最近、ビジネスホテルに無料の朝食がついているところが増えてきました。
ごく普通のホテルでの朝食、有料ビュッフェに比べたら、品数はかなり劣りますが、でも、そこそこちゃんとした朝食がとれます。
新鮮な野菜のサラダバーがあるところもあり、ビジネスホテルも進化しているのだな、と感じます。
私は取材で、ビジネスホテルによく泊まります。
観光地だったら、私のような女性のひとり客も、たま~~~~~にですが、見かけることがあります。
けれど、全然観光地ではないところで、平日の朝6時、無料朝食会場で女性を見ることは、ほぼありません。
食事をしているのは、「出張です」という感じのサラリーマンや、工事関係の作業服を着た男性ばかりです。
工事関係の人は意外とあちこちで、それもビジネスホテルではよく見かけるので、腕のいい工事関係の人は出張が多いみたいです。
それ以外は、たま~に、男性のひとり旅っぽい人がいるくらいです。
ええ、そうなんです。
観光地ではないところのビジネスホテルで、平日の朝6時に無料朝食会場に行くと、そこにいるのは全員男性です。
私以外は……です。
そういう、お仕事バリバリの男性ばかりという状況の中、ビュッフェの列に、おぼんを持って並んでいる私……。
ものすごい違和感があります。
どこからか、おばちゃんがひとり迷い込んできた、という雰囲気なのです。
ここでキョロキョロしていたら、違和感に拍車がかかるので、つとめて平然としています。
「あら? 今、チラッと見られたけど、なにかしら? 私も仕事バリバリの出張ですけど?」という顔を作っています。
ですが、おばちゃんであることは明白であり、隠せないので、この作戦が成功しているかどうかは……不明です。
この作戦、効果があるはず、と私は信じていますが、ひとめ見て「あ、場違いなおばちゃんや」と思われているようにも感じられ、う〜ん、ひとり相撲かも? と思ったりもします。
こんな感じで取材を続けていると……
慣れてくるんですね~、働く男性ばかりの朝食会場に行くことが。
取材が1週間続くと、最後のほうは慣れたおかげで堂々としていて、浮いていません。
周囲に溶け込んでいるのです。
どこも朝食会場は広くないので、席が近いのが普通ですが、誰も私がいることを気にしていません。
堂々とした態度が違和感を消しているようです。
この状態を、完璧に溶け込めてるやん、やったー、と私は考えているのですが、
もしかしたら、
迷い込んでしまって一生懸命にご飯を食べているおばちゃんを、見てはいけない、見たら悪いような気がする、という意識が働いて、みんな見ないようにしているのかもしれません。
というわけで、取材に行ったら朝イチでこのようなことをあれこれ考えるため、出発時にすでに疲れている……ということがたまにあります。笑