利用者さんのお宅で聞いた話です。

娘さんが失業手当を受給中だった時、就活を頑張っていましたが、なかなか仕事が決まらなかったそうです。

そこでスキルを身につけようと、職業訓練校の申し込みをして、受験し、合格しました。

娘さんは入学日の前日に、ハローワークに入学の手続きをしに行きました。

すると、最終確認の段階で、 「失業手当の延長はありません」 と言われたそうです。

事前に何回も相談に行って、失業手当は学校が終了するまで延長されます、と相談員は言っていたのです。

それを信じ、娘さんは学校の申し込みから入学日まで1ヶ月近く、就活を休止して入学を待っていたのでした。

失業手当の制度が変わったのは去年の4月らしく、入学日に手当がもらえる日が残り30日以上ないと、失業手当の延長はされなくなっていたそうです。


それを相談員はうっかり忘れていたのでした。

最終手続きをしていた相談員は別の人だったそうですが、同僚のミスを謝罪するどころか、 「すみませんねぇ~」 と軽くひとこと言っただけで、ツイてないね、アンタ、みたいな雰囲気で終わったそうです。

それを実家である利用者さん宅で話していたら、末っ子の弟が聞き 「なに! それ!」 と代わりにブチ切れて、ハローワークに抗議の電話を入れたということでした。

娘さんはその場で 「延長されます、っていうから就活をやめて受験したんですけど・・・」 と、それしか言えなかったそうです。

弟さんが抗議をしたところ、ハローワークのお偉いさんが事実確認をした後で電話をかけてきました。

100%こちらのミスです、申し訳ございません、相談員にはチェックシートで確認するよう言っていたのですが忘れていたようです、もう謝るしかございません、と平身低頭で謝り、娘さんにも謝罪したということでした。

結局、娘さんは失業手当が延長されないので学校に行くのはやめ、慌てて仕事を探し、何でもいいからと希望とは異なる職種で、しかも安いお給料の職についたということでした。

「お役所仕事はホンマ適当やわ! こっちは人生がかかってんのに!」 と利用者さんは今でも腹が立つと怒っていました。


「ひどい話ですね~」 と相槌を打ちながら、娘さんは ”言えない人” なんだなぁ、と思いました。

多分、弟さんからも母親からも、そういう時はその場で相手にちゃんと言わなアカンで! と注意されたのではないかと思います。

でも、言えない人は言えないのです。

私もそうだから、よくわかります。

”言える人” は自分が堂々と言えるので、言えない人の心理が理解出来ないのではないかと思います。

私も 「そんな対応されて、何で言わへんかったん? 言わなアカンで!」 と、ずーっと注意され続けてきました。

正当な主張とわかっていても、言おうとすると、心臓がバクバクして、緊張で汗だくになり、ストレスがマックスになります。

”言う” には、かなりの勇気が必要なのです。

一時期、自分に自信がないから言えないのか、言えない私はダメ人間なのかと真剣に悩みました。

友人に、 「言わなかったらバカにされるし、軽く見られるよ」 とアドバイスされて、言うべきことは言おう、と努力をしたこともあります。

これはお店とかの対応に限らず、仕事に関してもそうですし、人間関係にも当てはまります。

ですが、私の場合、勇気を出して言うことで、余計ストレスになることがわかりました。

人生ここまできて私が思うのは、 ”言えない人” は性格だから仕方がない、ということです。

損をしたり、パーンと言わないのでスッキリしないから、嫌な思いを引きずるかもしれませんが、言うストレスに比べて、そっちの方が楽なのであれば無理して言う必要はありません。

昔、ピザの宅配が30分以上かかったら半額、というキャンペーンをしていた時期がありました。

実家で注文をした時に、10分くらい遅れて持ってきたことがあります。

母も ”言えない人” なので、母がお金を払おうとしたら、弟の嫁が 「30分以上かかってますよね?」 と言いました。

私は奥にいたので見ていませんが、母によると配達員のお兄ちゃんはとても困った様子で、謝りたおしていたそうです。

多分、お兄ちゃんは戻ると店長に怒られるのでしょう。

なんとか勘弁してほしい、みたいに言っていましたが、嫁が、広告に大きく書いてある以上、責任持って対応して下さい、と正論を言い、結局半額になりました。

この件に関しては賛否両論あると思いますが、お兄ちゃんが可哀想というのは、ちょっと脇に置いておきます。

私が思うのは、母のように言えない人は、通常の代金を払えばいいだけです。

言ったら半額になってたかなー、と思うかもしれませんが、言えないので仕方ないです。

30分以上かかったという事実に焦点を当てなければ、損をしたわけではないのです。


そしてそれは自分の意思でそうしているのであって、人に 「言うべきだ、何故言えないのか」 と責められたり、行動を指図されたりする筋合いはありません。

”言える人” は、このように得をすることがありますが、お兄ちゃんに 「くそー、あのババア」 と思われるリスクがあります。

言える人は、他人に嫌な感情を飛ばされる危険があるのです。

ですが、この ”言える人” は人を ”正してあげる” 役割を持っています。

例えば、この場合、配達途中でお兄ちゃんが彼女と電話をしていたとします。


仕事を軽く考えているわけで、もしもお客が言えない人ばかりだったら、お兄ちゃんは ”ちょっとくらい遅れても大丈夫だな” ともっと仕事を甘く考えるかもしれません。

でも、弟の嫁みたいにキッチリ言う人がいると、甘い考えが正されます。

次もハッキリ言う人が客だと、2回目は店長にこっぴどく叱られて、クビになるかもしれません。

気を引き締めて仕事をするようになると思います。

前述のハローワークの場合も、弟さんが抗議をしなければ、職員は反省していないわけですから、同じミスをまたしていたでしょう。

でも弟さんが言ったことにより、二度と同じミスが起こらないよう職員はチェックシートを使って慎重に仕事をするわけです。

つまり、弟さんは、次に出たかもしれない被害者を助けたことになるのです。

”言える人” が世の中を正していることは多くあると思います。

じゃあ、言えない人も言った方がいいのでは? と思ったかもしれませんが、そうではありません。

ピザの場合、もしかしたらお兄ちゃんは本当に一生懸命配達してたのに、たまたま信号に多く引っかかったのかもしれません。

もしかしたら、新入りで道を間違え、家を探しまわったのかもしれません。

その場合、言わないであげる方がいいと私は思います。


お兄ちゃんも、きっとホッとして心から感謝をすることでしょう。

ですので、言うのがいいのか、言わない方がいいのか、一概には言えないと思います。

自分の性格で決めればいいのではないかと思います。

私は数年前に自分が ”言えない人” だと悟ってから、ずいぶん気持ちが軽くなりました。

正義感の強い元夫はそばで見ていてヤキモキするようですが、私自身はとても楽になりました。






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