先日、仕事でちょっとしたミスをしました。
私が手順を間違えた為、現場が少し混乱したのです。
たいしたことじゃないから気にしなくていい、と主任は言ってくれましたが、スタッフの何人かは嫌な顔をしていました。
ここまでミスなく仕事を頑張ってきた私は、それが結構ショックで落ち込みました。
そのすぐ後に、車椅子のEさん (女性) のお部屋にトイレ介助に行きました。
その時のことです。
いつもと様子が違う私に気づき、Eさんが 「アンタ、どないしたん? 何かあったん?」 と聞いてくれました。 (アンタ、と呼ぶのは認知症のせいで名前が覚えられないからです)
「ちょっとミスをしたんです・・・」 と言うと、悲しそうな顔しているであろう私をじーっと見て 「アンタがミスするわけないやろ」 とEさんは言いました。
「それは何かの間違いや」 とまで言ってくれます。
「でも、本当に失敗したんですよ。気をつけていたのに・・・」 としょんぼりしつつトイレ介助をしていると、
「アンタは丁寧な介護をしてる。介護してもらう私にはようわかる。アンタがここの人の中で一番丁寧や。どんな失敗したんか知らんけど、気にせんでええ!」 と言ってくれました。
元気がない私を気遣ってくれる、その優しさに涙が出そうでした。
Eさんは認知症が軽度から進行しつつあり、時々、 ”何もわからない” と言ってパニックを起こしたり、 ”自分がどうしたいのかがわからない” とその不安で泣いたりする方です。
普段は情緒不安定な、弱々しい感じの人なのです。
そんなEさんが、凛とした態度で 「アンタ、もっと自分に自信を持ち! 一回の失敗が何や。アンタは真面目にやってるし、仕事も丁寧や。私が保証したる。誰に何と言われようと胸張っといたらええんや」 と言います。
「人間、ミスすることもあるで。そんなことでくよくよしてどないすんねん。しっかりしなさい」 と人生の先輩であるEさんは私を励ましてくれました。
わかってくれている人がいる、と思うと不思議と力が出てくるもので、その後は気持ちを切り替えて仕事をすることが出来ました。
そしてこれは昨日のことです。
新入社員の私はスタッフの中で一番ペーペーであり、他のスタッフはみんな先輩です。
たとえ20代であろうと先輩ですから、こちらは敬語で向こうはタメ口 (ためぐち) です。
そこは当たり前なので気になりませんが、若いスタッフは自分の感情で周りに当たり散らすことがあります。
施設内は複雑に人間関係がからみ合って対立していて、嫌いな人にイヤなことを言われると、ものすごく腹が立つみたいです。
そういう時に、怒りを隠そうとせず、私怒っています! とばかりに、ファイルをバンッ! と机に投げたり、周囲にイライラの感情をそのままぶつけたりします。
若いから仕方ないかな、とは思うものの、私もまだまだ人間が出来ていませんから、そういう態度で失礼なものの言い方をされると少しムッとします。
昨日もそうでした。
「人として、あんな言い方はないよなぁ、腹立つなー」 と思いつつ、Cさん (女性) の車椅子を押して、お部屋に連れて行きました。
「Cさん、ハミガキをしましょう~」 とCさんの正面に回ると、Cさんはじーっと私の顔を見ています。
この方は中程度の認知症が進んでいる状態です。
私の顔を見て何かを感じたらしく、外を指さし 「今日はお天気がいいね~」 とニッコリして言います。
つられて外を見たら、たしかに良い天気です。
木々の緑が日の光を反射してキラキラと輝き、日差しは夏が終わりに近いからか、穏やかです。
窓から入る風も心地良い涼しさになっていて、いつの間にか秋の気配が感じられるようになっていました。
ああ、もうこんな季節なのか~と、ぼーっと外を見ていたら、Cさんが言いました。
「お天気が良くて、気持ちがいいね~」
Cさんを見ると、ニコニコととびきりの笑顔です。
そこでハッとしました。
”本当にそうだ。こんなに気持ちがいい天気なのに・・・それもすがすがしい朝なのに、私はなんて小さなくだらないことでイライラしているのだろう・・・”
そう気づくと、もったいないことをしていたなと思いました。
「そうですね、Cさん、今日は気持ちいい朝ですね~。大事なことを気づかせてもらえて良かったー。ありがとうございます」
そう言うと、Cさんは笑顔でうなずき 「あなたみたいな人ばかりだったら、世の中、変わると思うわ」 と言っていました。
自分ではいつも通りニコニコして介助をしていたつもりでした。
ですが顔を見れば、私の心の状態は、年配の方には一目瞭然なのですね。
EさんもCさんも、長い人生でいろんな経験をしてこられた方です。
たくさんのことを学ばれて、今の年齢になったのだと思います。
”この子、落ち込んでるなー” ”心が穏やかじゃないみたいだなー” と気づいたら放っておけなかったのでしょう。
人間の幅が広い年配の人がたくさんいて、その方々に優しくしてもらい、時には気づきをもらえる・・・。
”私はいい環境で働かせてもらってるな~” と天に感謝をした出来事でした。
(*^_^*)
