昨年の2月に、母が近所のPさんと交わした会話です。

Pさんは男性で、70才くらいだと思われます。 (私と面識はありません)

「今年は初詣に行ってへんから、近いうちにどこかの神社にお参りに行こ思てるねん」

それを聞いて母は私のことを思い出し、 「そう言えば今度、うちの娘が出雲大社に行くって言ってたわ~」 と言いました。

「出雲大社か♪ あっこの神さんはええ神さんやで! ワシ、3年続けて出雲大社に初詣に行ったんや」

「あんな遠いところまで?」

「そうや。遠いけど、娘がずっと結婚出来ひんかってなー、あっこ縁結びの神さんやからな」

Pさんは、娘さんが良縁に恵まれますように、という願を掛けに、3年連続で出雲大社へ初詣に行ったのだそうです。

そして、3年目に願いが聞き届けられ、娘さんは幸せな結婚をされました。

「縁結びの神さん言うだけあって、ごりやくあったわ~」

「それは良かったねぇ。でも今年はなんで行かんかったん?」

「なんでって、娘は結婚したことやし・・・もう用はないやんか」

Σ(゚д゚;)  ええっ! 神様、用無し扱い?

と、母は心底驚いたそうです。

「それ・・・ちゃんとお礼に行った方がいいんじゃない?」

「へ? お礼?」

Pさんは ”お礼に行く” ということを初めて聞いたようで、きょとんとしていました。

母は続けました。

「だって、人間でも、就職とか便宜を図ってもらえたらお礼をするやろ? 神様も一緒よ」

「ホンマやな。頼む時だけ、お願いしますお願いします、言うて、叶えてもろたのに知らん顔はアカンな」

「そうやろ?」

「でも、お礼って・・・どうやったらええの?」

母はここで、 ”あ、そうか、普通の人は知らないのか~” と改めて思ったそうです。

日本酒の一升瓶を出来れば2本 (1本でも構いません) を、酒屋さんで、薄紙包装してヒモでくくってもらいます。

のしも付けてもらい、 「奉納」 と書きます。

「それを祈祷申し込みのところにでも持って行って、渡せばいいから」 と教えたそうです。

「そうか、わかった! ありがとう。早速、来週行ってくるわ!」 とPさんは答えたそうです。

大きな願いを叶えてもらって、感謝を物で表わしたい時は、このようにして日本酒を持って行くといいです。

でも、持って行くとなると目立つし、恥ずかしい、と思われる方もいらっしゃると思います。

そういう場合は無理してお酒を持参しなくても大丈夫です。

行くだけで神様は喜んでくれます。

手ぶらで行くのはちょっと・・・と、申し訳ない気持ちになるかもしれませんが、時間と交通費をかけて神社に行き、お賽銭も入れるわけですから、それで十分、感謝の気持ちが物となっています。

願掛けの時に神主さんに祈祷をしてもらったから、お礼もまた昇殿して祈祷をしなくてはいけないのかというと、それもしなくても大丈夫です。

相手は神様です。

お礼に来たことはわかっているので、手を合わせて、心から感謝を述べるだけでも十分なのです。

わざわざお礼を言いに行く人は少ないので、行くだけでもとても喜んでくれます。

そのうえ、日本酒などを持って行くと、その気持ちを神様は大変嬉しく思われます。

Pさんは最後にひとこと言いました。

「お礼に行くことなんか思いつきもせんかったわ~」

願いを叶えてもらったのに、まったく悪気なく、神様を用無し扱いしている人は多いのかもしれません。

神様は、お礼に行かなかったとしても怒ったりしません。

次に行った時に 「こいつは以前、願いを聞いてやったのに、お礼を言わなかったやつだな」 と思われるだけです。

そういえば、私が出雲大社に行った時、本殿の門 (閉まっています) の前で、合掌したまま体を90度近く曲げて、拝んでいる男性がいました。

見た感じ、60才くらいでした。

男性は5分たっても、10分たっても、その姿勢のままで一心不乱に何かお願いをしていました。

私はそこで手を合わせた後、 (お礼に行くのが大変なのでお願いはせず挨拶だけしました) 門の中を覗いたり、本殿を写真撮影したりして、15分程度いました。

私がその場を去る時も、男性はまだ頭を下げたままで、祈り続けていました。

周囲の目なんか、まったく気にしていません。

神様に対する篤い信仰心が、手に取るようにわかり、その男性の姿を ”美しい” と思いました。

人間が神や仏を思う気持ち、深い信仰心は、尊くて本当に美しいと思います。

あんなふうにお願いされたら、神様も願いを聞かずにはいられないだろうなと思いました。

話がそれてしまいましたが、満願成就した際には、お礼に行くのが礼儀です。

すぐに行かなくてもかまわないので、お礼は言いに行くべきだと思います。






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