先日退院されたばかりの80代男性の利用者さんが、車椅子をレンタルしたいとのことで、お宅に伺いました。
入院前は自分でトイレまで歩くことが出来たのですが、今は歩行が困難な状態です。
ケアマネから 「認知症もかなり進んでるのよね~。変なことばかり言うし・・・」 と連絡を受けていたので、相当悪くなっているのだろうと思って行きました。
訪問して、車椅子の選定を済ませ、レンタルしてもらっている介護用ベッドの点検をしていた時に、利用者さんが言いました。
「アンタが来たら、何か頼もうと思てたんやけどな、何やったかな・・・忘れてもうた」
奥さんに聞こうかと思いましたが、奥さんは書類を書いていたので、点検を続けました。
「ベッドの高さとか、マットレスの硬さで具合が悪いとか、そういう話ですか?」 と利用者さんに聞くと、 「いや、そうじゃなくて・・・ええと・・・」 と考えています。
認知症が進んでいるとケアマネが言っていたので、思い出すのは無理だろうと思いました。
すると、突然 「あ! 思い出した! ワシ、松葉杖を買いたい思てんのや、アンタとこ、おいてるか?」 と言うのです。
え? 思い出せたの? とビックリしました。
どうして松葉杖が欲しいのか、という理由も理路整然と話しますし、認知症が進んでいるとは思えません。
松葉杖の話が終わると、 「ワシ、入院しとったやろ・・・」 と入院生活についての話が始まりました。
利用者さんは4人部屋だったそうですが、その部屋は夜中になると、ヘビが出てきていたのだそうです。
たくさんのヘビが床を這っていて、とても気持ちが悪かった、と言います。
「毎晩、出るんですか?」
「そうや。夜中から明け方までやけどな。床に何匹もおんねん」
「白ヘビですか?」
「白かったらええヘビやんかー。ちゃうねん、真っ黒いやつや」
「襲ってくるとかは、なかったんですか?」
「それはなかったけど、気味悪うてなー」
「でしょうね~」
奥さんが、 ”ごめんなさいね、変なこと言って” みたいな目配せをしてきます。
ははぁ、ケアマネが ”変なことを言う” と話していたのはこれだったのか、と思いました。
ですが私には、認知症からおかしなことを言っているようには思えませんでした。
実際に見たのではないかと感じました。
「でな、うちもな~、夜中に時々、手が出てくるねん」
「どこからですか?」
「床や。ベッドのそっち側の床から手が出んのや」
「へー。いっぱい出てくるんですか?」
「ようけ出る時とそうでない時がある。それも、時間は病院と一緒でなー、夜中から明け方にかけてやねん」
これは本当に見えているんだろうと思いました。
ここのお宅は築年数がたいへん古く、開け閉めしない窓がたくさんあります。
そのうえ奥さんは足が悪いので、お掃除が行き届きません。
利用者さんの言う ”ベッドのそっち側” は、埃が積もっていて、澱んだ気がどんよりと溜まっていました。
しかもここの土地は、昔は沼地だったようで、その名残の池が点在しています。
土地に因縁があって、霊が出てきているのだと思いました。
多分、この利用者さんは以前から見える体質だったのでしょう。
理性が働いているうちは、見えることを言うと変人扱いされるので、言わずに生きてこられたのだと思います。
ですが、軽い認知症が出て、抑えることをしなくなり、見えるものを素直に見えると言い始めたのではないかと思いました。
私には、認知症が進行しているようには感じられませんでした。
ですが、霊の世界を信じない人は、病気のせいで幻覚を見ていると判断します。
ケアマネもそう考え、かなり進行している、と言ったのだと思います。
もう1人は90代女性です。
こちらの方は、認知症が進んでおられます。
用具の回収に伺った時に、トイレに行きたいと言って、お嫁さんにトイレに座らせてもらっていました。
お嫁さんは、 「ちょっと用事があるから5分くらい席をはずしてもいい?」 と言います。
「悪いけどトイレが終わったら、おばあちゃんのパンツを上げて、そこの椅子に座らせておいて下さる?」 と言い残して出ていきました。
利用者さんの体には極力触るな、と会社に言われていますが、仕方ありません。
