前回に続き、昔のお話を、もうひとつ書いてみようと思います。

 

江戸時代の初期、讃岐守(さぬきのかみ)の家来だった彦十郎という人のお話です。

 

彦十郎はすでにそこそこの年齢で、けっこう長くこの讃岐守に仕えていました。

 

けれど、知行の加増はまったくありません。(お給金を上げてもらえません)

 

彦十郎は不満に思います。

 

自分よりあとから家来になった者のほうが、どんどん出世しているからです。

 

彦十郎は「残念です」と讃岐守に言い、出仕するのをやめてしまいます。

 

この態度に、讃岐守は激怒します。

 

ただちに彦十郎を捕らえるよう指示をし、庶民以下の者の処刑法「斬首の刑」で殺すよう命じます。

 

彦十郎の妻や子どもも殺すように命じ、妻子は先に殺されました。

 

後ろ手にしばられ、首を斬られる寸前の彦十郎は叫びます。

 

「讃岐守に言ったことは事実ではないか! 妻や子どもに罪はないのに、どうして殺したのだ! 武士であるワシに切腹をさせず、斬首の刑で殺すこともありえないだろう!」

 

最後に、首を斬る役人にも、

 

「斬りそこなうなよ。近いうちに化けて出るからな」と言います。

 

役人のほうはそう言われても、まったく気にせず、「心得たり」と首を斬りました。

 

落とされた彦十郎の頭は、コロコロと転がり、首だけになっても役人を睨みつけ、そして目を閉じました。

 

その後、役人の家に、彦十郎が血まみれの首となって出現します。

 

恐怖におののいた役人は、わけのわからないことを叫びながら、刀を抜いてあらゆる方向を斬りつけます。

 

危ない、と家の者に刀を取り上げられた役人は、

 

「あれは殿の命令でやったことだ。許してくれ。許してくれ」

 

と手を合わせましたが、7日目に亡くなります。

 

彦十郎の怨霊はその後、あちこちにたびたび出現し、その姿を見た者は、ほどなく死んでいきました。

 

怨霊に殺された人数が、14、5人になったところで、彦十郎は供養されました。

 

供養をされたことで、怨霊としての姿は見えなくなりましたが、怪異は続きました。

 

……という、罪を犯したわけではないのに処刑され、妻子も殺された人が、怨霊となり、人間を取り殺したというお話です。

 

怖いですね。

 

でも、怨霊になってまで、憎い人間を殺すとか、本当にあるのかな? と思いますよね。

 

あるのです。ニコニコ

 

新刊『100年先も大切にしたい日本の伝えばなし』に書いているので、詳しい内容までは書けませんが、実際にそれをやった、という神様がいました。

 

ひえ~! びっくり とビビりましたが、事情を詳細にお聞きすると……

 

「わかります! そのお気持ち!」と、素直にそう思いました。

 

怨霊になってしまう魂には、それなりに深〜い理由があったのです。

 

見えない世界のことは、まだまだ知らないことだらけだな、としみじみと思いました。ニコニコ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神様が教えてくれた金運のはなし 直接きいてわかった開運あれこれ (幻冬舎単行本)神仏のなみだ「山の神様」からこっそりうかがった 「幸運」を呼び込むツボ (宝島SUGOI文庫)聖地・高野山で教えてもらった もっと! 神仏のご縁をもらうコツ神様、福運を招くコツはありますか? 直接きいてわかった神仏の本音京都でひっそりスピリチュアル (宝島SUGOI文庫)神社仏閣は宝の山神さまと繋がる神社仏閣めぐり - 神仏がくれるさりげないサイン「神様アンテナ」を磨く方法 誰もが感じているのに気づいていない幸運のサイン神仏をいつも身近に感じるために~心澄ませ、気運を高める~