「久高島の神様」前編・後編で、この島のメインの神様と眷属のお話を書きました。
今日はその他、私が見たもの全部のご報告です。
盛りだくさんです。(長いです)
下の地図は私が作成したので、きっちり正確ではありませんが、大体このへんなのね、みたいな位置関係はわかっていただけるかと思います。
丸で囲んだ部分は、集落となっています。
シマーシ浜からウパーマ浜に行く道を自転車で軽快に走っていたら、左側にものすごい磁力を感じました。
祈りの場があるのだな、と思いましたが、女性の神様とは違うご神気もちょっぴり流れてきています。
「???」
と思った私は自転車を停め、その小道を奥へと入ってみました。
森の奥にはやっぱり、祈りの場である「御嶽」がありました。
香炉です。
「久高島 三代神様御生育之御地」と書かれています。
神様として祀られている方が、人間だった時の幼少期にお住まいになっていた場所かな、と思いました。
その石碑の奥に、ご神木がありました。
パワーが強烈です。
それもそのはず、神様が宿っておられます。
(木が神様ではなく、上部にいます)
先に、ご神木の奥を案内しますと、このような石碑(ご神体のようです)があります。
「天露之命神」と彫られていて、「天露之」の横に「みるく」とフリガナがつけられていました。
ご神体の石の向こうには、このような洞窟の入口というか、岩の割れ目がありました。
こういう場所には御嶽が作られていることが多い、ということは、あちこち回ったあとから知ります。
ご神木の神様にお聞きしたところ、神様は自然霊であることがわかりました。
精霊です。
本土だったら、この木にしめ縄を張って、柵で囲って、手を合わせる場所を設置する……そのクラスのご神木です。
木から放たれる「ご神気」がすごかったです。
ああ、神様が宿っておられるなぁと、遠くからでも一目瞭然でした。
神様は、この島の自然を守り、木々や動物などの自然のものに力を与える、そのようなお仕事をされているそうです。
弥生時代とか縄文時代とか、もっと昔の、原始の信仰ってこんな感じだったのだろうな、と思いました。
肌で神様を知ると言うか、ご神気で知る、そのパワーが満ちている場所に祈りの場を作る……。
そんな素朴な信仰が感じられました。
前回書いた、ネズミ君がいたウパーマ浜を見たあと、ふたたびサイクリングをしていると……またまた、御嶽が持つ独特の磁力が私を引っ張ります。
引っ張られるままに森の奥へと行ってみたら……
洞窟がありました。
香炉は今も使われている様子です。
観光客は、近づいてはいけない場所だと思われます。
「近づくと体調を崩す」と、わかったのと、雰囲気が独特だったので、ご挨拶もやめておいたほうがいい、と判断しました。
早々に辞去しました。
御嶽にはこのように近づいてはいけないところがあります。
そのへんはシリーズ後半で詳しくお伝えします。
爽やかな一本道です。
優しい女性の神様がお天気にしてくれました。
島の先端部になるカベール岬です。
とっても気持ちのよい場所で、ここは大自然が、心も体も、霊体までも癒してくれます。
岩場の端まで行ってみると、
このようにダイナミックな景色が見られます。
しかし、崖は非常に高いので、うっかり足を滑らせたら命はないかもしれません。
夏はもっと美しいのだろうな~、と思いました。
カベール岬で、心身ともにたっぷりと癒してもらって、島の西側へと回ります。
ここが久高島の聖地、フボー御嶽です。
立ち入り禁止でロープが張られていました。
ロープのギリギリまで寄って、何か感じることができないかな、と思ったのですが、遠くて無理でした。
きっと、女性の神様と繋がれる「祈りの場」になっているのではないかと思います。
ヤグル川は祭祀をする時に、禊(みそぎ)を行う場所らしいです。
奥に見えているように、コーンが置かれていて、立ち入り禁止となっていました。
コーンのところから下を撮影しました。
あとから調べてみると、禊用のひしゃくなどが置いてあるそうです。
島の森の中には、御嶽ではないものの、磁力がある場所が何ヶ所かありました。
昔は御嶽だったのかもしれません。
あ!
猫だ!
「やっほー、猫ちゃん、こんにちは!」
「アンタ、どっから来たん?」
「かんさ……あ、間違えた、関東です」
「アンタさぁ、感動少ないよね……。普通はもうちょっと喜ぶで。私、神の島の、久高島の猫やで? もっとこう、きゃー! ラッキー! いやん、可愛い~♪ みたいなん、ないん?」
「あ、それはさっき、ウパーマ浜のネズミ君で済ませたので……」
「はぁぁぁ?」
「あ、いえ、ラッキー! 可愛いお姿を、ぜひ撮らせて下さい!」
「しゃーないなぁ、モー」
「あれ? どこに行かれるんですか?」
「私の、っていうか、久高島の猫にしか出来ひん得意技を見せたるがな」
「ホンマですか!」
「特別やで。めったに出さへんからな、この技は」
「やったぁ、ありがとうございます!」
「シャッターチャンス、のがさんといてな~。いくでーっ! てくてく歩き……からの……」
「伸び~~~! や。どや! すごいやろ!」
( ̄_ ̄ i) 「…………」
「拍手は?」
「いや、あの、それって久高島の猫だけでなく、本土の猫でも出来ますけど……」
「そんなことあらへん! 久高島の猫だけや、この技が出来るのは」
「あの~、お言葉ですが、私の実家に新しく来た……〝犬〟なんですけどね、彼もしますよ? その伸び」
「…………」
「あ、いや、犬はそこまでしなやかに出来ませんけどね」
「もうええわ、アンタ、はよ行って。私、次の人にこの技を披露するわ。普通やったらな、いや~ん、可愛い~♪ って、写真パシャパシャやで? アンタ、あかんわ。感動がない。もうええわ、はよ行き」
猫ちゃんとさよならをして、少し行くと墓地がありました。
こちらは裏側になります。
おうちみたいなお墓なのですね。
久高殿です。
右手の建物に、祭壇があってお供え物や香炉などがありました。
ここは島の方の大切な祭祀を行う場所だそうで、これ以上はご遠慮しました。
島で一番古いとされている大里家です。
こちらにも祭壇があって、ここはお参り出来るようになっていました。
祭壇の向かいに香を焚く場所が作られています。
正面から見るとこんな感じです。
こちらは、ぱっと見、位牌? と思ってしまいましたが、神様のお名前が書かれていました。
祭壇の下には「参拝記帳簿」というノートがあって、お賽銭箱もあったので、神社みたいな扱いなのかもしれません。
ここは……すみません、名称がわからないです。
このような祭壇がありました。
左側の下部は「灰」の場所となっています。
バタバタと集落を回って、もう時間がない、港に戻らなければ、というギリギリで、最後の最後にもう一度イシキ浜に行きました。
(思いっきり自転車をこいだので心臓が破裂しそうになりました)
浜辺で島のほうを向き、女性の神様にご挨拶をして、素晴らしかった久高島をあとにしました。
※沖縄の神仏探訪の旅、続きます。
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天から聞こえるメロディを曲にしています。