もうすぐお盆ですね。
お盆は故人が家に帰ってきます。
「え? 亡くなった人は仏壇にいるんじゃないの?」
「あれ? 位牌に宿っているんじゃないの? 帰ってくるってどういうこと?」
と思われた方がいらっしゃるかもしれません。
ご先祖様や、亡くなったご両親、亡くなった家族の〝いる〟場所は、仏壇の中ではありません。
狭い仏壇の中にじーっと〝いる〟わけではないのです。
成仏した人が存在するのは、現実世界ではなく、あちらの世界です。
仏壇・位牌は、成仏した人が「顔を出すことができる」特殊な場所で、常時、そこに〝存在している〟わけではありません。
普段は、あちらの世界から、子孫を守っています。
しかし、年に1回、お盆にだけ、こちらの現実世界に戻ってくることができます。
位牌というあの世とこの世をつなぐパイプから顔を出すのではなく、自分自身の体ごと、そのまま帰ってこられるのです。
亡くなってから49日までの間は、まだ成仏していないので、、故人はさわれる距離ですぐそばにいます。
お盆に戻ってきて、家の中に〝いる〟状態は、この時と同じです。
雲か霞のように薄〜くて、ふわふわといるのではなく、しっかりとした存在で家の中に滞在します。
あ、でも、お盆だからといって、亡くなった人が全員、戻ってくるわけではありません。
50回忌の向こう側に進んだ魂はもう戻ってきません。
生前の人物として、その人物がいたところに戻る、という段階を超えているからです。
親しい家族が地上に誰もいないという人や、帰る家がないという人も戻ってきません。
それ以外の人は、毎年、お盆を心待ちにしていて、ニコニコと喜んであちらの世界からやって来ます。
お盆は地域によって日にちが違いますし、もろもろの作法なども違います。
ですので、お盆のお供え物やお供えの仕方は、地域のやり方か、もしくは、ご自分の宗派のやり方でいいと思います。
それがよくわからないという方は、私のやり方、お迎えの仕方などを『死んだらどうなるの?』という本に書いていますので、よかったら参考になさって下さい。(本は図書館で借りることができます)