ブログで、神様にお礼に行くのは礼儀ですよ~、と言っていながら、 (余談ですが、必ずしもお酒を奉納する必要はないです。行って手を合わせて感謝の気持ちを言うだけでも十分です) ふと気づくと、私自身うっかりしていたことがありました。

ずいぶん前に書きましたが、祖父母の家にいた淡島様のおかげで、私は婦人科系の病気になることもなく、生理痛にすらなったことがないのに、まだお礼を言っていませんでした。

そろそろ終わりがくる頃だと思うし、その時に現れる更年期障害も避けたいと思ったので、それもついでにお願いしようと思いました。

祖父母の家にいた淡島様がどこから来ていたのかわからないので、総本社となっている和歌山県の淡嶋神社に行くことにしました。

この神社は南海電鉄の加太駅から歩くのですが、標識などはなく、道はわかりづらいです。

ですが、不思議と私は道に迷わないので、この日もとりあえずこっちだろうと歩き始めました。

ピーヒョロロ~、と鳴く鳥が (多分、とんびです) 駅を出た時から頭上を飛んでいて、この鳥についていけば神社に着くんだな、と思いました。

そしてそれは大正解で、無事に神社まで先導してくれました。

鳥居をくぐって参道を歩き、右に曲がって、社殿が見えた瞬間 「ん?」 と思いました。

祖父母の家にいた淡島様と雰囲気が違うのです。

あれ? 間違えたかな? と思いましたが、総本社なのだから、ここでいいやと思い、手を合わせました。

が、声は聞こえません。

ここは拝殿になっているのだろうか? と思いました。

山岳系の神様などは、ふもとの拝殿で手を合わせるとこちらの声は届きますが、神様からの声は聞こえません。

そういう場合は神様がいる山に登って交信します。

しかし、ぐるっと見渡しても、この神社の背後に神様がいそうな山がないのです。

おかしいなぁ、と思いつつも、写真を撮ったりしていました。

針塚という供養碑があるのですが、この針塚も、強烈に ”異質” という感じがして、どうしてなのだろう・・・と思いました。

境内にとどまって波長がなじんでくると ”海の神様である” ということが、感覚でハッキリわかりました。

しかし、それ以上はわかりません。

”何が何だかわからない・・・” と思いましたが、狭い境内で結構長い時間ウロウロしていて、すでに限界だったので出ることにしました。

神社の目の前は海になっています。

その日はあいにくお天気が悪く、電車に乗って到着するまでは雨がザーザー降っていました。

駅に着いて歩き始めると雨は上がり、参拝中も降りませんでした。

ですが、空は暗く重たく、再び土砂降りになりそうな気配でした。

神社を出て、 ”ちょっと海でも見ようかな” と軽い気持ちで、最初は駐車場の防波堤の所から見ていました。

が、なんだか呼ばれているような、砂浜に降りたくて仕方ない気分になりました。

そこで、砂浜に降りてみると・・・神様の声が聞こえました。

山岳系の神様で、「山の方に神様がいる場合」、神域である山に登らないと声は聞こえません。 (神社でも聞こえる神様もいますが)

