お手間でなければ、応援のクリックをいただけると嬉しいです。
(^-^)
Iさんはこのブログに何回か登場している、認知症があって、乙女だった年齢に戻っている女性です。
時々、関西のおばちゃんに変身し、まったく違うそのキャラが面白い人です。
Iさんは夜中に全然寝ないことがたまにあります。
そういう時は深夜に 「お腹へった♪」 と言い出します。
これが本当に返答に困ります。
もちろん施設にお菓子などはあるのですが、Iさんには持病がいくつもあるし、家族や看護師の許可なく深夜にお菓子を食べさせてはいけないことになっているのです。
なんだか申し訳ない気持ちになって 「お腹、すきますよね~、でも何もお出しするものがないんですよ」 と言うと 「そう・・・」 と下を向いてしょんぼりしています。
ああ、心が痛い~、と思っていたら 「あ!」 と急に元気ハツラツとした調子になりました。
関西のおばちゃん登場だな、と思っていると 「今から、2人でおいしいもん食べに行こか! な!」 と言います。
あ、やばい、このパターンはやばい・・・と対策を考えている間に、Iさんはその気になって 「この格好、おかしないか?」 と服装について聞いてきます。
Iさんは、眠たくない日は、パジャマを着せていても、自分で勝手に着替えてしまいます。
この日もお出かけ用の服装に着替えていました。
「全然、おかしくないですよ」
「そうか? でも他の着て行こか?」 と、Iさんはクローゼットの方に近づきます。
着替える、と言いだすとややこしいので、今の服装で十分ステキ、と褒めてその場を収め、とりあえず深夜であることを理解してもらうことにしました。
「Iさん、時計、見えますよね? 今ね~、2時半ですよ。夜中の2時半!」
「え? 夜中? 今、夜中? お昼じゃなくて?」
「そうです。こんな夜中にレストランは開いてませんよー」
「んなことあるかいな、うちの近くに夜でも開いてるお店あんで」
だよねー、ファミレスは覚えているよね、困ったな、何とか行かない方向へ・・・と思っていると、行く気満々のIさんが言いました。
「私のおごりや! 好きなもん食べ! なんでもええで」
関西のおばちゃん、太っ腹です。
「ほな、行こか。えっと、バッグバッグ・・・」 と自分のバッグを手元に引き寄せ、中身を確認します。
そして・・・ 「ちょっとっ! 財布がないっ!」 と言いました。
Iさんは時々、財布が盗まれたと大騒ぎしています。
あいたたた、と思いましたが、 「Iさんの財布は違うところで管理してるんですよ」 と優しく言ってみました。
聞く耳を持たないIさんは、鬼のような形相でバッグの中身をすべて出しています。
「ほら! な! 財布あれへん!」 と言い 「わかった、さっきの子や! あの子、泥棒やったんや!」 とすごい剣幕です。
さっきの子、というのは見回りでのぞいた先輩なのですが、先輩がさっきここに来たことは覚えているのに、その先輩とすでに3年も一緒に過ごしていることは忘れています。
泥棒だから警察に連絡する、電話を貸せ、と言うので、私が電話しときますから、と言うと 「アホ言いな。盗まれたん、私やで。アンタが電話してどないすんの」 と正論を言います。
さすが関西のおばちゃんです。
辻褄の合わない言葉には突っ込みます。
「今、夜中だから、警察に電話しても来ませんよ。ってことは、明日電話しても一緒だから、今電話するのは意味がないってことですね。さ、もう寝ましょ」 と、合理的に聞こえるが実はそうではない説得をしていると、 「鍵や! 鍵が壊れてるんちゃうか!」 とIさんは入口へ行きます。
ああ、やっぱりこの展開・・・(TωT) と思いました。
Iさんは鍵チェック魔でもあるのです。
自分で鍵をかけてみて、ドアが開かないかどうかガチャガチャと確認し、開かないとわかっても満足せず、再び鍵をはずしてドアを開け、廊下に顔を出してキョロキョロとあたりを見まわします。
