あるところに、ものすごく心の美しい人がいました。

 

困った人を見ると放っておけない、できる限りのことをしてなんとしてでも助けたい、という人です。

 

どこかで災害が起きれば、被災者に多くの寄付をしたり、

 

「恵んで下さい」という人がいれば、持っているお金の大半を恵んであげる、

 

何度騙されても、人を助けることを第一に考えます。

 

誰にでも思いやりを持ち、親切で、優しい人です。

 

人には小さなことでも「ありがとう」と感謝をし、もちろん、神仏への信仰も厚いです。

 

その人が、それまでは元気だったのに、いきなり病気になりました。

 

それも、かなり重い病気です。

 

そこで、家族や周囲の人は首をかしげます。

 

「あんなに素晴らしい人格者なのに、どうして病気になったのだろう?」

 

「何か、本人が気づいていないところで、バチが当たるようなことをしたのかな?」

 

「前世のカルマじゃない?」

 

「もしかしたら、娘の私が過去にした、よくない行ないが母に影響したのかも?」

 

「いや、息子の俺が無職だから、俺にしっかりしろという忠告かも?」

 

全部、違います。ニコニコ

 

これは過去に一度、「人間とは」という記事の終わりにちょこっと書いたのですが、

 

人は生まれる前に自分で人生の計画を立てています。(どこまで細かく決めているのかという濃度は人によって違います)

 

「この人生で、大きな修行をやってみよう!」と、挑戦する人も少なくありません。

 

人生の最後に、大きな修行として、認知症を選ぶ人もいますし、

 

大きな病気を選択する人もいます。

 

病気や事故で、体が不自由になるという、過酷な修行を選ぶ人もいます。

 

どうしてそんな修行を……と、思うかもしれませんが、

 

本人が、「よし! やってみよう!」と、決めて生まれてきたのは、理由があります。

 

それは、本人の父親、母親、妻、夫、娘、息子など、

 

身近にいる誰かを、心から〝信頼〟しているからです。

 

この親だったら、この妻だったら、この娘だったら、

 

安心して修行ができる……という、〝魂の信頼〟です。

 

病気になったり、体が不自由になったりすると、ひとりでは生きていけません。

 

誰かに手伝ってもらわなければ、お世話をしてもらわなければ、生活できないのです。

 

そのことを魂はしっかりとわかっています。

 

認知症だったら、脳ではこのことを認識していませんが、魂は感謝で満ちています。

 

真の本人(魂)は、日々深い感謝をしながら生きているのです。

 

「お父さん、お母さん、ありがとう」

 

「妻よ、ありがとう」

 

「娘よ、息子よ、ありがとう」と、

 

言葉では言えなくても、魂は常に、お世話をしてくれる人に向かって、手を合わせています。

 

これは、ものすごく崇高であり、大きな修行です。

 

ですから、家族がいきなり病気になった、事故で体が不自由になったという場合、

 

何が悪かったのか、

 

本人のカルマなのか、

 

自分の行ないが影響しているのか、

 

カルマなら解消させる方法があるのか……と考えるのではなく、

 

「大きな修行に挑戦したのね~」と、おおらかに受け止めることが大切です。

 

「そうか、じゃあ、その修行をお手伝いしてあげよう!」という気持ちに切り替えることができる人は、素晴らしいと思います。

 

「同じその修行をしてみる?」と聞かれたら、「いえ、けっこうです」と大半の人が答えるのではないでしょうか。

 

それを、あえて、挑戦して、頑張っているわけです。

 

身近にいる家族を、心から……魂のレベルで信頼しているからこそ、できる挑戦なのです。

 

 

 

 

 

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