これは3ヶ国めの取材地、ドイツでのお話です。
私は海外では、夜は外出をしません。
早朝から活動をして、夕方にはホテルに戻っています。
なので、シャワーなども早い時間にしています。
この日も夕方にホテルに戻り、早めの夕食をすませていました。
その後、翌日に行くところのアクセスを確認し、それを小さなメモ用紙に書いて、とりあえず、しなければいけないことは完了させました。
「これで明日のスケジュールはオーケー」というわけで、ブログの更新はシャワー後にしよう、と服を脱ぎました。
Tシャツを脱いで、ズボンも脱ぎ、ブラもはずし、パンツ1枚になったところで……
水を入れていた使い捨てのプラスチックコップを倒してしまったのです。
シャワーで使うクレンジング洗顔料とか、着替えとか、化粧水とか、いろいろと準備をしている時にうっかり手が当たりました。
コップはひっくり返って、書いたばかりのメモが水びたしになりました。
なんで手が当たったのだろう、ンモー、と思いながら、こぼれた水を拭きました。
スマホは大丈夫でしたが、机に置いていたペンやお菓子が濡れたのです。
テッシュで丁寧に拭きつつ、「とりあえずシャワーをしよう」とは思うものの、濡れたメモ用紙がすごく気になります。
シャワーする前に新しくにササッと書き直そうかな、と、パンツ一丁で椅子に座ったところで……
大音響の警告音が鳴り始めたのです。
プワーン! プワーン! プワーン!
という音で、耳が痛くなるくらいの、派手な音量です。
宇宙船にエイリアンが侵入しました! みたいな、緊急事態を知らせる音です。
「え? 今日って防災訓練だったん?」
最初はそう思いました。
警告音のあとに、ドイツ語でアナウンスがあり、その後、英語でもアナウンスがありました。
「緊急事態発生です。急いで避難してください。エレベーターは使わないでください。停止するおそれがあります。非常階段を使って、今すぐに避難してください!」
みたいなことを、合成の音声が言っています。
その後、また、プワーン! プワーン! プワーン! の警告音です。
警告音、ドイツ語アナウンス、英語アナウンスが、繰り返し流れるのです。
火災発生とは言っていません。
そうか、ガス漏れとか、そういうこともあるよな、と思うと、
「ひー! 本格的にヤバいんじゃない?」と気づき、あわてて服を着て、部屋を飛び出しました。
大勢の宿泊客が非常階段を使って、下へと向かっていました。
無事にホテルの外に出て、正面にまわってみたら(非常階段の出口はホテルの側面なのです)、消防車が3台来ていました。
はしご車も来ていたのですが……どうやら火災ではなかったようです。
ホッとしました。
何事もなくてよかったです。
ここで思ったのは、もしも、プラスチックのコップを倒していなかったら……
私は、頭からずぶ濡れのまま、避難していただろう、ということです。
こぼれた水の後始末をしていなかったら、警報が鳴った時に、私はシャワー浴びていました。
ちょうど頭を洗っていた頃でしょうから、全身ずぶ濡れ状態です。
警告音が鳴り響いたのがシャンプー中だったら、適当にシャンプーを落とし、体を拭くのもそこそこに服を着て、半分濡れた服で飛び出していたわけです。
その状態を想像すると……
「コップを倒してよかった~」と思いました。
ドイツは朝晩涼しく、この日はちょっと寒かったので、そういう意味でも助かりました。
というわけで、人間にはわからない、突然襲ってくる災難もあるわけです。
そこから救ってくれる神様は本当にありがたいです。
海外旅行に行く時や、長旅、ひとり旅などは、神様に同行してもらうことをおすすめします。
今回の旅行では、しみじみとその大切さを実感しました。
旅行だけでなく、日常でもしっかり守ってもらえるように、神様にご縁をいただいておくことも、おすすめしておきます。
これが、側面から正面を見たところです。
3台、消防車が来ていました。
火災ではなかったとわかった宿泊客が、少しずつ部屋に戻っていきます。
ドイツでは、火事の時は「112」なのですね。
消防車の後部がシャッターになっていました。
消防車もベンツなんだ~、と思いました。
街なかで、こういう可愛いベンツもあるんだ、と知ったばかりだったのです。
駐車しているのもずら~っとベンツで、さすがドイツ、と思っていたのです。
なので、消防車もベンツだったのは印象的でした。