越木岩神社は兵庫県西宮市にあります。
鳥居をくぐり参道を進むと本殿があるので、まずここでご挨拶をし、本殿の裏手にある「甑岩(こしきいわ)」へと向かいました。
この甑岩がご神体だということで、こちらのほうが神様がわかりやすいかな、と思ったのです。
岩は想像していたよりもかなり大きくて、周囲を一周出来るようになっています。
岩の手前に小さなお社があり、そこでも手を合わせて自己紹介とご挨拶をしました。
それから周囲をぐるりと回ってみました・・・が、よくわかりません。
注意深くしっかり見たのですが、岩の中に神様がいないのです。
おかしいなぁ・・・と思い、岩があるところの、横の丘(若干、山っぽいです)にいらっしゃるのかな? と、「雨乞社」「北の磐座」がある場所に行ってみました。
しかし、こちらにも気配はありませんでした。
神様がいないわけがない、という確信はありました。
というのは、甑岩の周囲の空間が聖域になっているからです。
神様がいないのに、こんなに澄み切った聖域であるはずがなく、神様は絶対にいるはずなのです。
しかし、わからないものは仕方がないので、とりあえず一旦、甑岩から意識を離してみました。
甑岩の右手にはお稲荷さんのお社が2つあります。
「お稲荷さんかぁ・・・今日は手を合わせなくてもいいかな」と思ったので、「こんにちは~」と、言いつつお辞儀だけをしました。
お稲荷さんの向かいにある遥拝所のそばに行くと、「伊勢神宮遥拝所」となっており、
へぇ~、この方向に伊勢神宮があるのね、とそんなことを考えてその奥を見たら、小道があります。
お稲荷さんと遥拝所の間を抜けて、右に折れる小さな道です。
「この道を行くと、さらに摂社か末社があるのかな」と思いました。
なんだかそういう雰囲気だったのです。
ここで神様がわからないのなら、あの道を行った先の摂社か末社で何かわかるかもしれない、とそちらに向かって歩こうとした時でした。
「そっちは出口だ」と、2社ある境内社の、左側のお稲荷さんが言いました。
「え? 出口?」
しかし・・・どう見ても、私には摂社か末社に行く道のように見えるのです。
本当だろうか? と疑い深い私は端まで歩いていき、右に折れた方向を見ましたが、よくわかりません。
ま、いいか、あとで確認しよう、と思った私は、再びお稲荷さんのお社の前まで戻り、ベンチに腰を掛けました。
そこに数人の関係者らしき人が来ました。
首からIDカードを下げている3~4名の人がメモを取っていて、一人の男性が神社の説明をしています。
なにかの取材かな? 地元の青年団の方が説明してるのかな? と思いました。
甑岩の説明をしていた男性は、なぜか唐突に、何の脈絡もなく私の前に来て、
「そっちは出口です」と、さきほどの小さな道を指さしました。
「!!!」 Σ(゚д゚;) ええーっ!
説明を聞いていた人たちも、男性が指をさすので一応、道のほうを見ていましたが、なぜ今ここで急に出口の案内? と思っているのが表情に出ていました。
お稲荷さん、すごいです。
あとで本殿に戻る時に確認しよう、と思っている私の心の中を見て、神社を説明する人が言えば信じるだろうと、わざわざ言わせてくれたのでした。
それも、同じ「出口」という言葉を使って。
「疑ってすみませんでした」と謝りましたが、このお稲荷さんは非常にあっさりした性質です。
交通の便が悪いのでもう来れないと思うんですけど・・・と言うと、「ふーん、それで?」みたいな、お稲荷さんにはありえないサバサバ具合なのです。
ええけど? というニュアンスです。
珍しいです。
ちなみにこの右側の大崎稲荷さんは眷属がたぬきだという話ですが、私がいた時にたぬきの眷属は見えませんでした。
もちろんお稲荷さんもたぬきではなく、ちゃんとしたお稲荷さんでした。
で、このお稲荷さんに、「ここには神様はいないのでしょうか?」と聞くと、
「上だ」と言われました。
岩の上にいる、と。
そこで岩の上を見たら(岩が大きいのでかなり高い位置になります)・・・
神様はそこに立ったお姿で、空間に浮かんでおられました。
これも非常に珍しいです。
岩がご神体と言われ、実際に神様が宿っている場合、普通は岩の中にいるというか、岩と重なっているというか、岩を通して見える空間にいます。
