育った環境で神社に慣れていない、神社にまだ行ったことがないという方や、最近読者になって下さった方から、言葉がよくわからない……というメッセージをいただきましたので、ちょっと説明をしておきます。
「祈祷(きとう)」とは、「神職さんに、神様にお願いをする、簡単な儀式をしてもらう」ことです。
まず、神社の社務所、もしくは祈祷受付窓口に行って、そこで申し込み用紙に記入をします。
商売繁盛なのか、無病息災なのか、家内安全なのか、お願いをする種類を選びます。
祈祷の料金は「初穂料(はつほりょう)」という名前ですから、初穂料五千円、と書かれていたら、それが祈祷をしてもらう料金です。(おふだやお守りの料金も初穂料と書いている神社もあります)
祈祷料は、最低五千円から、というところがほとんどです。
お支払いをすると、係りの人にどこで待つのか教えてもらえますし、その先は「こうして下さい」と細かく指示があるので、何も知らなくても心配いりません。
祈祷をすると、神職さんに大きな幣(ぬさ)でお祓いをしてもらえますし、神職さんが本人に代わってお願い事を神様に伝え、専用の祝詞を奏上してくれます。
終わったら、おふだとお土産をもらいます。(御神酒をその場で飲ませてくれるところもあります)
私が文中に「祈祷」と書いていたら、それはこのように、拝殿に上がって神職さんに軽い儀式をしてもらうことをいっています。
「祈願」は、単純に「神様にお願いをすること」です。
「願掛け」と同じです。
神前で手を合わせて、自分で、祝詞を唱えたり、自己紹介をしたり、それから神様にお話をしたりして、お願いをする……それが、祈願であり、願掛けです。
祈祷のほうがお願い事が叶いやすいように思われるかもしれませんが、自分でお願いをするのも同じです。
神様は、お金を払ったかどうかで差別などなさいません。
ただ、祈祷をすると、神様を近くに感じられる、という特典があります。
というのは、祈祷をしているその場に神様が来て下さるからです。(牛頭天王を除きます)
お寺での参拝の仕方がわからない……というメッセージもたまにもらいます。
お寺は神社と違って、「こうしなさい」という指示が、一切何も書かれていない、というところが多いです。
なので、手水舎では好きなように手を清め、仏様の前に行ったら、手を合わせてお話をするだけです。
「パンパンと手を鳴らさない」ことは必須ですが、逆にいえば、それだけを守っていれば他はすべてオーケーなので、お寺のほうが断然参拝しやすいと思います。
でも、もしも間違えて、仏様にパンパンと手を鳴らしても、神様に2拍手をし忘れても、怒られたりしませんから大丈夫です。
相手は神様であり、仏様です。
人間でもそんな細かいことで、ギャーギャー文句を言う人はいないと思います。
なので、どうぞ安心して、参拝に行かれて下さい。
ちなみに私が「お札」と漢字にせず、「おふだ」とひらがなにしているのは、「お札(おさつ)」のイメージが先に入ってこないように、という思いからです。
私はこの漢字(札)を見たら、お金のイメージのほうが先に浮かぶため、ひらがなにしています。
「ごりやく」も、「ご利益」と漢字にすると、「利益」という言葉の意味が先に浮かびます。(私だけかもしれませんが)
ごりやくは、せっかく神仏にいただくありがたいものなので、利益と結びつくのはちょっと……ということで、ひらがなにしています。
11月12日発売です。
表紙の五芒星はキラキラ輝く素材になっています。