人間は、現在生きている一生が終わり、またこの世に戻って来るとしたら、別の人生を初めからやります。
別人になります。
今世は恵まれない人生だったとしても、次回は大いに恵まれた人生を設定することができますから、もしも、うまくいかないことがあったとしても、次の人生で挽回できます。
これは、輪廻転生のメリットのひとつです。
けれど、お稲荷さんは人間のように、輪廻転生をしません。
生まれ変わったりしないため、ずっとそのままで存在していくのです。
その一生といいますか、人生といいますか、それが非常~~~~~に長いわけです。
それで、上を目指すお稲荷さんが多い、ということを聞きました。
お稲荷さんという存在は、
神様世界にいる、
仏様世界にいる、
自然霊のまま、という3パターンがあります。〈「魔」の世界に傾いている野狐(やこ)はお稲荷さんではありません〉
神様世界にも仏様世界にも入らず、自然霊としてず~~~っと存在するのもいいのですが、そうすると、パワーアップしませんから、力などはそのままです。
自然霊として、山や野原を駆け回っているお稲荷さんは、人間の〝信仰心パワー〟がもらえません。
自力で厳しい修行しなければ、いつまでも小さい(力が弱い)ままなのです。
けれど、神社やお寺に祀られたお稲荷さんは、もしくは、神社仏閣で眷属として働いているお稲荷さんは、人間の信仰心パワーがもらえます。
修行もしていますから、持っているパワー、使える力は、一般的な自然霊のお稲荷さんとは、全然違うわけです。
自然霊のお稲荷さんでも、中には「ひえぇぇ~!」というほど強いお稲荷さんがいますが、一般的には小さなお稲荷さんが多いです。
信仰心パワーは神様を大きくサポートし、力を与えます。
けれど、神様は、自分でこのパワーを作ることができません。
神社やお寺で……お稲荷さんによっては個人の神棚で、真面目にせっせと働くと、信仰心パワーがもらえるため、大きく強く成長できます。
自由に原野を駆け回っていた頃とは全然違う存在になれるのです。
頑張ってレベルアップをすると、強く大きくなったその状態で、その後の人生を進んでいけます。
それで、祀られたい、信仰されたいと思うわけです。
一生懸命に願掛けを叶え、こまめに人間のお世話をして、身を粉にして働いているのは、こういう理由からなのです。