※前回の続きです。
受験で、合格をすると、本人が生まれる前に決めた計画が変わってしまう……
この場合、神様は合格させません。
あえて落とします。
「では、イジメはどうなのでしょうか?」と、思う方がいらっしゃると思います。
お子さんが合格して大喜びをし、張り切って通い始めた学校で、イジメが始まった……。
お子さんが学校に行けなくなって、つらい思いをしている……。
「神様はどうして、こんな学校に入学させたの?」
「イジメられるという不幸が待っていたのに、どうして不合格にしなかったの?」
と、責めたくなるお気持ちはよくわかります。
ここで、前回のお話です。
世の中は〝不確実な未来〟のほうが圧倒的に多いわけです。
人間の〝心がけ次第〟で変わる未来……これは「不確実な未来」です。
「この子、なんだかムカつくから、イジメよう」と、Aさんが思えば、イジメが始まります。
でも、「気が合わないから、友達になるのはよそう。他の子と仲良くしよう」と、思えば、イジメは起こらないのです。
Aさんという子の心がけ次第です。
これは以前にも書いたことがあるので、ご存知の方も多いと思いますが、合格祈願をされた神様は受験会場に一緒に行きます。
会場をさーっと見渡した時に、合格する子はわかります。
そこに、思いっきり心根の邪悪な子がいたら、不合格にすることもあります。
心根の邪悪な子と同じクラスになることが、すでにそこでわかるからです。
イジメられることが予想されれば、あえて落とします。
けれど、受験会場で、まだ心根が邪悪になっていない、ごく普通の子のAさんを見ただけでは、この子がイジメをするかどうか……判断できないこともあります。
たとえば、Aさんはこの時点では、イジメをするような、心に闇がある子ではなかったとします。
一般的な子です。
けれど、入学して少しすると、いきなり父親がリストラされます。
父親はストレスでイライラして、Aさんを虐待します。
父親に叩かれたり、罵られたりするうちに、Aさんの心はどんどん疲弊してしまい、イジメをする子に変身してしまいます。
【注:虐待うんぬんはたとえ話です。虐待された子がイジメをするというお話ではございません。虐待をされても、心の美しい子はたくさんいます。そこは誤解のないようお願い申し上げます】
さすがに神様でも、そこまで変身することを、何も問題がない時点で予測するのは難しいです。
「不確実な未来」がいくつも重なっているからです。
まず、リストラされるかどうかは、その会社の人事担当者、もしくは社長の気持ち次第です。
別の人がリストラされるかもしれませんし、リストラ自体をしないかもしれません。
父親がリストラされることになっても、父親がイライラするかどうかも「不確実な未来」です。
ガックリと落ち込んで元気がなくなるかもしれませんし、「よし、心機一転、頑張ろう!」と前向きに考えるかもしれません。
たとえイライラしたとしても、子どもに虐待をする可能性は低いです。
万が一、虐待をしたとしても、母親が必死に守って、やめさせるかもしれませんし、
祖父母に助けを求め、Aさんは祖父母に引き取られていくかもしれません。
最終的にどうにもならず、Aさんの心が疲れてしまって、イジメをしそうになっても……
「イジメたらかわいそう」と、Aさん自身がブレーキをかけることができるかもしれません。
このように、「不確実な未来」が、何層にも重なっているのです。
受験の時点では、Aさんはイジメをするような、心に闇がある子ではありませんし、
家庭もごく普通で親子は仲良しですし、
父親の会社も順調ですから、
「不確実な未来」がいくつも重なったイジメは、いくら神様でも見えないわけです。
重ねて言いますが、あきらかにイジメが発生しそう、という場合は、神様は合格させません。
落とします。
けれど、仮に、神様が受験会場でAさんを見て、「不安定な心の持ち主」だと見抜いても、この時点では、父親はリストラされていませんし、Aさんは虐待されていないのです。
「神様、絶対に合格させて下さい! ここまで頑張って努力をしてきました! 神様、お願いします!!」
と、熱心に合格祈願をされていたら……
この時点ではまったくなんの問題もないので、願掛けを優先して合格させます。
世の中は「不確実な未来」のほうが圧倒的に多いため、神様でさえ、のちに驚く展開になることも……あります。
ですから、「なぜ、不合格にしなかったのか……」と、悩み悲しむ前に、このようなこともある、ということは知っておいたほうがいいように思います。
神様はパワーや大きさが一律ではありませんから、わかる神様もいれば、わからない神様もいます。
難しい未来が見える神様もいれば、見えない神様もいます。
というわけで、不確実な未来が重なると、予測が難しいこともある、というお話でした。