前々回に、今のこの人生は1度しかない、この先、同じ人生(同じ経験)はしない、ということをお伝えしました。
今の人生で、自分が何を持っているのか(才能とか環境とかですね)、
そこをしっかり考えて、持っているものの価値を自覚して、それを生かしたほうがいい、というお話を書きました。
どう生きればいいのか、自分は何をすればいいのか、と、あらためて人生について、考えた方もいらっしゃると思います。
そこで、今日はもうひとつのご提案です。
私を含め、今、生きている人は〝せっかく生まれてきた人生〟を体験しています。
さまざまな経験をするのが人生ですから、つらいこと、苦しいこと、悲しいこともあります。
仕事がしんどいとか、上司とうまくいっていないとか、夫や妻とギクシャクしているとか、子どものことで心配事があるとか、悩みは誰にでもあると思います。
けれど、その悩みにうもれてしまうのは……非常にもったいないです。
お休みの日には、近所の公園でもいいから、ちょっとお出かけをして、
「太陽の光って気持ちいいな~」と太陽光を浴びたり、
「風が少し冷たくなって、心地いい~」と風を感じたり、
生きている今だからこそ、受け取れるものを、しっかりと感じることをおすすめします。
私たちが帰っていく、あちらの世界は「物理の世界」ではありません。
ですから、この世とは違っています。
ザザーッという優しい波の音や、水が跳ねるようなリズム感ある小川のせせらぎ。
ふわっと一瞬でやすらぎを与えてくれるキンモクセイの香り。
紅葉した美しい木々や、黄金に実った稲穂、秋だと実感させてくれる可憐なコスモスの花。
このような自然に対して、ふっと、「ああ、キレイだな~」とか、「気持ちいいな~」と思うことも、経験のひとつです。
人間はあちらの世界に戻る時、何も持って帰ることができません。
愛する人も、お金も、大事にしているものも、すべて、こちらの世界に置いて、身ひとつで帰ります。
持って帰れるものは、自分が「経験したこと」だけです。
その「経験したこと」は、楽しかった思い出、嬉しかった思い出、悲しかったりつらかったりした思い出だけではありません。
自然を見て、聞いて、感じて、「ああ、いいなぁ」「癒やされるな~」と思った、こういう小さな感動も、すべて持って帰ります。
休日なのに、朝からずっと、会社で上司にイヤミを言われたことを反芻し、「ムカつく~」とイライラしていたら、この休日の思い出は「イライラ」です。
あちらの世界に帰る時は、この「イライラ」を持って帰ります。
けれど、ちょっと外に出たり、もしくは大掃除をしたりして、スッキリした気持ちになれば、その「スッキリ」を、意識しなくても、持って帰れるのです。
あちらの世界に戻った時の気持ちが、全然違います。
小さな感動をいっぱい持って帰ると、こちらの世界を堪能したということで、「いい人生だったな~」という満足度が飛躍的に高まります。
というわけで、これから気候もよくなりますし、紅葉も始まって、外に出れば、爽やかな気分なることが多いです。
小さくても、たくさんの素敵な感動を、ひとつでも多く持って帰れるよう、お出かけをしてみてはいかがでしょうか? というのが、本日のお伝えしたいことです。
10月31日発売です。