少し前に、サンゴは持ち帰ってはダメですよ〜、ということを書きました。 

 

その後、「知らずに持ち帰ってしまいました」というメッセージが多く届き、その数にびっくりしました。 

 

皆さん、まったく悪気なく、というか、むしろ南の島が大好きだからという好意的な気持ちで「記念に……」と持ち帰られています。 

 

えっと、まず、ご存知の方もおられると思いますが、サンゴの石(死骸)の持ち帰りは禁止されています。 

 

これはそのことをお知らせしている、沖縄県のホームページです。 

 

http://www.pref.okinawa.jp/site/norin/suisan/gyogyo/sango.html

 

内容をよく読むと、

 

「2  折れて海域に落ちているもので(生死は問いません。)、原形をとどめているもの(砂状、れき状、石状等の死サンゴは、除きます。)も採捕禁止です。」

 

と書かれています。 

 

法的な面から言うと、原形をとどめていない、砂状、れき状、石状等の死サンゴは問題ないと思います。 

 

しかし……別の意味で、やめておくことをご提案致します。 

 

祖納の浜で、サンゴには精霊が宿っていることがある、だから神聖なのだ、と教わりました。 

 

小さな精霊が宿っている南の島のサンゴは、〝その島に〟いるべきものです。 

 

もちろんサンゴ石の全部に精霊が入っているわけではなく、その数はそんなに多くはありません。 

 

与那国島の浜で、私はいくつかのサンゴ石を手に取って見ましたが、私が見たものの中には精霊が宿っているサンゴはありませんでした。 

 

ですから、サンゴ石のかけらは、ほとんどが心配ないと思って大丈夫です。 

 

けれど……もし……、もしも精霊が入っているサンゴ石だったら、その精霊は島に帰りたがります。 

 

いただいたメッセージの中には、サンゴを持ち帰った直後から体調が悪くなり大変な目にあいました、と書かれているものがありました。 

 

サンゴを持ち帰った場合、たたりとか、呪いなどで、体調が悪くなるのではありません。 

 

「島に帰りたい!」と思った精霊が、 

 

「島に戻してほしい」 

 

「そのことに気づいてほしい」と、障りを与えるのです。 

 

これはご先祖様と一緒です。 

 

良いことを起こす方法では人間は深く考えないからです。

 

障りがあると、どうして? 何が原因? ああだろうか、こうだろうかと、いろいろ考えを巡らせます。 

 

そこで、あ! おじいちゃんの年忌を忘れていたわ〜、と気づくわけです。 

 

ご先祖様も精霊も本来なら障りなど与えたくないのです。 

 

しかし、それではわかってもらえない、何とかして気づいてもらうにはこの方法しかない、という苦渋の決断なのですね。 

 

過去にサンゴを持ち帰って、その直後に何の障りもありませんでした、という方は、精霊が宿っていないサンゴを持って帰ったと思われます。 

 

ですので、この方は大丈夫です。 

 

そのまま持っていても問題ありません。

(原形をとどめていない、砂状、れき状、石状等の死サンゴの場合です) 

 

サンゴを持ち帰ってから、ずっと体調が良くないという方はお返ししたほうがいいです。 

 

サンゴを持ち帰ったのは、もう何年も前の話で、持ち帰った直後は体調を悪くしていたけれど、すでに回復して今は何ともない、という方も、できればお返ししたほうがいいかな〜と思います。 

 

障りが出なくなったのは、精霊が弱ってしまい、もう障りを与える力がない……という状態になっているからです。 

 

精霊はサンゴから抜け出して、自力で大海を渡って帰ることができません。 

 

そのようなパワーを持っていないのです。 

 

ですから、サンゴごと元いた場所に戻してあげなくてはいけない、というわけです。 

 

重要なのは、「元いた場所」に戻してあげることです。 

 

「海は南の島まで続いているから」もしくは「浜辺だったら同じ環境だから」という理由をつけて、本土の……近所の浜に持って行くのは違います。 

 

西表島なら西表島に、石垣島なら石垣島に、返してあげるべきなのですね。 

 

その際、たとえば石垣島のフサキビーチで拾ったサンゴを、石垣島の米原ビーチに返す、というのは大丈夫です。 

 

同じ島だったら海岸や浜が違っても問題ないです。 

 

「しばらく南の島に行く予定がなくて……でも、サンゴを持って帰ってから、ずっと体調が悪いので戻したいです」という方は、現地の自治体などにご相談をされてみてはいかがでしょうか。 

 

許可をいただいて送り返すことができれば、体調は元に戻ります。 

 

沖縄本島、宮古島や石垣島、あちこちの島で拾ったので、どれがどこのサンゴなのか、ごっちゃになってしまいました、もうまったくわかりませんという場合は……う〜〜〜〜〜〜ん、難しいです。あせる 

 

私だったら……サンゴを拾ったいくつかの島の中で、一番自然が多い島に返します。 

 

たとえば沖縄本島のサンゴを西表島に返すのは、かろうじてオーケーのような気がしますが、逆に、西表島のサンゴを沖縄本島に返すのは、明らかにダメだとわかります。 

 

サンゴに限らず、神聖なものを持ち帰る、ということは、軽く考えないほうがいいです。

(サンゴは、神聖なものだと知る方法がなかったので、こういう場合は判断が難しいと思いますが……)

 

私も以前、記念にいただこうかな、と軽い気持ちで伊勢神宮の境内にあった小石を拾ったところ、眷属にものすごーく叱られました。 

 

それ以来、神域・聖域にあるものを「記念に……」と思うことはなくなりました。 

 

あ、でも、高野山の、空海さんの〝三鈷の松〟はもらっても大丈夫ですし、安産の神様では石をいただいて帰り、無事に出産をしたら返す、というところもあります。 

 

ですから、一概には言えませんが、神社仏閣側が「持って帰っても構いません」と許可しているもの以外は、やめておいたほうがいいです。

 

神社仏閣ではないところは、神域っぽいな、聖域かもしれない、と思ったら、何も持ち帰らないことをおすすめ致します。

 

 

 

 

 




 

 

 

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