本を出す時は、「確認をお願いします」と、いろんなもののチェックを頼まれます。

 

その中には、まれにですが、サイトの文面などもあります。

 

これはその時のお話なのですが、ざっと目を通して、私とは全然関係のない「お支払い方法」のところを見ていたら……。

 

「クレジット決済」「代金引換」「コンブに前払い」と書かれています。

 

コンブ?

 

読んだ瞬間に、新しい決済方法ができたのかな? と思いました。

 

ずいぶん前に、「ペイジーで前払い」の文字を初めて見た時に、ペイジーって何? と思いましたし、「ペイパルで支払い」を見た時も、ペイパルって何? と思いました。

 

余談ですが、ペイジー「 Pay-easy 」はインターネットバンキングなどで口座から直接支払うことを言います。

 

ペイパル「 PayPal 」はアメリカの決済サービスシステムで、ここにクレジットカードを登録しておけばペイパルを通して支払いができ、クレジットカードの番号をお店のサイトに入力せずに済むというものです。

 

で、コンブというのも、新しくできたペイジーとかペイパルみたいな決済方法かな? と思ったのです。

 

COMB というアルファベットまで頭に浮かび……(いや、これは櫛というつづり字ですが)、私がまだ知らないそのような決済方法かと思ったのです。

 

そこで、「コンビニ前払い」の入力ミスだと気づき、爆笑しました。

 

「コンビニ前払い」なのに「コンブに前払い」……ツボでした。

 

「見て一発でわかりましたよ~」という方もおられると思いますが、癒されるミスだなぁ~、と私のお気に入りミスのひとつに加えました。

 

お気に入りミスがあるんですか? と思われた方、そうなんです、時を超えて今でも癒してくれるミスがいくつかあります。

 

これは、つい先日のことで記憶に新しいものです。

 

飲食店のお会計で、私の前にいたおじさんが「領収書をくれる?」と言っていました。

 

会計係の女の子は、どう見ても高校生でしたが、ニコニコしていてとても感じの良い子でした。

 

「お名前は……?」

 

「上様でいいよ」

 

「上様の〝うえ〟は、どのような漢字でしょうか?」

 

その瞬間、おじさんと後ろに並んでいた私は、

 

「………… (^_^;) 」 となりました。

 

きっとこの子は初めてのバイトで、しかもまだ入ったばかりなのでしょう。

 

ニコニコと笑顔で聞いているので、おじさんは「ここは俺が教えてあげるべき?」と考えたのだと思います。

 

一瞬の間があって、おじさんは小さな声で、「うえ・した、の上で……」と言っていました。

 

後ろに私ともう1人、並んでいたので、そこで説明をするのは違うと思ったようです。

 

「うえ、した、の上様ですね」

 

女の子はそう言って記入していました。

 

私もそうでしたが、何人もが「上様」ということで、自分のまわりにはいないけど「上」って苗字は多いんだな、でも聞いたことないな、あれ? というところから気づくと思います。

 

その子の初々しい感じが、「昔、自分もそうだったなぁ」と、なんともほっこりしました。

 

これから社会に出て、いろいろあると思うけど、その笑顔を持ったままで成長していけるといいね、頑張ってね、と心の中で応援をしてお店を出ました。

 

私の中で最高にほっこりして忘れられないのは……20年くらい前ですが、当時パートをしていた家電量販店の携帯コーナーでのお話です。

 

制服を着た高校生の女の子が、ひとりで携帯電話を購入しに来ました。

 

親御さんの承諾書と通帳を出してもらい(当時は表紙をコピーしていました)、その後、用紙に記入をしてもらっていた時のことです。

 

女の子が記入をしている間にコピーを取りに行った私は、コピー機から戻りつつ何気なく見ていると、女の子がパタ、とボールペンを置きます。

 

記入途中なのに? なんで? と思っていると、今度は突然、指で用紙をゴシゴシとこすりだしたのです。

 

そうです、電話番号のところに小さく書かれている〝右ヅメでご記入ください〟という、あれですね。

 

文章をそのまま素直に受け取って、右の爪で書いていたのでした。

 

真面目な顔で一生懸命、右手の親指の爪の端っこで書いていた姿が可愛らしくて、今でも時々思い出します。

 

その純粋さに癒されます。

 

あわてて女の子のそばに行って、右ヅメの意味を教えました。

 

女の子はすごく恥ずかしそうにして笑っていましたが、近くにいた大人は全員、ほっこりして優しい笑顔になりました。

 

あの女の子は今、どこでどうしているのかな、元気にしているのかな、と思います。

 

幸せだといいな〜、と思い出すたびに微笑んでしまう、そんなお話でした。

 

 

 

 

 

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