魂は何回も転生をしています。
転生をすることで、いろいろな人生……たとえば、大金持ちから貧乏な生活環境まで、国を動かす人から庶民までと、さまざまな人生を経験して、その中で多くのことを学習しています。
この学習というのは、全員が同じ過程をたどるわけではありません。
小学校ではこの範囲を学習する、中学校ではこの範囲を学習する、みたいな感じで、順序よく進んでいく仕組みではないのです。
これだと生まれ変わりの回数が同じなら、みんな同じ内容を学習し終えていて、霊格も同じ、ということになります。
そうではありません。
学習する項目に順番はなく、どれをやるのかは自由です。
魂としてまだ若い人でも、難しい項目を終えていたりしますし、
霊格がかなり高いのに、「え? それ、まだやったん?」という簡単な項目が終わっていなかったりします。
最終的にどの人もすべてを学習するのですが、その順番は人によって違います。
Aさんが公園に行きました。
Aさんはそこそこ大きな会社に勤めている、パリッとしたビジネスマンです。
仕事もできるし、社会的信用もあります。
「今日はいいお天気で、青空が気持ちいいな~」とAさんは背伸びをし、ベンチに座りました。
ふと見ると、ベンチの上にお財布が落ちています。
男物の二つ折りのお財布で、お札がけっこう入っているのか、ふくらんでいます。
Aさんはキョロキョロと周囲を見まわしました。
あたりはシーンとしていて、誰もいません。
今ならサッとポケットに入れても、見つかることはなさそうです。
Aさんはちゅうちょすることなく、お財布をポケットに入れました。
平気でポケットに入れたのは、「盗んではいけない」という項目を学習していないからです。(他の理由がないこともないのですが、今回は「学習」について書きます)
〝魂〟が学習をしていないので、
盗みというものは、法律で悪いことになっている、道徳的にもよくないことである、くらいの認識しかありません。
魂は悪いことだと思っていないのです。
Bさんが公園に行きました。
Bさんは無職なので経済的に苦しく、1日1食の生活をしています。
無職の理由は、職場でのケンカです。
上司に反論をしたところから口論となり、居づらくなって辞めたのです。
Bさんは「お腹がすいたな~」と思いつつ、ベンチに座りました。
ふと見ると、ベンチの上にふくらんだお財布が落ちています。
お札がけっこう入っているので、Bさんの全財産よりも金額は多そうです。
「うわぁ、これを落とした人は困っているだろうな~」とBさんはつぶやきます。
そして、お財布をつかむと、そのまま交番に走って行きました。
「盗んではいけない」という項目を学習し終えている人は、自分がどんなに経済的に苦しくても、うまく盗める状況であっても、盗んだりしません。
どれだけ大金が入っているお財布でも、「盗む」という考えはまったくなく、周囲に人がいるかどうか見まわすということすらせず、警察に届けます。
過去世で、「盗んではいけない」という項目を学習しているからです。
魂が「いけない」ことだと知っています。
浮気などもそうです。
あんなにキレイで優しい奥さんがいるのに、どうして夫は浮気を繰り返すのだろう? という場合、
この夫は、「不倫はよくない」という項目を学習していないことが多いです。
なので、魂が悪いと思っていない、そのため、罪の意識が希薄です。
やらなきゃ損、くらいに考えています。
けれど、魂が学習を終えている人は、どんなに魅力的な異性から誘われても、そういう関係にはなりません。
魂が「してはいけない」とわかっているからです。
※ここから長いので次回に続きます。