前回、写真をご紹介した崖観音さんのお話です。
観音堂でご挨拶をして、いきなり「何かお言葉を下さい」と、丸投げしてみました。
というのは、質問を思いつかなかったのです。
質問をして、それに答えてもらう、という形式ではなく、私が仏様にお言葉をもらう、という形にしてみました。
いただいた言葉がこちらです。
「人生には……静かに瞑想をするような期間があってもいい」
穏やかな口調でこう言われました。(この時の私の状況を見て言われた言葉なので、当てはまらない方がいらっしゃるかもしれません)
あれもしなきゃ、これもしなきゃ、あそこに行かなければ、ここにも行かなければ……と忙しいのは、しんどい時もありますが、楽しい面もあります。
たとえば、会社で重要な仕事をまかされたら、忙しいけれど楽しいという部分があると思います。
重要な仕事をまわしてもらえない時もあるわけですから、忙しい自分が嬉しかったり、誇らしかったりもします。
忙しい自分に価値を見出すことは、その裏にやりがいとか、生きがいだとか、そういう人生の活力になるものがあるからだと思います。
けれど、十一面観音さんは「バタバタして生きていたら、バタバタしたまま人生が終わってしまうぞ」と言うのです。
長い人生の途中には、心を落ち着けて、瞑想をするような期間があってもいいそうです。
ゆっくり生活をして、自分の心の中をよく見て、静かに深く人生を考える……そのような時間を持つことも大事であるというわけです。
忙しくて朝から晩まで走りまわったり、バタバタと用事を片付けていると、あっという間に1日が終わります。
そのような状態が続く生活だったら、深~~~いことを考えて、心を整えるのは……たしかに難しいかもしれません。
前回の写真でおわかりのように、ここの観音堂は見晴らしがいいです。
ベンチに座って、景色をただぼ~っと見ていると、現実界のごちゃごちゃした悩みや心配事はどうでもよくなり、自分の心だけが見えてきます。
十一面観音さんは、こうも言われました。
日本には四季があって、景色のよい場所がたくさんある。
それは心を落ち着けて内観する機会を与えてもらっているのである。
そのような場所を見つけたら静かに景色を見て、しっかり内観する時間を持ったほうがいい。
そして、長い人生の中には瞑想をするようにゆっくり生活をする期間があってもいい。
もしも休めるのであれば、休んでもよいのではないか……。
ああ、そうだなぁ~、と心の底から、しみじみと納得しました。
ちょっと行き詰まった時は、近所でもいいから、景色のよい場所に行って癒やされて、心を整えてはどうか……という意味も含まれています。
崖観音さんは岩に掘られた仏様であり、お不動さんは崖をくり抜いたお堂(洞窟)内におられます。
ここの崖の岩は、山が持つパワーがぎゅっと凝縮されています。
お不動さんのお堂は、中に立っているだけで、山のパワーが充電されます。
お不動さん自身の力よりも、地球のエネルギーといえる山のパワーのほうがはるかに大きいので、お堂の中に入ったらすぐに出ないことがおすすめです。
十一面観音さんはお体が岩ですから、山の強いパワーを持っています。
そこに加え、ほわわ~んとしたぬくもりも持っている仏様です。
ここでは、まず観音堂で心の修復をしてもらい、帰りに不動堂でパワーを充電してもらいます。
この順番で、心身ともに元気いっぱいになって帰る……というのが、ベストな参拝の仕方です。