皆様、ありがとうございます!
新刊が、6月19日に、 KADOKAWAさんから発売されます。
タイトルは 『100年先も大切にしたい日本の伝えばなし』 で、
定価は 1,650 円(税込)です。
神社やお寺には必ずと言っていいほど「由緒」があります。
祀られているのはどのような神仏なのか、
社殿やお堂はいつ創建されたのか、
お寺だったら開基は誰なのか……
などの情報が、事務的に書かれたものから、壮大なストーリーになっているものまであります。
古代から伝わる伝説も、さまざまな物語が日本のあちこちに散らばっています。
話が飛躍しすぎているものも中にはありますが、本当にあったかもしれない、と確かめてみたくなる伝説も少なくありません。
本書はこのような「由緒」や「伝説」を検証した1冊です。
たとえば、「養老の滝伝説」は有名ですね。
泉にお酒がわいて、親孝行の息子が父親に飲ませた、というものです。
最初にこの話を知った時は、夢のあるおとぎ話だな、と思いましたが、でも、どうしてそんな物語ができたのだろう? という、その部分には非常に興味を引かれました。
お酒がわいて出てくる、という発想はなかなかできないように思うので、そこには、何か特別なストーリーがあったのかもしれない、ということで行ってみました。
鬼がいたという伝説が多く伝わる地域には、本当に鬼がいたのではないか? と思いますし、
大きなホラ貝に糸を通せるか? と言われて、神様が蟻を使って見事に糸を通した……という伝説は、本当にあったのだろうか? と知りたくなります。
すみかを奪われたキツネが仕返しをしにお寺に行き、そこでお坊さんの説法を聞いて、改心した。
よいキツネになったので、境内に稲荷として祀られたというのは、どこまでが本当? と確認したくなります。
美しさを永遠に保ちたいからと、泉の水を飲んで龍になった、とか、
丑の刻参りのモデルとなった神様がいる、というのもそうですね。
そのお話はどこまでが事実? まったくの創作? と解明したくなるものがたくさんあるのです。
それで、私が気になったところに行ってみました。
すると、由緒や伝説に近いことが過去にあったり、感動するようなエピソードがあったりと、
「へぇ~!」とか「ほぉ~!」と、目が真ん丸になる結果が多かったです。
由緒や伝説のルーツは本当に面白いです。
とっても楽しくて、クスッとなる「村ばあちゃん」の神様との会話や、思わず笑わせてもらった、家康さんの家来だった神様との会話も書いています。
この本は、神社仏閣の境内の特徴とか、ごりやくのご紹介だけではありません。
神仏に聞いた、由緒や伝説に関する事実や、真の神仏のお姿などを書いています。
いろんな意味で、神仏をより深く知ることができる内容です。
本書がきっかけとなって、違った角度から、皆様にもっと参拝を楽しんでいただけたら、大変嬉しく思います。