そして、ドアを閉めるとまた鍵をかけ、開かないことを確認して、いや待て不安だからもう一回外を見とこ・・・と、これを繰り返すのです。
何が困るのかと言うと、Iさんの部屋の入口にはセンサーマットが敷かれています。
Iさんがドアのところにいる限り、センサーマットのコールが鳴り続けるのです。
「Iさん、鍵はかかっています。大丈夫です」 と私がガチャガチャしてみせると、Iさんは安心したのか、部屋の真ん中まで戻ります。
Iさんはちょっと安心したような表情になり、やれやれよかった、ふぅ~、と床を見て、さっき自分が散らかしまくったバッグの中身を見つけ、 「!!!」 となり、 「私の財布ないやんか!」 となります。
私のお金が、お金がない、盗まれた、どないしょ! と興奮してるので、Iさんのお金はちゃんと別の所で保管してますよ、と最初は丁寧に説明しました。
が、わかってもらえないので 「Iさんのお金は口座にちゃんと入っていますから、誰も盗めません、大丈夫です」 と言うと 「は? 口座? どこの銀行のや?」 と突っ込まれました。
うー。 (TωT)
とっさに、関西アーバン銀行、と言ってしまいそうになりましたが、そんな最近出来たような銀行と90近いIさんが取引していたはずがなく、みずほ? いや、それなら年齢からいって第一勧銀と言うべき? などと考えていたら、 「あの子や! あの子が泥棒やったんや!」 とふりだしに戻りました。
うえーん (。>0<。) です。
そして、鍵が壊れてるんちゃうか! ときます。
深夜とはいえ、仕事はたくさんあり、Iさんのお世話ばかりしているわけにはいかないので、 「Iさん、私が出る時に鍵はちゃんとかけておきますから、安心して下さいね。このバッグの後片付けをお願いします」 と言って入口まで行きました。
「アンタが鍵かけてくれんの? すまんなぁ」 とIさんが少し落ち着いて見えたので、とりあえず、部屋を出て違う入居者さんのパット交換に向かいました。
が、案の定、15分もしないうちに、センサーコールが鳴り・・・走って行くと、Iさんがドアから顔を出してキョロキョロしていました。
Iさんを何とかベッドに誘導し、部屋を出て、違う仕事をしていると、また15分程度でコールが鳴ります。
していた仕事を放ってIさんの部屋に行き、再びIさんをベッドに誘導して、部屋を出ます。
今度は1階の洗濯室まで (遠いのです) 汚染物を持って行っていると、途中でまたしてもコールが響きます。
鳴ったからには急いで行かないと、何が起こっているかわからないので、走ってエレベーターに乗り、駆けつけます。
ドアが閉まっていたので、こちらで鍵を開けてみると、Iさんは入口にちょこんと座っていて、私を見るなり嬉しそうにニッコリと微笑みました。
癒される笑顔です。
「アンタ、来てくれたん?」
「ええ、心配で~」
「すまんな。アンタ、お腹へってないか? せや! 2人で今から、なんかおいしいもん食べに行こか♪」
と、まあ、この繰り返しで明け方4時過ぎまで、センサーコールと戦うことになります。
Iさんは、他のスタッフの時は比較的よく寝ていて、識子さんが夜勤の時はIさん寝ないよね、と言われています。
「おいしいもん食べに行こか、って言われた時に、行きません! って言うたら? そしたら違う展開になるんちゃう?」 と先輩に言われましたが、いや、それはちょっと・・・と思いました。 (この先輩という言葉は特定の人を指しているのではなく、私より先に入社した人をすべて先輩と表記しています)
「難儀やなぁ、私なんかいっぺんも誘われたことないで~」 だそうで、コール鳴りっ放しの夜勤はハードですが、Iさんに誘われるのは光栄ということで・・・ま、いいか~、とセンサーコールとの戦いを楽しむようにしています。
(^-^)