パンツをはかせて、両手を引いて、椅子まで誘導し、座ってもらいました。
すると、利用者さんが、口をポカーンと開けて、私の頭上20センチあたりを凝視しています。
じぃーっと見ていましたが、いきなり合掌して、ブツブツと何か言いつつ、拝み始めたので驚きました。
私の守護霊が見えたのだと思います。 (私の守護霊は仏になりかかっていて後光が射しています)
この光景を戻ってきたお嫁さんに見られたら困るので、必死で話しかけました。
利用者さんは一生懸命拝んでいて、私の話など聞いてくれません。
その時、お嫁さんが 「待たせてごめんなさいねー、おばあちゃん、トイレ終わったー?」 と大きな声で言いながら入ってきました。
その大声に、利用者さんは 「は?」 とお嫁さんの方を向き、拝むのをやめました。
この方も、見る能力がある人なのだと思います。
認知症で幻覚を見ている、と世間で判断されている人の中には、実は本当に見えている人が、数多くいるのでは? と思いました。
私が入社して間もない頃、退院して1ヶ月で亡くなった女性の利用者さんがいます。
認知症があって、会話はほとんどせず、ベッドでぼんやり過ごしている方でした。
亡くなった直後に、すぐにベッドの回収に来て欲しいと言われ、伺いました。
娘さんが、 「不思議なのよ~、亡くなる3日前から、時々、手を合わせて何かを拝んでいたの」 と言っていました。
そして亡くなる直前には、自分で胸の上に手を組んで、そのまま亡くなった、ということでした。
「死ぬのが何となくわかったんでしょうかねぇ~」 と娘さんは言っていましたが、お迎えが来たのが見えたのだろうと思いました。
心安らかに逝くことが出来て良かったですね、と利用者さんのご遺体に手を合わせました。
認知症だから、幻覚だから、とみんな話を適当に流していますが、もったいないなぁと思います。
それがもし見える人だったら、あちらの世界を教えてくれているわけです。
興味深いお話を拾い損ねないよう、耳を澄ませて仕事をしていきたいと思いました。
(*^_^*)
入院前は自分でトイレまで歩くことが出来たのですが、今は歩行が困難な状態です。
ケアマネから 「認知症もかなり進んでるのよね~。変なことばかり言うし・・・」 と連絡を受けていたので、相当悪くなっているのだろうと思って行きました。
訪問して、車椅子の選定を済ませ、レンタルしてもらっている介護用ベッドの点検をしていた時に、利用者さんが言いました。
「アンタが来たら、何か頼もうと思てたんやけどな、何やったかな・・・忘れてもうた」
奥さんに聞こうかと思いましたが、奥さんは書類を書いていたので、点検を続けました。
「ベッドの高さとか、マットレスの硬さで具合が悪いとか、そういう話ですか?」 と利用者さんに聞くと、 「いや、そうじゃなくて・・・ええと・・・」 と考えています。
認知症が進んでいるとケアマネが言っていたので、思い出すのは無理だろうと思いました。
すると、突然 「あ! 思い出した! ワシ、松葉杖を買いたい思てんのや、アンタとこ、おいてるか?」 と言うのです。
え? 思い出せたの? とビックリしました。
どうして松葉杖が欲しいのか、という理由も理路整然と話しますし、認知症が進んでいるとは思えません。
松葉杖の話が終わると、 「ワシ、入院しとったやろ・・・」 と入院生活についての話が始まりました。
利用者さんは4人部屋だったそうですが、その部屋は夜中になると、ヘビが出てきていたのだそうです。
たくさんのヘビが床を這っていて、とても気持ちが悪かった、と言います。
「毎晩、出るんですか?」
「そうや。夜中から明け方までやけどな。床に何匹もおんねん」
「白ヘビですか?」
「白かったらええヘビやんかー。ちゃうねん、真っ黒いやつや」
「襲ってくるとかは、なかったんですか?」
「それはなかったけど、気味悪うてなー」
「でしょうね~」
奥さんが、 ”ごめんなさいね、変なこと言って” みたいな目配せをしてきます。
ははぁ、ケアマネが ”変なことを言う” と話していたのはこれだったのか、と思いました。
