1冊丸々空海さん、という本が、本日発売になりますので、空海さんに関係したお寺を今日はご紹介しようと思います。
神護寺は、空海さんと最澄さんが、ほんのわずかな短い期間ですが一緒に過ごしていたお寺で、空海さんが最澄さんに潅頂を授けたのもこのお寺でした。
神護寺は京都にあると言っても中心部からすごく離れています。
本当に京のはずれ、という感じで、JR京都駅からバスで約50分とお寺の公式サイトに書かれていました。
このお寺を最初に参拝したのはずいぶん前になります。
その時は大師堂や金堂周辺を歩いただけでした。
もっといろいろと隅まで見たいと思い、去年再び訪れました。
楼門をくぐると、スカーッとした透明感のあるクリアな空間が広がっています。
清浄な空気が流れています。
それは土地にシミも何もなくて、浄化されたままだからです。
悪いものがいても、悪いことが起きても、土地に染み込まないように細工がしてあります。
言ってみれば、防水スプレーみたいな感じ、でしょうか。
抗菌剤と言いますか……バリアが張ってある、そんな感じです。
金堂には国宝の「薬師如来立像」があり、とても迫力があります。
あ、でも、パッと見た〝私の〟印象は、パンチパーマをあてた大阪の小太りのオバちゃん、でした。(ひ〜、仏様に対してなんという無礼な発言でしょうか)
だってだって、と言い訳をしますと、どう見てもパンチパーマにしか見えず……さらによーく見たら、カツラをかぶっているような印象を受けます。
しかも「あの〜、カツラ、ちょっと浮いてますよ?」と指摘してあげたくなるような不自然さで……。 (ひ~え~、ここまで書いて大丈夫でしょうか、私… )
腰回りはぽってりとふくよかな仕上げになっていて、お腹も出ています。
お顔もボリュームがあって、唇には朱が塗ってありますから、それが口紅に見えて仕方ありません。
こんな失礼な発想をするのはきっと私だけで、平安時代初めに造られたと推定されるこの国宝は、見る者を威圧する、迫力がある、と多くの人が語っています。(神護寺の公式サイトの〝寺宝紹介〟で見ることができます)
脇侍の日光菩薩像と月光菩薩像も見応えがありました。
本当に、日の光と月の光を感じられる仏像です。
1回目に行った時は、ガラスのショーケースの中に、空海さん直筆の潅頂を授けた人の名簿(複製)があったのですが、2回目に行った時はなくなっていました。
そこがちょっと残念かな〜と思いました。
このお寺は空海さんゆかりのお寺ですから、境内でお呼びすると来てくれます。
大師堂のあたりを歩いていて、 「こんなお堂に住んでいらしたんですか?」とお聞きしたところ、もう少し小さくて簡素な造りであった、と言っていました。
粗末ということではなく、素朴と言うか、質素な造りだったみたいです。
こんなに大きくはない、とも言っていました。
現在の大師堂は江戸時代に再建されたもののようです。
それ以前は、1168年に文覚という僧侶が空海さんの住坊跡であった納凉殿を再建した、となっていますから、どこかで立派な造りにしたのかもしれません。
多宝塔を回って、かわらけ投げをするところに行ってみました。
うわぁ! いい景色〜! ヤッホー! と叫んでしまいそうになる眺望です。
展望台(と言っていいのか悩みますが)のはるか下を川が流れていて、隣りの山が眼前に迫っています。
手を伸ばしたら届きそうな距離に山があります。
空海さんが言うには、時間がなくてお寺の奥にある山に登れない時は、ここに来ていたそうです。
すると、山岳系神様が空海さんのために、近くの山の頂上に降りてくれたそうです。
空海さんはこの場所で、神様と対面して会話をしていたと言っていました。
たしかにそこは、神様ととっても話がしやすい場所となっています。
いろんなアドバイスやインスピレーションなんかもダイレクトにもらえそうです。
この場所で空海さんは神様とお話をしたり、仏教のことを考えたり、瞑想をしたのだそうです。
昔はこのような展望台になっていなくて、普通に山肌だったそうで、座禅もしていたと言っていました。
高僧になっても修行は続けていたのですね。
私は、空海さんは天才型の人だと思っていましたが、もしかしたら見えないところでものすごく努力をする努力型の人だったのかもしれません。
京都の街からちょっと離れていますが、京都で空海さんと繋がろうと思ったら、ここが一番かなと思います。
石段を上がったところが楼門です。
立派な楼門です。
威厳があります。
写真からでも感じることができるのではないかと思います。
空海さんがまっさらにした境内の土地です。
この境内図! 素敵です!
こちらが大師堂です。
別の角度から撮ってみました。
毘沙門堂です。
毘沙門堂の横から見た景色です。
石段の上にあるのが金堂です。
国宝の「薬師如来立像」がある金堂です。
かわらけ投げの展望台へ行く道です。
ここから、かわらけを投げるようになっています。
かわらけ投げ発祥の地は、ここ神護寺だそうで、私は遠慮しましたが、投げると厄除けになるらしいです。
下はこのように川が流れています。
神様が空海さんのために来てくれていたのは、正面の山です。
アップにしてみました。