Iさんはこのブログに何回か登場している、認知症があって、乙女だった年齢に戻っている女性です。
時々、関西のおばちゃんに変身し、まったく違うそのキャラが面白い人です。
Iさんは夜中に全然寝ないことがたまにあります。
そういう時は深夜に 「お腹へった♪」 と言い出します。
これが本当に返答に困ります。
もちろん施設にお菓子などはあるのですが、Iさんには持病がいくつもあるし、家族や看護師の許可なく深夜にお菓子を食べさせてはいけないことになっているのです。
なんだか申し訳ない気持ちになって 「お腹、すきますよね~、でも何もお出しするものがないんですよ」 と言うと 「そう・・・」 と下を向いてしょんぼりしています。
ああ、心が痛い~、と思っていたら 「あ!」 と急に元気ハツラツとした調子になりました。
関西のおばちゃん登場だな、と思っていると 「今から、2人でおいしいもん食べに行こか! な!」 と言います。
あ、やばい、このパターンはやばい・・・と対策を考えている間に、Iさんはその気になって 「この格好、おかしないか?」 と服装について聞いてきます。
Iさんは、眠たくない日は、パジャマを着せていても、自分で勝手に着替えてしまいます。
この日もお出かけ用の服装に着替えていました。
「全然、おかしくないですよ」
「そうか? でも他の着て行こか?」 と、Iさんはクローゼットの方に近づきます。
着替える、と言いだすとややこしいので、今の服装で十分ステキ、と褒めてその場を収め、とりあえず深夜であることを理解してもらうことにしました。
「Iさん、時計、見えますよね? 今ね~、2時半ですよ。夜中の2時半!」
「え? 夜中? 今、夜中? お昼じゃなくて?」
「そうです。こんな夜中にレストランは開いてませんよー」
「んなことあるかいな、うちの近くに夜でも開いてるお店あんで」
だよねー、ファミレスは覚えているよね、困ったな、何とか行かない方向へ・・・と思っていると、行く気満々のIさんが言いました。
「私のおごりや! 好きなもん食べ! なんでもええで」
関西のおばちゃん、太っ腹です。
「ほな、行こか。えっと、バッグバッグ・・・」 と自分のバッグを手元に引き寄せ、中身を確認します。
そして・・・ 「ちょっとっ! 財布がないっ!」 と言いました。
Iさんは時々、財布が盗まれたと大騒ぎしています。
あいたたた、と思いましたが、 「Iさんの財布は違うところで管理してるんですよ」 と優しく言ってみました。
聞く耳を持たないIさんは、鬼のような形相でバッグの中身をすべて出しています。
「ほら! な! 財布あれへん!」 と言い 「わかった、さっきの子や! あの子、泥棒やったんや!」 とすごい剣幕です。
さっきの子、というのは見回りでのぞいた先輩なのですが、先輩がさっきここに来たことは覚えているのに、その先輩とすでに3年も一緒に過ごしていることは忘れています。
泥棒だから警察に連絡する、電話を貸せ、と言うので、私が電話しときますから、と言うと 「アホ言いな。盗まれたん、私やで。アンタが電話してどないすんの」 と正論を言います。
さすが関西のおばちゃんです。
辻褄の合わない言葉には突っ込みます。
「今、夜中だから、警察に電話しても来ませんよ。ってことは、明日電話しても一緒だから、今電話するのは意味がないってことですね。さ、もう寝ましょ」 と、合理的に聞こえるが実はそうではない説得をしていると、 「鍵や! 鍵が壊れてるんちゃうか!」 とIさんは入口へ行きます。
ああ、やっぱりこの展開・・・(TωT) と思いました。
Iさんは鍵チェック魔でもあるのです。
自分で鍵をかけてみて、ドアが開かないかどうかガチャガチャと確認し、開かないとわかっても満足せず、再び鍵をはずしてドアを開け、廊下に顔を出してキョロキョロとあたりを見まわします。