ですが私には、認知症からおかしなことを言っているようには思えませんでした。
実際に見たのではないかと感じました。
「でな、うちもな~、夜中に時々、手が出てくるねん」
「どこからですか?」
「床や。ベッドのそっち側の床から手が出んのや」
「へー。いっぱい出てくるんですか?」
「ようけ出る時とそうでない時がある。それも、時間は病院と一緒でなー、夜中から明け方にかけてやねん」
これは本当に見えているんだろうと思いました。
ここのお宅は築年数がたいへん古く、開け閉めしない窓がたくさんあります。
そのうえ奥さんは足が悪いので、お掃除が行き届きません。
利用者さんの言う ”ベッドのそっち側” は、埃が積もっていて、澱んだ気がどんよりと溜まっていました。
しかもここの土地は、昔は沼地だったようで、その名残の池が点在しています。
土地に因縁があって、霊が出てきているのだと思いました。
多分、この利用者さんは以前から見える体質だったのでしょう。
理性が働いているうちは、見えることを言うと変人扱いされるので、言わずに生きてこられたのだと思います。
ですが、軽い認知症が出て、抑えることをしなくなり、見えるものを素直に見えると言い始めたのではないかと思いました。
私には、認知症が進行しているようには感じられませんでした。
ですが、霊の世界を信じない人は、病気のせいで幻覚を見ていると判断します。
ケアマネもそう考え、かなり進行している、と言ったのだと思います。
もう1人は90代女性です。
こちらの方は、認知症が進んでおられます。
用具の回収に伺った時に、トイレに行きたいと言って、お嫁さんにトイレに座らせてもらっていました。
お嫁さんは、 「ちょっと用事があるから5分くらい席をはずしてもいい?」 と言います。
「悪いけどトイレが終わったら、おばあちゃんのパンツを上げて、そこの椅子に座らせておいて下さる?」 と言い残して出ていきました。
利用者さんの体には極力触るな、と会社に言われていますが、仕方ありません。
パンツをはかせて、両手を引いて、椅子まで誘導し、座ってもらいました。
すると、利用者さんが、口をポカーンと開けて、私の頭上20センチあたりを凝視しています。
じぃーっと見ていましたが、いきなり合掌して、ブツブツと何か言いつつ、拝み始めたので驚きました。
私の守護霊が見えたのだと思います。 (私の守護霊は仏になりかかっていて後光が射しています)
この光景を戻ってきたお嫁さんに見られたら困るので、必死で話しかけました。
利用者さんは一生懸命拝んでいて、私の話など聞いてくれません。
その時、お嫁さんが 「待たせてごめんなさいねー、おばあちゃん、トイレ終わったー?」 と大きな声で言いながら入ってきました。
その大声に、利用者さんは 「は?」 とお嫁さんの方を向き、拝むのをやめました。
この方も、見る能力がある人なのだと思います。
認知症で幻覚を見ている、と世間で判断されている人の中には、実は本当に見えている人が、数多くいるのでは? と思いました。
私が入社して間もない頃、退院して1ヶ月で亡くなった女性の利用者さんがいます。
認知症があって、会話はほとんどせず、ベッドでぼんやり過ごしている方でした。
亡くなった直後に、すぐにベッドの回収に来て欲しいと言われ、伺いました。
娘さんが、 「不思議なのよ~、亡くなる3日前から、時々、手を合わせて何かを拝んでいたの」 と言っていました。
そして亡くなる直前には、自分で胸の上に手を組んで、そのまま亡くなった、ということでした。
「死ぬのが何となくわかったんでしょうかねぇ~」 と娘さんは言っていましたが、お迎えが来たのが見えたのだろうと思いました。
心安らかに逝くことが出来て良かったですね、と利用者さんのご遺体に手を合わせました。
認知症だから、幻覚だから、とみんな話を適当に流していますが、もったいないなぁと思います。
それがもし見える人だったら、あちらの世界を教えてくれているわけです。
興味深いお話を拾い損ねないよう、耳を澄ませて仕事をしていきたいと思いました。
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