取材で、たまに古~いホテルとか、古~い旅館に泊まることがあります。
部屋に入った時に「これは明らかにヤバい……」という場合は、「へこたれない幽霊撃退法」に書いたように、真言と般若心経をCDで3回ずつ鳴らしています。
こうしておくと幽霊が出る部屋でも、夜中になっても出てくることはありません。
けれど、そんなに気配が強くないとか、「魔」に傾いていない雰囲気の時は「出そうだけど、ま、いいか」と放っています。(3回ずつCDを鳴らすのが面倒なためです)
すると……やっぱり夜中に出てきます。
でも、取材で疲れている私は、ピシーッとラップ音がしても、憑くような幽霊でなければ「はいはい」と無視して寝ています。
しばらくすると、今度はもっと大きな音を出してくる幽霊もいます。
先日もそのような幽霊だったので、「あー、はいはい。ごくろうさま」と答えて、そのまま無視しました。
するとですね、次は私の顔の真ん前で、ピシッ! と、大音響でラップ音を鳴らしたのです。
2回ほど鳴らされましたが、怖い幽霊ではなかったので、「相手にせんとこ」と、これも無視して寝ていると……
私の足もとのあたりで、バタバタと大股で歩く音が、少しの間響いていました。
「ムキになる幽霊だな〜」と思いましたが、これも無視しました。
その音で目が覚めてしまったので、トイレに行き、トイレからの帰りに、何気にうるさかった場所を見てみたら……
怪談話でよく聞くような、床に水でできた、足の形が残っていました。
水に濡れた足(はだし)で、床を歩いたためにできた足跡です。
ほぉ~! と、これには驚きました。
こういうことができる幽霊もいるんだ! と。
きっと「人間を怖がらせたい!」という幽霊なのでしょう。
成仏させてほしいとか、助けてほしいというのではなく、ちょっと悪いほうに傾いた幽霊ですね。
幽霊もいろいろだなぁ、怪談話まんまの幽霊もいるんだ、とあらためて思ったという、そういう取材のこぼれ話でした。