前回までのお話で、203のおじいさんは自分ちに戻ってきても、玄関のドアが閉まっているから、中に入れない、だからさまよっている、ということを書きました。
生きている人間の、ほとんどの人は幽霊が見えません。
けれど、幽霊本人は自分の体が見えています。
それは、霧や霞のように、うっすらとした半透明で見えているのではなく、生きていた時と同じように見えています。
しっかりと、3次元の肉体として見えているわけです。
ですから、死んだことに気づかない、ということが起こったりします。
「どうやら自分は死んだようだ」と気づいても、体は生きていた時のまま、同じように見えていますから、そこの意識は、生きていた時と同じです。
どういうことかと言いますと……
幽霊はあちらの世界の存在ですから、実は、空間を移動できます。
ホテルで夜中に目覚めたら、幽霊が枕元にいた。
ドアを開けていないし、窓も開けていないのに……という場合、幽霊は空間を移動して来ているのです。
この場合、多くは低波動に吸い寄せられて出現しているのですが、幽霊本人はその理由がわかっていません。
幽霊のほとんどは、「空間を移動できる」ことを知らないのです。
それは、自分の体が、生きていた時と同じように見えているからです。
人間は、玄関のドアを通過することができませんし、
マンションの廊下から部屋の中へと、空間を移動することもできません。
幽霊は、その意識のまま、なのです。
というわけで、ドアが閉まっていると、「入れない」と〝思って〟さまようわけです。
一応、幽霊も、ドアを開けてみようとします。
しかし、「幽霊」ですから、手でドアの取手を動かそうとしても、現実世界の取手は動きません。
どうして開けられないのか? と思い、
ああ、そうか、死んでいるからだな、と理解すれば、ドアが開くのを待ちます。
もしくは、生きている人間に、「開けてくれませんか?」とお願いしたりするのです。
もしも、幽霊を連れて帰ってしまったら……という対処法を、私はこれまでにいくつか書いてきました。
お不動さんの真言を鳴らす(唱える)、般若心経を鳴らす(唱える)、金剛鈴を鳴らす、清め塩や清め砂を利用する、など、いろいろと方法はありますが、その際、「窓を開ける」ということを、しつこく書いてきました。
これは、多くの幽霊の意識が「人間だった時のまま」だからです。
開いているところがなければ、逃げられない、と思ってしまいます。
すると、出ていかないのです。
窓が開いていれば「あそこから逃げられる!」と思い、そこから出ていきます。
さて、ここで、よく質問をもらうのが「網戸」です。
網戸も開けるのでしょうか? と、書かれたメッセージをたまにもらいます。
虫が入ってくるので、網戸は開けたくない、という気持ちはよくわかります。
けれど、網戸が閉まっていたら、幽霊はどう思うか? です。
閉まっているところは、開けられない、と、幽霊はそれまでの経験でわかっています。
ですから、網戸を閉めていたら、「網戸が閉まっているから出られない」と考えます。
体はそのままですから、網戸を通過するのはムリ、と思っています。
というわけで、幽霊を連れてきたかも? と思ったら、追い出す方法をやりながら、網戸も開けます。
幽霊に悪気はなくても、低波動のため、居座られると、体調が悪くなったり、運気が下がったりしますから、一刻も早く出ていってもらったほうがいいです。
開けておくのは1分でじゅうぶんですが、念のために、もう少し長くしたほうがいいです。
けれど、10分も20分も、長々と開けておく必要はありません。