「ルルドの泉」のパワーは本当に強かったので、どうにかして持って帰りたい! と思いました。
実際にここに来ていた人たちがどうしていたのかと言いますと……。
ほとんどの人が、泉の上のほうの、岩の部分をさわっていました。
片手でさわっている人もいましたし、両手でさわっている人もいました。
自分の十字架を岩に、じーっとくっつけて祈っている人もいました。
Tシャツを泉にかざしたり、岩につけている人もいました。
とにかく皆さん、どうにかしてパワーをもらいたい、という感じでした。
私は、最初に洞窟に入った時、頭を岩にくっつけてみました。
岩と一体化してみようと思ったのです。
この方法は、鎌倉の大仏さんの体内でやって大正解でしたし、大神神社の「ご神樹(ご神木ではありません)」でやっても正解だったのです。
でも……ルルドの岩では、うまくいきませんでした。
しかし、ルルドパワーはなんとかしていただきたいです。
元夫と両親にもプレゼントしたいと思いました。
元夫は難病を抱えていますし、両親は高齢であり、母には持病もあります。
十字架を岩にくっつけている人を見たので、とりあえず私も、その方法でチャレンジすることにしました。
公式お土産屋さんに行って、両親にブレスレット、元夫にロザリオを買いました。
敷地内にあるお土産屋さんですから、ルルドの波動がちゃんと入っています。
波動入りだということは、それに反応して泉のパワーも入るかもしれない! と期待がふくらみます。
さっそく持って行って、他の人と同じように岩にくっつけ、祈ってみました。
洞窟の岩にはたしかにパワーがあります。
流れている泉の水はもっと強いのかもしれませんが、岩にも治癒パワーがたしかにあるのです。
それが移りますように、と祈りました。
泉にもかざしました。
でも……奇跡のパワーは入りませんでした。
ただ、岩にはなじみます。
それ以上はもうどうしようもなく、「ルルド聖地の波動が入っているだけでもいいか~」と、パワーを持ち帰ることはあきらめました。
そこで、ふと、「あれ? 私、ルルドにはもう来ないんじゃない?」ということに気づきました。
となると、自分のお土産(記念になるもの)も必要です。
公式お土産屋さんにふたたび行って、自分のブレスレットやマリア像を買いました。
パワーを吸収しなくても、岩には一度くっつけて、なじませておきたいと思ったので、またまた洞窟へと行きました。
岩にくっつけてなじませている、その時でした!
上からポツリ、と水滴が落ちてきたのです。
洞窟内ですから、上は岩盤です。
その岩を通り抜けた水のようです。
その水滴が、たまたま私の頭頂部に命中しました。
たった1滴なのに、それがものすごいパワーを秘めていたのです!
大天使マリアが出現した洞窟であり、治癒パワーがある泉を囲っている洞窟です。
その洞窟の岩の中を通過して、落ちてきた水滴なのです。
うわぁー! すごい力だっ! と本気でビビりました。
そこで、「ああ、これだ!」とわかったのです。
前日は、この水滴は1滴も落ちていませんでした。
それなのに、今日はポタリ…………ポタリ…………と、時々、落ちてくるのです。
手のひらで1滴、受け止めて、元夫用のロザリオに塗り込みました。
次に1滴受け止めて、父のブレスレットに、また1滴受けて、母のブレスレットに塗り込みます。
最後に1滴受けて自分用のブレスレットに塗り込みました。
するとですね! そのどれもが、ものすごい波動と強烈なパワーを帯びたものになったのです!
強いパワーでキラキラになりました。
湧いて流れる泉の水と、岩を通って落ちてくる水に、そんなに差はないように思いました。
これからルルドに、治癒パワーをもらいに行かれる方は、この方法でしっかりブレスレットやロザリオにパワーを入れるといいです。
持って帰ることができます。
ルルドの泉や教会には、杖をついている人が多かったです。
車椅子の人も多くいました。
グループで来ている知的障害者の人もあちこちにいましたし、ダウン症の人も団体で来ていました。
皆さん、奇跡を信じて来たのだろうな、と思いました。
そして、どの人もみんな、すごく楽しそうなのです。
付き添いの人も一緒によく笑っていました。
誰もがみんな明るくて、歌をうたったり、冗談を言ったりして、暗さがまったくありませんでした。
ちょっと不自由な部分があるけれど、人間はみんな同じ、という感じでした。
私が宿泊したホテルには、盲導犬を連れたご夫婦が泊まっていました。
アメリカから来た30代後半のご夫婦で、ダンナさんのほうは目が不自由でした。
チェックイン当日、奥さんはホテル前に車を止め、ダンナさんと盲導犬をホテル内のロビーに連れて行って座らせ、次にスーツケースを2つ、車からよいしょと降ろして、ダンナさんのところに置きました。
それから「車を駐車場に移動させてくるから」とダンナさんに言って、車を動かしに行きました。
朝食でも一緒になったので、さりげなく見ていたら、奥さんが行ったり来たりして(ビュッフェだったのです)、せっせとダンナさんの食べ物の用意をしてあげていました。
奥さん、よく働くな~、すごいな、と思いました。
ルルドの聖域のいろんなもの……ルルドの波動や、教会の大天使マリアパワー、キリストパワー、泉の水滴治癒力、いただけるお水の力などで、ダンナさんの目が治ればいいな、と本気でそのように思いました。
このご夫婦も、きっと信仰心が厚いのでしょう。
前々回でご紹介した「十字架の道行」の、キリストが死刑を宣告されるところで、ひざまづいて石段を登っていた女性を見て……実は、涙があふれて止まりませんでした。
キリストを思う、その信仰心が尊くて、心を打たれたのです。
国が違っていても、
信じる神仏が違っていても、
信仰心が厚い人の心は同じですね。
ピュアであり、透明な心であり、純真です。
見えない世界の偉大な存在、大いなる存在を心の底から信じ、愛し、崇拝している……。
その信仰心は、たとえ国が違っていても、祈る対象が違っていても、みんな同じで美しい、と思いました。
人間とは、そのような美しいものを心に秘めた、尊い生き物なのだ……ということを、しみじみと思ったルルドでの貴重な体験でした。
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