私が手順を間違えた為、現場が少し混乱したのです。
たいしたことじゃないから気にしなくていい、と主任は言ってくれましたが、スタッフの何人かは嫌な顔をしていました。
ここまでミスなく仕事を頑張ってきた私は、それが結構ショックで落ち込みました。
そのすぐ後に、車椅子のEさん (女性) のお部屋にトイレ介助に行きました。
その時のことです。
いつもと様子が違う私に気づき、Eさんが 「アンタ、どないしたん? 何かあったん?」 と聞いてくれました。 (アンタ、と呼ぶのは認知症のせいで名前が覚えられないからです)
「ちょっとミスをしたんです・・・」 と言うと、悲しそうな顔しているであろう私をじーっと見て 「アンタがミスするわけないやろ」 とEさんは言いました。
「それは何かの間違いや」 とまで言ってくれます。
「でも、本当に失敗したんですよ。気をつけていたのに・・・」 としょんぼりしつつトイレ介助をしていると、
「アンタは丁寧な介護をしてる。介護してもらう私にはようわかる。アンタがここの人の中で一番丁寧や。どんな失敗したんか知らんけど、気にせんでええ!」 と言ってくれました。
元気がない私を気遣ってくれる、その優しさに涙が出そうでした。
Eさんは認知症が軽度から進行しつつあり、時々、 ”何もわからない” と言ってパニックを起こしたり、 ”自分がどうしたいのかがわからない” とその不安で泣いたりする方です。
普段は情緒不安定な、弱々しい感じの人なのです。
そんなEさんが、凛とした態度で 「アンタ、もっと自分に自信を持ち! 一回の失敗が何や。アンタは真面目にやってるし、仕事も丁寧や。私が保証したる。誰に何と言われようと胸張っといたらええんや」 と言います。
「人間、ミスすることもあるで。そんなことでくよくよしてどないすんねん。しっかりしなさい」 と人生の先輩であるEさんは私を励ましてくれました。
わかってくれている人がいる、と思うと不思議と力が出てくるもので、その後は気持ちを切り替えて仕事をすることが出来ました。
そしてこれは昨日のことです。
新入社員の私はスタッフの中で一番ペーペーであり、他のスタッフはみんな先輩です。
たとえ20代であろうと先輩ですから、こちらは敬語で向こうはタメ口 (ためぐち) です。
そこは当たり前なので気になりませんが、若いスタッフは自分の感情で周りに当たり散らすことがあります。
施設内は複雑に人間関係がからみ合って対立していて、嫌いな人にイヤなことを言われると、ものすごく腹が立つみたいです。
そういう時に、怒りを隠そうとせず、私怒っています! とばかりに、ファイルをバンッ! と机に投げたり、周囲にイライラの感情をそのままぶつけたりします。
若いから仕方ないかな、とは思うものの、私もまだまだ人間が出来ていませんから、そういう態度で失礼なものの言い方をされると少しムッとします。
昨日もそうでした。
「人として、あんな言い方はないよなぁ、腹立つなー」 と思いつつ、Cさん (女性) の車椅子を押して、お部屋に連れて行きました。
「Cさん、ハミガキをしましょう~」 とCさんの正面に回ると、Cさんはじーっと私の顔を見ています。
この方は中程度の認知症が進んでいる状態です。
私の顔を見て何かを感じたらしく、外を指さし 「今日はお天気がいいね~」 とニッコリして言います。
つられて外を見たら、たしかに良い天気です。
木々の緑が日の光を反射してキラキラと輝き、日差しは夏が終わりに近いからか、穏やかです。
窓から入る風も心地良い涼しさになっていて、いつの間にか秋の気配が感じられるようになっていました。
ああ、もうこんな季節なのか~と、ぼーっと外を見ていたら、Cさんが言いました。
「お天気が良くて、気持ちがいいね~」
Cさんを見ると、ニコニコととびきりの笑顔です。
そこでハッとしました。
”本当にそうだ。こんなに気持ちがいい天気なのに・・・それもすがすがしい朝なのに、私はなんて小さなくだらないことでイライラしているのだろう・・・”
そう気づくと、もったいないことをしていたなと思いました。
「そうですね、Cさん、今日は気持ちいい朝ですね~。大事なことを気づかせてもらえて良かったー。ありがとうございます」
そう言うと、Cさんは笑顔でうなずき 「あなたみたいな人ばかりだったら、世の中、変わると思うわ」 と言っていました。
自分ではいつも通りニコニコして介助をしていたつもりでした。
ですが顔を見れば、私の心の状態は、年配の方には一目瞭然なのですね。
EさんもCさんも、長い人生でいろんな経験をしてこられた方です。
たくさんのことを学ばれて、今の年齢になったのだと思います。
”この子、落ち込んでるなー” ”心が穏やかじゃないみたいだなー” と気づいたら放っておけなかったのでしょう。
人間の幅が広い年配の人がたくさんいて、その方々に優しくしてもらい、時には気づきをもらえる・・・。
”私はいい環境で働かせてもらってるな~” と天に感謝をした出来事でした。
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