6月の終わりの頃だったと思います。
若い女性の方からメッセージが届きました。
熊野の神様めぐりを計画しています、という内容でした。
それから2〜3日すると、飛行機などの手配をされたご報告と、「初の一人旅、ドキドキです。不安もありますが、〇月に神様に会いに行きます!」ということが書かれたメッセージが来ました。
初めての一人旅なのか〜、大丈夫かな? と、少し心配になりましたが、行き先が熊野なので(神様の力が強いため)、まぁ、大丈夫だろう、と思いました。
それから、また少しして、日程が決まったというメッセージが届きました。
1日目は午前中に関西空港に着くので、那智勝浦泊の為そちらに向かいながら、海沿いを走り、寄れるところがあったら立ち寄ろうかなというぶらり旅です。
2日目は、ホテルから飛瀧神社に向かいます。ここで御朱印帳を買って、この旅で巡る神社で御朱印をいただこうと思っています。 飛瀧神社から熊野本宮大社へ向かい、時間があまりなさそうなので、発心門王子へは向かわず、本宮ゆっくりを参拝して、大斎原でもゆっくりできたらと考えています。
3日目は玉置神社へ参拝後、高野山へ向かいます。少しでも、高野山の空気、空海さんに触れられたらいいなぁと思ってます。
4日目は大神神社に参拝します。この日は帰る日なので、大神神社参拝後、関西空港へ向かいます。
そして、「今までの私では一人旅は無理でした」という内容のことが書かれていたのです。(読者さんはレンタカーを借りる予定です)
きゃ〜! 本当に大丈夫? と、私がドキドキしました。
というのは、私は逆向きの、高野山から玉置神社へ抜けたことがあって、その時、ナビがすんごい山の中を案内したのです。
細〜〜〜い林道を延々と走らされました。
私はそのような道に慣れていますから無事に走れたのですが、もしも読者さんが林道に慣れていなかったら、立ち往生してしまうのでは! と不安になったのです。
たしか伊勢から奈良に行く時だったと思います。
そこでもナビの案内で、車1台がやっと通れるという林道を長々と運転しました。
……と、ナビのせいにしてますが、実は私が「時間優先」だったか「距離優先」だったか、一刻も早く着くためのコースを選んでしまったからでした。
夜、真っ暗な時間だったので、周囲は漆黒の闇でした。
車のライトは正面しか照らしませんから、カーブを曲がる時(特に急なカーブの場合)行く方向が真っ暗で見えません。
闇の中に突っ込んで行く感じで、危なかったです。
そんな状態なのに、しかも1台ギリギリの幅なのに、そこを……大型トラックが前からやってきました。
なんで、その大きさでこの道を来たん? と、思いました。
大型トラックにバックをさせるのは危険なので、私がバックをしよう、とギアをRに入れて後ろを向くと……漆黒の闇ですから、まったく何も見えません。
トラックのライトは方向がずれていたので、右も左も地面も、まったく見えないのです。
こりゃ無理したら死ぬなー、と、トラックのライトに照らされた方向を見ると、そこに幸い(?)ギリギリ1台分の草むらがありました。
私の車の横です。
草むらの向こうは、崖というか、転がり落ちる山の斜面ですから、ここに入れるのも命がけです。
真っ暗ですし……。
その草むらになんとか車を入れて、無事に大型トラックとすれ違うことができました。
運転手さんがものすごーーーく恐縮していました。
そのような経験があって、山道は危険であることを私は知っています。
玉置神社から高野山へ、もしもナビが私に案内したような林道を走るよう指示したら……この読者さんは大丈夫なのだろうか! 何かあったらどうしよう! と、そこからは心配で心配で仕方がありませんでした。
その後、3通くらいメッセージが届き、ある日、「ついに関西国際空港に降り立ちまして、今から那智勝浦方面に向かいます。 明日朝から、飛瀧神社、那智大社、熊野本宮大社に向かいます。 ドキドキです!」と届きました。
そうか! 今日からなのね! 気をつけてね〜、とパソコンのこちらから声をかけました。
熊野の神様方にも、緊急の「助けてー!」というSOSで、自宅から読者さんの無事をお願いしました。
翌日の夜には、飛瀧神社・那智大社・速玉神社・熊野本宮大社・大斎原をまわったというご報告をいただきました。
ああ、ご無事でなにより、とホッとしました。
次の日はいよいよ玉置神社から高野山です。
玉置神社への山道も、慣れていない人はきついかもなぁ、とまたしても、玉置の神様に緊急SOSで読者さんを守っていただくよう、お願いをしました。
その日の夜も、読者さんは報告メールをくれました。
「玉置神社へは、ネットのクチコミで、なかなかたどり着けないとか、ナビは気をつけた方がいい、と書かれているのを見ていたので、「玉置神社 駐車場」で携帯のナビで道を調べ、同じルートが表示されるように車のナビのルートを調整したら、すんなり行けました!
すごい道になってからはひたすら、「玉置の神様!辿り着くまでは、他の車とすれ違ったりしませんように!私の運転技術じゃ落っこちちゃうかもしれません!レンタカーなのでこすったり、傷ついたり、脱輪したら困ります!」とお願いしてました(笑)
そしたら行きは、すれ違える幅のところで乗用車と、タイミングよく、車を入れられるスペースがある場所で、切り出した材木を沢山積んだトラックと、幅がないのを焦ってバックしたら、「いいよ、いいよ」と手でおいでおいでをしてくれた親切な運転手さんはミキサー車でした。
神様ありがとうございまーす‼( ;o;) と、神社に着くことができました」
(ノ_-。) あぁ〜、良かったぁ〜、と心底ホッとしました。
高野山にも無事について、奥の院などをまわられたそうです。
最終日は大神神社〜空港です。
そこまで行けば、あとは大丈夫だろうと思うものの、運転は大丈夫かな、とやはり心配です。
その日はメッセージが来なかったので、疲れていらっしゃるのだろうな、と思いました。
疲れてメッセージが書けないのだったら全然かまわないのですが、もしかしたら……何かあったのかも…… (>_<) という不安は拭えませんでした。
翌日、メッセージが届き、 「わたしの熊野大好き神社は、飛瀧神社、熊野本宮大社です。 神様会いたいよー!となります」と、元気な様子が伺える内容が書かれていて、本当に、心の底から、「無事で良かった!!!」と胸をなでおろしました。
この読者さんは、あちこちで歓迎されていて、ご縁もたくさんいただいて帰られたみたいです。
良かったです。
私も取材の時にレンタカーでまわっていますが、本に書いていないだけで、狭い道や危ない山道なんかも結構あります。
たとえば、下りの急カーブなどは、カーブに入る前に十分スピードを落とさなければ曲がれないところがあります。
慣れていない人はスピードを出したままカーブに入るので、うまく曲がれずに車線をはみ出したりします。
一度、私の車の目の前にトラックが車線をはみ出してきたことがあって、何秒か早く走っていたら正面衝突をしていました。
カーブの角度、道の傾斜、スピードのバランスを考え、どれくらいブレーキを踏めばいいのか、ブレーキは踏まなくても曲がれるのか、は、慣れてくれば自然とわかりますが、慣れていないとスムーズにいかないかもしれません。
林道には脱輪ギリギリという幅の道もあります。
その幅でのカーブは、タイヤの位置を慎重に考えて運転しています。
山の神様に車で会いに行くという方は、そのような道を通るかもしれませんので、どうかお気をつけて運転をなさって下さい。
まだ情報がアップされておりませんが、楽天でも発売されます。