私が今のマンションに引っ越してきたのは約3年前です。
引っ越してきて、半年くらいたった頃に、近所に喫茶店がオープンしました。
周囲がガラス張りなので、中がよく見えるその喫茶店は、かなり狭めの店内です。
小さなカウンターと、2人掛けの小さなテーブルが3つ、4人掛けの小さなテーブルが2つありますが、無理やりこれだけ詰め込みました! という感じです。
内装はごくごく普通で、軽くお茶をする喫茶店、という雰囲気でした。
40代くらいの女性がオーナーのようで、バイトの女の子をひとり雇っているみたいでした。
お店の前を通る時、いつもガラス越しに、お客さんが2~3人いるのが見えていました。
オープンして間もなく、道路を挟んだ向かい側に大手チェーン店のカフェがオープンしました。
こちらは広い店内です。
「うわ~、開店そうそうライバル店登場か~、それも大手はきついな」と思いつつ、様子を見ていると、やはり少しずつお客さんは減っていきました。
喫茶店は、このままではヤバいと思ったのか、手作りケーキやソフトクリームなどのスイーツを目玉にもってきました。
それまではなんの宣伝もしていなかったのですが、お店の外に黒板仕様のメニューボードを置いて、美味しい手作りスイーツを宣伝し始めました。
それで、なんとかお客さんをキープしているみたいでした。
すると、半年ほどして、今度はなんと、5軒隣にオシャレなカフェがオープンしたのです。
オシャレなカフェは、コーヒーも紅茶も多くの種類があるお茶専門の、造りもしっかりした本格的カフェです。
立て続けに2店、すぐそばに大きなライバル店ができたわけです。
「ひゃ~、これはヤバいんじゃない?」と思っていると、お客さんはどんどん減っていき……そのうち、いつ見てもお客さんがゼロ、という状態になりました。
「オープンして1年もたっていないのに、つぶれるのかな……」と思っていたら、ある日突然、ランチの宣伝をでかでかとするお店になっていました。
メニューボードにランチの種類を書いて外に出し、お店のガラス窓にはランチの写真を拡大してポスターにしたものを貼っていたのです。
それからは、お昼はお客さんが来るようになりましたが、他の時間帯、つまりカフェのほうはサッパリでした。
そこで、新型コロナの感染拡大が始まり……どのお店もお客さんがいなくなりました。
「さすがに今度は持ちこたえられないのでは……大丈夫かな」と思っていたら、今度は「お持ち帰り弁当」を始めていました。
唐揚げ弁当とか、コロッケ弁当とか、何種類かを見本で外に展示していました。
お店のガラス窓にもポスターで大きく宣伝していました。
「オーナーさん、頑張ってるなぁ、努力家だな~」と応援の気持ちが高まります。
お弁当はまあまあ売れているようでしたが、コロナ禍でお客さんはそんなに多くはありません。
「大丈夫かな、今日はお客さんいるかな」とお店の前を通る時は気にしていたのですが、なんと、先日、唐揚げ専門店になっていました。
どうやら、ランチやお弁当の唐揚げが評判いいようで、完全に転向したみたいです。
その唐揚げはいくつか種類があって、ガラス窓に貼られているポスターはどれも美味しそうです。
そしてそれからは、いつ見ても、お客さんが入っているのです!
唐揚げ専門店なので、美味しいコーヒーを飲みつつ、アツアツの唐揚げを食べられるわけです。
お昼じゃない時間でも常時、4~5人はいます。
繁盛しているようで、本当によかったです。
前回、夢を叶えるには努力も必要だと書きましたが、この喫茶店もそれで成功しているのですね。
最初はこじんまりとした、ちょっとお茶をするという感じの、ごくごく普通の小さな喫茶店でした。
そこに大手と専門のカフェが2店できて、方針を変え、さらにコロナ禍もあって、いろいろと苦労をしつつ、努力をされ……成功をつかんだのです。
大きなカフェがすぐそばに2店できた時点で、「つぶれるのでは……」と多くの人が思ったと思います。
もしも、オーナーさんがガッカリして落ち込み、努力を放棄していたら、お店は存続していなかったかもしれません。
けれど、オーナーさんは諦めませんでした。
頑張って、努力をされたのです。
人間、自分を信じて努力をすれば、夢は叶う、成功はつかめる、のです。
一生懸命に頑張る人を、神仏は応援してくれます。
世の中にはこういう例があちこちにたくさんあるので、元気がない時はそれを見て、自分を励ますことも大事かと思います。