先日、電車に乗っていたら、女子大生2人の会話が聞こえてきました。
「先輩、こないだの合コンどうだったんですか~?」
先輩と呼ばれた子の話によると、来ていた男性の中に、若くして整骨院を経営している人がいて、その人が自分に交際を申し込んできたと言います。
「その人、どんな人なんですか~?」
「俺が、俺が、ってタイプ~」
「あ、わかります~、嫌ですよね~」
えー、私、わからんー、そこのところ、もうちょっと詳しく説明してくれないかなー? と思いましたが、まさか言うわけにはいかないので、黙って続きを聞きました。
整骨院はなかなか繁盛しているらしく、その男性はお金をたくさん持っているみたいだと言います。
「いいじゃないですか~、ちょっと付き合ってみたらどうですか?」
「友だちもなー、そう言うねん」
でも先輩は、男性の顔と ”俺が俺が” っていう性格が嫌いらしく、ハッキリ断ったそうです。
「もったいな~い。せっかくお金持ってるのに~」 と、後輩は素直な意見を述べていました。
「友だちもなー、おごってもらうだけおごってもろたら良かったやん、って言うけどなー、あんなん、おごっていらんわ!」
先輩は吐き捨てるように言っていました。
おぉ~、若いってすごいなー、と思い、チラッと先輩を見たら、とても可愛い顔をしていました。
女性の旬は短いので、今のうちにその恩恵をたくさん受けて、エンジョイしとくのよ、と心の中でエールを送りました。
それと同時に、ふられた彼もめげずに頑張れ~、と思いました。
私は日本語をボランティアで教えていますが、今の生徒はアメリカ人女性のナンシーさんと、ベトナム人男性ロンさんとリンさんです。
3人とも、26~27才です。
ロンさんとリンさんに ”大袈裟” という単語の説明をしていたのですが、日本語がまだ上手ではないのでピンとこないようでした。
すると突然、ナンシーさんに 「英語では何と言いますか?」 とロンさんが聞きました。
ナンシーさんが 「exaggerated」 と言うと、2人は 「もう一回お願いします」 と言ってナンシーさんに聞いていました。
ナンシーさんはわざわざ辞書でその英単語を見せましたが、2人は 「わかりません~」 と頭を抱えています。
・・・・・。 ( ̄ー ̄;
わからなくて当たり前だから、とツッコミを入れそうになりました。
2人は英語をしゃべれないのです。
英語が話せないのなら、何故聞いたのか? 実は、2人はナンシーさんに好意を持っていたのでした。
なので、ちょっとでも絡みたかったのだと思います。
男性のこの手の行動は少年みたいで、微笑ましいなぁ、と思いました。
この教室では、生徒と先生は欠席をする時、お互いに連絡をするルールになっています。
リンさんが携帯を買ったので、私の電話番号を登録していました。
その時に、あ、ついでに聞いておこうかな、という感じで 「私に、あなたの電話番号を、教えて下さいますでしょうか?」 とナンシーさんに言っていました。
ナンシーさんは聞き取れなかったみたいで、 「え?」 と聞き返しました。
するとリンさんは、不安そうにこちらを向いて 「識子先生、間違えてないですか? 敬語ですか?」 と聞きます。
「大丈夫、間違えていません。とっても丁寧な敬語です」 と言うと、嬉しそうにもう一回言って、無事電話番号をゲットしていました。
それにしても、見事なくらいサラサラ言えたよなぁと思っていたら、ロンさんが 「何回も練習していました」 と暴露したので、大笑いしました。
恋愛にかける情熱が何ともいえず微笑ましいです。
そして、若い人はそこにかけるエネルギーがすごいと思いました。
そうやって頑張るからこそ、愛する伴侶を見つけられるのだと思います。
運命の人と気持ちが通じ合うその日が早く来るといいね、と若い人たちが頑張っている姿を見るたびに、心の中で応援しています。
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