先日のことです。
人と会う約束があって、赤坂に行きました。
最初は、ここで会う予定ではなかったのですが、前日に連絡が来て、集合場所が変更になりました。
「赤坂見附駅」と書かれた、その駅名を見た瞬間に、パッとキツネの姿が見えました。
じっとこちらを見ています。
「あれ? お稲荷さんだ。来いと言ってるけど一体どこの神社?」
私は関東に来て、ご縁をいただいているあちこちの神社に、まだご挨拶に行っていません。
去年、新たにご縁をいただいたお稲荷さんもいて、このお稲荷さんには、願掛けを何倍にも大きくして叶えてもらっています。
挨拶どころか、そのお礼もまだだったので、きっとそのお稲荷さんが「来い」と言っているのだろう、と思いました。
地図で「赤坂見附駅」が、東京のどこにあるのか確認をしたら……駅のすぐそばには、豊川稲荷東京別院がありました。
ああ、ダキニ天さんのところだったのか、と思いました。
いい加減、挨拶に来んか! お前は〜、モー! と、眷属が思っているのでしょう。
あいつめ、放っておいたら、いつまでも来うへんわ、ということで、むりやり赤坂まで引っ張られた感がありました。
では明日、帰りに寄ってご挨拶をしよう、と計画をしていたら、またメールが来て、「赤坂には日枝神社がありますよ」と書かれています。
日枝神社は読者の方から、参拝してみて下さい、とリクエストが数通来ている神社です。
「へー、その神社も近いのか、じゃ、ついでに行ってみようかな」と、日枝神社のほうに大きく気持ちが傾きました。
当日、3時半に解散をして、先に日枝神社に行きました。
境内には初詣の雰囲気がまだ残っており、お正月の参拝として来ている人や、スーツ姿の団体さんがいたりして、参拝客がとても多く、ゆっくりできません。
見えているのは女性の神様でしたが、お話ができる状態ではありませんでした。
日を改めて、朝に来ないとダメだな、とわかったので、また今度、早い時間に来ることをお約束して神社をあとにしました。
それから豊川稲荷東京別院に歩いて行きました。
到着した時刻はすでに4時をまわっていて、4時20分くらいだったと思います。
5時まで開門しているのだろう、と勝手に思っていたので、「ご挨拶する時間は十分にあるな~」と、まず本殿前で手を合わせようとしたら……。
そこにいた眷属に、「出直して来い」と、言われました。
えーっ !? なんで? あ、時間の問題? まだあと40分もあるのに? と、とりあえず本殿前で手を合わせました。
それから、ダキニ天さんとアクセスしやすい奥の院に行きました。
こちらの参道に入ると、多くの眷属がいて、一斉に私を見ます。
みんな、しら〜っとした目で、「出直して来い」と、口々に言うのです。
どうやら日枝神社を優先して、ダキニ天さんをあと回しにしたことを、良しとしていないみたいでした。
でもダキニ天さん本人は、そんなこと気にしていないかも? と、奥の院に昇殿しようとすると、張り紙が目に入りました。
なんと、奥の院に入れるのは、4時半までだったのです。
日枝神社を先に参拝したせいで、ギリギリの時間に到着した、というわけです。
なるほど、それは心証悪いわ、と思いましたが、まさかそのまま帰るわけにもいかず……奥の院に上がらせてもらいました。
お堂の中では、お寺の方がすでに掃除機をかけていました。
閉門前のバタバタした時間に来てすみません、と申し訳ない気持ちになりましたが、とにかくご挨拶だけでも! と、手を合わせました。
私が拝んでいる間、お寺の方は掃除機を止め、端のほうによけておられます。
うわぁ、なんだか、もう本当にすみません、と申し訳なくて、慌てて奥の院を出ました。
そのような慌ただしい参拝でしたから、当然のことながら、ダキニ天さんは出て来られませんでした。
あう〜 せっかく来たのに〜、と思いつつ、おみくじ貯金のためにおみくじを引くと……。
これがまた、しっかりと「凶」で……。
「だーかーらー、出直して来いと言っているだろうが!」と、多くの眷属に言われました。
ごりやくはとても大きい豊川稲荷ですが、相変わらずクールな雰囲気です。
誤解のないように言っておきますが、別の神社やお寺に行ったあとで、ダキニ天さんのところに行っても全然問題ないです。
4時半ギリギリに行っても、普通の人は出直して来いとは言われません。
私はダキニ天さんに大きなごりやくをいただき、しかも本に書かせてもらっていながら、その後、何回か東京に行った時も、転居をして近くなってからも、お礼・ご挨拶に伺っていませんでした。
眷属のほうからすると、「ンモー、あいつめ〜」と、仕方なくセッティングをしてやったのに、そいつは(私ですね)、考えもなしにのほほーんと日枝神社を先に参拝しているのです。
他の神社を優先して、閉門時間ギリギリになって、「ちわーっす!」みたいな、ノーテンキな雰囲気でやって来た……こいつは、モー、なんという失礼でおバカなやつなのか……と、眷属が全員、しら〜~~~~っと呆れた空気になるのは当然です。
「出直して来い」と、あっちからもこっちからも言われました。
日枝神社も豊川稲荷も、また今度、ゆっくり時間が取れる日に改めて行こうと思います。
ええ、ええ、わかってます~、その時は、豊川稲荷優先で〜。
日枝神社です。
授与所には多くの人がずら~っと並んでいました。
豊川稲荷東京別院の奥の院へ続く参道です。
多くの眷属がここを守っています。
出直して来い感が、紙からも漂う、凶のおみくじです。
「こんな運勢、いらないですぅ」と、写真だけ撮って、結ぶ場所にしっかり結んで帰りました~。
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天から聞こえるメロディを曲にしています。