読者の方から、「お近くに行かれた際はこの神社に行ってみて下さい」「このお寺に行ってみて下さい」というリクエストを多くもらいます。
同じように(こちらはまれ~に、ですが)、博物館に行ってみて下さいというリクエストもあります。
東京国立博物館で来週から開催される、特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」の情報を読者さんからいただきました。
その情報を見ていて、「あ! そうだ、あれは絶対にお伝えすべき!」と、思い出したことがあるので、書いておきます。
まず、これはかなり前に一度書いた内容ですが、魂抜きの説明です。
博物館や美術館に、お寺から〝現役〟の仏像(ご本尊や、勤行をしている仏像です)を移動して展示する場合、お坊さんは移動をする前に仏像から魂を抜く儀式をします。
その儀式をせずに、魂が入ったままの仏像をベタベタさわったり、ぐるぐると梱包したり、トラックに乗せたりすることはありません。
魂を抜いてしまえば、仏様ではなくただの木の像になりますから、さわっても梱包しても移動させても問題ない、というわけです。
博物館に安置をしたあと、そこで再び、魂を入れるお坊さんもいれば、展示中はそのまま魂を抜いた状態にしておくお坊さんもいます。
私があちこちの博物館や美術館で見た印象は、「ただの木像になっている……」という、魂を抜かれたままの(道が繋がらない)仏像の方が圧倒的に多いです。
けれど不思議なことに、魂抜きしてある仏像だというのに、なぜか道が通じる仏像もあります。
何百年という年月、長いものは1,000年以上、その仏像に入っていた〝仏様〟ですから、人間であるお坊さんが魂抜きをしたところで、関係ないみたいです。
こちらが、その仏像に強く意思を投げかけると、フッと道がひらける仏像があるのです。
そうなると、魂抜きしたまま展示されている状態の仏像でも、お話をすることができます。
しかし、その数は少ないです。
魂抜きをされると、とりあえず道は閉じられる、というケースが多いからです。
と、いうことをずいぶん前に書きました。
話は変わりまして、たしか去年の今頃だったと思います。
場所も東京国立博物館だったと思うのですが、「仁和寺」の特別展示があったようで、見に行かれた読者さんがメッセージをくれました。
私が書いたものを読んで下さっていた読者さんは、「展示されている仏像は、魂が抜かれているものが多いって識子さんが書いていたな〜」と見学しつつも、
「でも、なんだかこの仏像は道が繋がっているような気がする」「あれ? これもそんな感じがする」と思いつつ、鑑賞されたそうです。
で、出口まで行くと、そこに「仁和寺のお坊さんとお話をするコーナー」が設けられていたと言います。
読者さんはそこに並び、慈悲深そうな、とてもいい雰囲気のお坊さんに、仏様のお話を聞いたそうです。
読者さんが、「博物館などに展示する場合、魂を抜くと聞いているのですが?」と質問をしたところ、そのお坊さんの答えは次のようなものでした。
「今回の展示は、移動をする前に一旦、仏像から魂を抜いて、それから移動をし、博物館に安置をして、一般公開をする前日に、すべての仏像に魂を入れています」
〝魂を入れた仏像〟にしたということは、毎日の勤行が必要となります。
次にお坊さんはこう言ったそうです。
「ですから、毎日、開館前にすべての御仏にお勤めをしています」
「博物館という場所なので、お花や灯明のお供えはできませんが」みたいなお話をなさっていましたよ〜、と読者さんが教えてくれました。
ほぉー、そうなんだ~! と読んでいた私は大感動でした。
関東から京都までは遠いです。
東北や甲信越の方々も、東京なら行けるけれど京都はちょっと無理……という方がいらっしゃると思います。
お身体が不自由な方は、東京国立博物館だったら車椅子でも行けるけれど、実際に京都のお寺まで行くのは難しい、などの事情があるかもしれません。
このように京都まで行けない方が多くいるわけです。
仁和寺のお坊さんはそのような方のために、展示されている仏様からでも「ご加護」や「ご縁」がもらえるように、魂を入れておられるというわけですね。
素晴らしいな〜、と思いました。
というわけで、展示されている仏像だからといって、一概に魂抜きをされたままだとは言えず、そこはご自分の目で見て、ご自分の仏様アンテナで感じて、判断をなさるといいです。
仏様アンテナを磨く練習にもなります。
「う〜ん、道は繋がっていなさそう……」と思ったら、前述したように、強く意思を投げかけると、ふっと繋がることもあります。
運命とはなにか? について書いています。
4月10日発売です。
運玉 誰もが持つ幸運の素 (幻冬舎文庫)
648円
Amazon |
運玉 誰もが持つ幸運の素 [ 桜井 識子 ]
648円
楽天 |
質問にお答えできるのは、いつになるかわからない状況です。
大変申し訳ございません.
メッセージに個人的な返信も差し上げておりません~。
こちらに詳細を書いておりますので →コチラ 何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
※著書はすべてアマゾンにリンクしています。