかしいな~」ということで、息子んちに行ってみました。
もしも、上の孫娘に霊障があるのなら、空海さんとお不動さんに、ご縁をいただいておいたほうがいいだろうと思ったのです。(ちなみにこの時に上の孫娘と行ったのは、篠栗の「南蔵院」です)
この時に、息子一家が入居したマンションを、初めて訪れたのですが……
ひ〜! と驚くくらい、暗いのです。
エントランスに入るのを、一瞬ためらったくらいです。
原因は「土地」でした。
なんとも言えない、どんよりとした、沈んだような、重たい暗さです。
マンション内では、エレベーターが特に暗く、「く~、乗りたくないんだけど!」と本気で思いました。
息子は、ベランダからの景色が暗いと、ちゃんと感じたのに、なぜ、マンションがここまで暗いのはスルーしたのか……
と、頭をかかえました。
息子の会社の人で、霊的なことが少しわかるという人が来た時に、さりげなく印象を聞いたところ、
「あの道をこっちに曲がったところあたりからなんだか暗い感じですね~」と言ったそうです。
実はこの訪問の時、私は息子んちに泊まりませんでした。
近くのホテルに部屋を取ったのです。
執筆しなければいけないという理由があったのですが、泊まりたくないという気持ちが強く働いたからです。
※続きます。