ですので、そのように必死で見ていて、上まで意識が行かなかったのでした。
越木岩の神様は女性の姿をしていて、透明っぽく見えます。
クリオネみたいな透き通った感じで、軽やかであっさりした雰囲気を持っています。
なんというか、ネチネチ、うじうじしていない、すべてのことにこだわりがありません、という爽やか〜な性質です。
岩の上にいらっしゃるのをボーっと見ていたら、お稲荷さんいわく、
「この神さんは時々、どこかへ行く」とのことです。
どこへ行くのかはお稲荷さんも知らないそうです。
たしかに、ずっと岩の上にどっしり腰を据えて動かずにいるという感じではありません。
妖精のような、俗世になじんでいない清らかな「気」なのです。
どこか清くて波動の高い場所に時々戻って、そこからまたここへ来ています、という感じでした。
そこに1人の女性がやって来ました。
するとこの神様は岩の上から、じぃーっと温かいまなざしでこの参拝客を見ています。
お社で手を合わせ終えた女性が、岩の周囲を歩いて回っている時も、神様も一緒に上で回転しつつ、じぃーっと見ていました。
「おぉ~、回ってる回ってる♪」と、何だかとっても楽しそうに、参拝する女性を見ていました。
その後、また10分くらいして、1人の女性が参拝に来ましたが、同じようにニコニコと見ていました。
この神様は女性の味方というか、女性を守ってあげたい気持ちが強烈に強いです。
安産とか子授けが叶うというのもわかります。
他にも、モテるようになりたいとか、スタイルや若さを維持したいとか、お料理上手になりたいとか、そういうお願いも叶うと思います。
ただ、縁結びは得意ではなさそうでしたので、なんていうか、その人「個人に作用する」お願いのほうがいいです。
甑岩の周辺(とくに前面)と、お稲荷さんのお社の前の空間は聖域になっています。
神様が時々どこかへ行くというのにこの聖域を保っていられるのはどうしてだろう? と思いました。
それをお稲荷さんに聞くと、神様があちこちの石にパワーを入れているから、というお話でした。
その石がパワーを発揮して、神様が時々どこかへ行っている間も聖域の「気」を保っているそうです。
へー! そんな方法もあるのかぁ~、とまたひとつ勉強をさせてもらいました。
では、そのパワーある石を写真に・・・と撮影していたら
「その石には入ってはおらぬ」と言われ、
「え? じゃあ、こっちはどうでしょう?」
「入っておる、そっちの石もだ」
「これですか? これ、石に見えないから読者の人にわかってもらいづらいかなぁ」というような会話もしました。
越木岩の神様の影響でしょうか、このお稲荷さんも非常にさっぱりした良い性質で、とっても優しかったです。
聖域の「気」がいいので、私はベンチに1時間以上座っていました。
ここではお稲荷さんと話をしたので、神様とは会話ができませんでしたが、帰りの参道で少しお話をしました。
見た目は妖精のような軽やかな雰囲気ですが、話すとどっしりとした威厳のある「神様!」という感じでした。(当たり前ですが)
越木岩の神様は、女性の味方の神様です。
私が今までにお会いしたことがないタイプの神様で、いろいろと学ばせていただきました。
本殿から甑岩の方へ向かう参道です。
すでにいい「気」が感じられます。
岩の手前にあるお社です。
甑岩を横から見たところです。
岩の裏側で、岩から植物がはえていました。
撮影したのはゴールデンウィーク明けでしたので、今はもっと大きくなっていると思います。
この木、すごいですよね!
パワーがある場所なんだなぁと思います。
岩を反対側の横から撮りました。
道の左がお稲荷さんで、右が遥拝所です。
この道をまっすぐ行くと、ど真ん中の木の向こうから玉垣に沿って右に曲がるようになっています。
雰囲気的にその先にもお社がありそうですが・・・出口です。
きさくで親切なお稲荷さんです。
こちらのお稲荷さんのほうが、男性には良くして下さると思います。
神様がいらっしゃる岩の上です。
パワーが入った石です。
座ってもいいかどうか・・・聞くのを忘れました・・・すみません。
右側の赤い灯籠の手前の大きな石、パワーが入ってそうですが、これは違うそうです。