大分県の竹田市にある扇森稲荷です。
大分市から熊本に行く途中、何気なく地図を見たら、そこに名前が出ていました。
名前が発する磁力が強く、引っ張る力が半端なかったので、「ちょっとだけ寄ってみよ」という軽~い気持ちで行きました。
聞いたことがない神社だし、しかも地図上では山間部という雰囲気だったため、小さなお稲荷さんがいるのだろう、と予想して行きました。
ナビが案内してくれたのは、神社の横……と言いますか、後方っぽい横(変な日本語ですみません。うろ覚えのためです)にある駐車場でした。
そこから境内はすぐだったのですが、私は以前、横っちょから「こんにちは~」と参拝して、「正面から来い」と眷属にたしなめられたことがあります。
その記憶があったので、一旦表参道のほうへ行きました。
石段を下りて行きます。
ここが石段の中間点で、はるか向こうに赤い鳥居が見えます。
その向こう側には広大な駐車場が広がっていました。
上の写真を撮った中間点の位置から、千本鳥居が左右にありました。
こちらは本殿に向かって左側のほうです。
この左が正式な参道だそうです。(眷属談です)
鳥居のトンネルをくぐって行きます。
途中で方向が変わります。
上まで上がると本殿はこのように見えます。
予想していた小さなお稲荷さんではなく、昔から厚く信仰されてきた、力の強いお稲荷さんがおられます。
そばまで行くと祈祷が始まりました。
そこで手を合わせると「お~、やっと来たか」と、ニコニコして歓迎して下さいました。
親分肌の気さくなお稲荷さんです。
メインのお稲荷さんとのお話はのちほど詳しく書くとして……ここには多くの眷属がいます。
眷属ではないお稲荷さんもいて、にぎやかです。
本殿左手には「白狐の御穴」への鳥居があります。
たしかに白い小さなお稲荷さんがおられました。
おとなしい感じで、控えめに座っていました。
ぐるっとまわった本殿後方です。
石の玉垣が古いです。
本殿の後方右手には、上へと続く参道がありました。
さっそく上ってみると……。
ん?
何やら細い脇道に沿って、小さな祠が並んでいます。
伏見稲荷で言えば、お塚信仰みたいな感じでしょうか。
個人のお稲荷さんのようです。
ちょっとお邪魔してみよう、と奥まで行ってみました。
すると……。
「起こしてくれ」と、この狐像に入っているお稲荷さんが言いました。
見ると、台座と狐の境目部分が割れて、仰向けにひっくり返っていました。
きゃ~、大変大変! と、慌てて起こしたのですが、割れ方が悪くてうまく台座に乗りません。
すぐにパカッと上を向いてひっくり返るのです。
そこで台座の下に小石をかまして、祠を背にして立たせてみました。
それがこの写真です。
これでもまだ少し上向き加減で、ちょっぴり体勢がイマイチだったのか、
「 ( ̄_ ̄ i) …………」という雰囲気を、ありありと出していました。
そこで再度、調整してみました。
「これで大丈夫ですか?」
「ん~~~~~~~、まぁ、いいだろう。ありがとう」
そのような会話を交わしていたら、今度は、「牛乃神」と書かれた石碑から声がします。
「起こしてくれ」
え! ( ゚ ▽ ゚ ;)
申し訳ないけど、そ、それは無理……・
拡大してもらうと、おわかりになると思いますが、「牛乃神」さん……意外とぶ厚いのです。
この石碑を立てたままにしておくためには、固定しないといけません。
道具があったとしても私には無理なのでは……と思いました。
難易度高すぎです。
すみません、と謝っていると……。
「お~い! 起こしてくれぬか~?」
今度は、鳥居のところから聞こえてきました。
鳥居の隙間から顔を出しているのは、この祠のお稲荷さんの眷属です。
前にある鳥居を立ててほしい、と言ってるわけですが……。
立てるためには、地面に穴を掘らないといけません。
その穴に柱を少し埋めて、さらに土を盛って固定しなければならず……。
それを素手でするのは無理です~ とお伝えしました。
スコップでもあれば頑張りますが、さすがに手ではちょっと……というわけで、ごめんなさい、すみません、と謝っていると、「お前のせいではないから、謝らなくてもよい」と言っていました。
この小さな信仰のお稲荷さん方は、信仰が減っても、皆さん律儀にずっとここにおられます。
なんだかちょっと切なくなってしまう光景でしたが、パワーがある神様の境内におられるので、力はそんなに弱くなっていません。
そこからさらに、上へと続く参道を上って行きました。
後編に続きます~。