神社にお供え物を持っていく際の注意点です。
たとえば、カップ酒をお供えするとします。
コンビニで〝ひとつ〟買って、神社に行き、まず本殿の神様にお供えします。
手を合わせ終え、神様が召し上がったかな? というタイミングでそのお酒をおろします。
そして、今度はその〝同じ〟カップ酒を、境内社にお供えする……
というこれは、ルール違反です。
境内社にお供えをするのであれば、もうひとつ、境内社専用に買っていきます。
いくらその神社の敷地内にあるお社でも、おさがりは失礼だからです。
境内社の神様は、本殿にいるご祭神の子分ではありません。
ですから、ここは気をつけたほうがいいです。
といいますか、子分である眷属でも、人間がおさがりをお供えすることは失礼なのです。
眷属にもお供えをしたい場合は、眷属用として、別にもうひとつ持っていきます。
熊野の「那智大社」には、眷属であるヤタガラスのお社が、本殿とは別にあります。
本殿にお供えした、フタを開けたお酒を、そのままヤタガラスのお社に「どうぞ」とお供えするのは、絶対にNGです。 (想像しただけで冷や汗が……。ここのヤタガラスさんは厳しいのです)
那智大社は特別で、眷属のお社がないというのが普通です。
この場合、眷属にもお供えをしたいという方は、本殿に2つ、お供えをします。
そして、「ひとつは眷属の皆様の分です」とひとこと添えれば、それでオーケーです。
でも、そこまでしなくても、神様はお供え物を眷属にも分け与えています。
ひとつだけしかお供えしなくてもまったく問題ないのです。
神様がたったひとつのものを眷属にも分ける、というのは当たり前ですが、
〝人間〟が、「眷属はおさがりで十分」と、その行為をするのはよくありません。
眷属ではない境内社の神様にその行為をするのは……もう本当に、完全なルール違反です。
「でも、2つも3つもカップ酒を買うのはもったいないと思うのですが……」
という意見があるとして(ないかもしれませんが )、次回に続きます。