「天狗」と、ひとくちに言っても、種類があります。
有名なのは、鼻が大きく赤い顔の「大天狗」と、くちばしを持った「カラス天狗」です。
天狗がいる神社やお寺は、大天狗かカラス天狗のどちらか一方しかいない、というところと、両方いる、ところがあります。
両方いても、どちらかの天狗がメインになっている……つまり、お願いをするのは、そのメインの天狗であるところと、同じ立場の大天狗とカラス天狗がいる、というところに分かれます。
どちらかの天狗がメインとなっている神社仏閣は、メインの天狗にお願いをします。
本日お伝えするのは、今言ったような、メインの天狗が決まっているところではなく……
同じ立場(同じ力量)の、大天狗とカラス天狗がいる、という神社仏閣での、ご縁のもらい方です。
石鎚神社口之宮本社や古峯神社、小御嶽神社(富士山5合目)など、同じ神格で同じ力量の天狗が両方いるところはたくさんあります。
両方いる神社仏閣で、天狗にご縁をいただきたい、願掛けを叶えてもらいたい! という場合の、ちょっとしたコツです。
神社だったら、2拍手をしてお願い事を言いますが、その時に、お願いする対象(神様)を漠然と「天狗」だと考えている方は、どちらかにしぼったほうがいいです。
というのは、両方に願掛けをすると、叶えるのはどちらでもいいということですから、今回は大天狗で、次回はカラス天狗になったりします。
それも悪くはないのですが、同じ天狗に続けて守ってもらったほうが、効果は大きいです。
たくさんの天狗がいるような神社だと、眷属歴の浅い天狗や、修行中の天狗に、願掛けを任せることがあります。
そうなると、願ったとおりに叶わなかったりするのです。
あちこちが微妙に違うんですけど~ となることもしばしばです。
ですから、修行中の天狗ではなく、願掛けを叶えてほしい天狗にお願いをすることがコツと言えます。
方法は簡単です。
手を合わせてお願いをする際に、呼びかけるだけです。
「大天狗さん」か、「カラス天狗さん」ですね。
どちらに話しかけているのか、どちらにお願いしているのかを、ハッキリさせる意味で呼びかけます。
「大天狗さん」と指定すれば、大天狗が「自分に願っているのだな」と、しっかり聞いてくれますし、「カラス天狗さん」と言えば、カラス天狗が「自分の信者なのだな」ということで、親身になって聞いてくれます。
「天狗さん」と、両方をまとめて言うよりも、明確にしたほうが、はるかにご縁をもらいやすいのです。
境内に入って話しかける、ご挨拶をするところから、「大天狗さん」か、「カラス天狗さん」と、呼びかけます。
行くたびに、どちらか一方にしか話しかけなかったら、すぐに目をかけてもらえます。
「おぉ、お前か。また来たのか~、うんうん、よしよし」と、ご縁もいただきやすくなるのです。
漠然と両方を信仰するよりも、近道と言いますか、早めに親身になってもらえます。
もちろん、その神社、そのお寺では、〝常に〟同じ天狗に話しかけます。
前回は大天狗に話しかけたから、今回はカラス天狗にしよう、というのは、おすすめできません。
一旦、どちらかに決めたら、何回行っても、同じ天狗に話しかけます。
別の神社・お寺に行けば、変えても問題ありません。
A神社ではカラス天狗に話をしているけど、B神社では大天狗に話をする……というように、神社仏閣が変われば、別の種類の天狗に変えてもオーケーです。
私のように、どちらか決めずに両方を信仰するのも悪くありません。
両方と仲良くできるといいますか、どちらの天狗も親しくしてくれるからです。(「神さまと繋がる神社仏閣めぐり」という本に古峯神社で2体の天狗が横に座ってくれた話を書いています)
ただ、親しくしてくれても、その濃度は、どちらの天狗ファンなのか、しっかり示した場合に比べると……薄いです。
参拝した神社仏閣で、天狗の像や、掲げてあるお面などを見て、「こっちだ!」と思った天狗が、その神社仏閣で自分に合った天狗です。
神社仏閣によって、天狗の性質やパワーは違いますから、この神社ではこっち、このお寺ではこっち、というように、合う天狗は違ってくると思います。