海の神様も同様で、「海の方に神様がいたら」、神域となる海に出ないと声が聞こえないのですね。

”へぇー、そうなんだー” と思いました。

この神様は、海の神様で、それはどういう神様かと言うと、活動する範囲が海なのです。

山岳系の神様が山々からふもとまでの自然環境や生き物を守っているのと同様に、海の神様は海の自然環境や生き物を守っています。

人間を海で迷子にさせない、とも言っていました。

海上も海中も、自由自在に行き来が出来る、それが海の神様です。

こういう海の神様が、日本全国の海岸線に何柱もいると思われます。

力強い感じの神様で、 「そんな海の神様が、全然畑違いの婦人科にごりやくがあるって、どうしてそんなことになったのだろう?」 と思いました。

淡嶋の神様は、相当な力がありますので、専門外であろうと人間の願いなど簡単に叶えられます。

神様が言うには、 「頼って来るからには、願いは聞く」 とのことで、違う分野なのに、人々の願いを叶えてあげていたのでした。

やっぱり神様は優しい、と思いました。

ブログで記事にする許可をもらった時に 「お前は良いことをしておるのー」 とも言ってくれました。

そして、私の頭上の、暗く重たい雲をのけて、すがすがしい青空を見せてくれました。

ついさっきまで、土砂降りになりそうな、真っ暗な空だったのに、驚異的な力です。

海にいたのは20分くらいで、その短い時間内に、青空を、それも私のためにぽっかり穴を開けたように、わざと神秘的に見せてくれて、本当にすごいと思いました。

海の神様ってこういう感じなのですね、教えてもらえてよかったです、神様ありがとうございました、と心から感謝しました。

そして、そろそろ行こうと防波堤に上がる石段に向かっていたら 「見てみなさい」 と聞こえたので、神様が指し示すところを見ると・・・。

海の色が美しいブルーになっていて、 ”おぉ~! この神様は天気だけでなく、海も自在に操れるのか” とその力に心底ビックリしました。

最後に思いがけない素敵なプレゼントをもらって、大感激の一日となりました。

海に関してここまで力がある神様なのに、何故、婦人科なのか、どうして人形供養なのか・・・もったいない、とも思いました。

帰宅して早速調べてみたら、古事記だの日本書紀だのよりもはるか昔に、この神様は神島という島に祀られていました。

その後、神功皇后という人が、海上で突然の嵐に遭遇し、この神様に命を救われました。


その縁があって、孫の仁徳天皇が神島から今の地に神社を移したとのことでした。

やはり、最初は海の神様として知られていたのです。

何故、婦人科の神様となったのか、については諸説あるようです。

淡島神は天照大神の6番目の御子で住吉明神に嫁いだが、婦人病にかかったことにより淡島に流されてしまった、そこで淡島神は婦人病の人々を救うという誓いを立て、婦人病の神になった、というのが有力な説のようです。

でもそれは、加太 (淡嶋神社がある土地) と対岸の島が住吉神社の社領であったことから、後世のこじつけと考えられているのだそうです。

どういう経緯があったにしろ、淡嶋の神様は神格が高いので、こういうふうに違う分野の神に仕立て上げられても怒ったりしませんし、自分を頼って来るからには、願いは聞く、と言っておられます。


境内の末社には、絵馬とともに女性の下着 (それも使用していたもの) がたくさん奉納されていることを考えると、神様とは、いかに度量が大きく、心が広く深く、優しい方であるか・・・がわかると思います。


今回、私もそれを再確認することが出来て本当によかったです。




ピーヒョロロ~と鳴くとんびです。この日は本当にお天気が悪くどんよりと曇っています。
淡嶋神社01




この鳥居をくぐって右に曲がったところに本殿があります。
淡嶋神社02




本殿です。
淡嶋神社03




中にはお雛様がぎっしり奉納されています。
淡嶋神社04




本殿向かって左側です。下は寅だのうさぎだの干支の置物が置かれていました。
淡嶋神社05




本殿向かって右側です。市松人形と花嫁人形が置かれているのですが、こちらはちょっと良くない気が漂っていました。今、写真で見ても少し怖い感じがします。
淡嶋神社06




「紀文稲荷社」 です。淡嶋神社の近くで生まれ、巨万の富を築いた紀国屋文左衛門が、江戸に移り住む前に淡島神社に奉納したというお稲荷さんです。
淡嶋神社07




このお稲荷さんは格も高く、とても穏やかな性質なので、気軽にお参りしても大丈夫です。
淡嶋神社08




砂浜に降りて、神様とお話している途中で撮りました。まだ空は暗く、海も黒いです。
淡嶋神社09




数分後の空です。このように雲にちょっと穴を開けて・・・
淡嶋神社13



青空が見えるように神秘的な光景にしてくれました。
淡嶋神社10




「見てみなさい」 と言われて振り返ったら、真っ黒だった海もこんなキレイな色に変わっていました。魔法のようで感動しました。
淡嶋神社11