そして、ドアを閉めるとまた鍵をかけ、開かないことを確認して、いや待て不安だからもう一回外を見とこ・・・と、これを繰り返すのです。
何が困るのかと言うと、Iさんの部屋の入口にはセンサーマットが敷かれています。
Iさんがドアのところにいる限り、センサーマットのコールが鳴り続けるのです。
「Iさん、鍵はかかっています。大丈夫です」 と私がガチャガチャしてみせると、Iさんは安心したのか、部屋の真ん中まで戻ります。
Iさんはちょっと安心したような表情になり、やれやれよかった、ふぅ~、と床を見て、さっき自分が散らかしまくったバッグの中身を見つけ、 「!!!」 となり、 「私の財布ないやんか!」 となります。
私のお金が、お金がない、盗まれた、どないしょ! と興奮してるので、Iさんのお金はちゃんと別の所で保管してますよ、と最初は丁寧に説明しました。
が、わかってもらえないので 「Iさんのお金は口座にちゃんと入っていますから、誰も盗めません、大丈夫です」 と言うと 「は? 口座? どこの銀行のや?」 と突っ込まれました。
うー。 (TωT)
とっさに、関西アーバン銀行、と言ってしまいそうになりましたが、そんな最近出来たような銀行と90近いIさんが取引していたはずがなく、みずほ? いや、それなら年齢からいって第一勧銀と言うべき? などと考えていたら、 「あの子や! あの子が泥棒やったんや!」 とふりだしに戻りました。
うえーん (。>0<。) です。
そして、鍵が壊れてるんちゃうか! ときます。
深夜とはいえ、仕事はたくさんあり、Iさんのお世話ばかりしているわけにはいかないので、 「Iさん、私が出る時に鍵はちゃんとかけておきますから、安心して下さいね。このバッグの後片付けをお願いします」 と言って入口まで行きました。
「アンタが鍵かけてくれんの? すまんなぁ」 とIさんが少し落ち着いて見えたので、とりあえず、部屋を出て違う入居者さんのパット交換に向かいました。
が、案の定、15分もしないうちに、センサーコールが鳴り・・・走って行くと、Iさんがドアから顔を出してキョロキョロしていました。
Iさんを何とかベッドに誘導し、部屋を出て、違う仕事をしていると、また15分程度でコールが鳴ります。
していた仕事を放ってIさんの部屋に行き、再びIさんをベッドに誘導して、部屋を出ます。
今度は1階の洗濯室まで (遠いのです) 汚染物を持って行っていると、途中でまたしてもコールが響きます。
鳴ったからには急いで行かないと、何が起こっているかわからないので、走ってエレベーターに乗り、駆けつけます。
ドアが閉まっていたので、こちらで鍵を開けてみると、Iさんは入口にちょこんと座っていて、私を見るなり嬉しそうにニッコリと微笑みました。
癒される笑顔です。
「アンタ、来てくれたん?」
「ええ、心配で~」
「すまんな。アンタ、お腹へってないか? せや! 2人で今から、なんかおいしいもん食べに行こか♪」
と、まあ、この繰り返しで明け方4時過ぎまで、センサーコールと戦うことになります。
Iさんは、他のスタッフの時は比較的よく寝ていて、識子さんが夜勤の時はIさん寝ないよね、と言われています。
「おいしいもん食べに行こか、って言われた時に、行きません! って言うたら? そしたら違う展開になるんちゃう?」 と先輩に言われましたが、いや、それはちょっと・・・と思いました。 (この先輩という言葉は特定の人を指しているのではなく、私より先に入社した人をすべて先輩と表記しています)
「難儀やなぁ、私なんかいっぺんも誘われたことないで~」 だそうで、コール鳴りっ放しの夜勤はハードですが、Iさんに誘われるのは光栄ということで・・・ま、いいか~、とセンサーコールとの戦いを楽しむようにしています。
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