前回の記事で私の離婚体験を書きました。

私の場合は離婚をして良かった例です。

ですが、離婚をしない方が良い場合もたくさんあると思います。

今日は踏みとどまって離婚をしなかった例を書こうと思います。

これは私の友人K子の体験です。

私がK子の夫婦がうまくいっていない話を聞いたのは、関係がかなり悪化してからです。

それまでは、夫婦仲良くしているみたいな話をしていたので、全然気づきませんでした。

話をしてくれた時は、すでに夫婦は寝室を別にしていて、会話もほとんどなく、夫は時々朝帰りをしていました。

K子は夫の携帯を見て浮気の確証を掴みましたが、黙っていました。

それから時々、どういう具合に不倫が進んでいるのか、携帯を見てチェックしていました。

K子は夫に猛烈にアタックをされて、望まれて結婚したので、夫のことが好きだったわけではないと言っていました。

だから別に浮気をしていようが全然構わない、と最初はそう言っていました。

それからは私と会うたびに夫の愚痴をこぼしていましたが、浮気をしている夫を嫌悪していて、話をするのも顔を見るのもイヤ、と言っていました。

でも、携帯はチェックし、夜遅くなると、夫が帰って来るのかどうかが気になります。

早く帰宅してくればホッとしていました。

離婚しようかな、と口では言っていましたが、本気ではないことは明白でした。

K子は平気を装っていましたが、つらいを思いをしていることは見てわかりました。

しばらくして、K子は苦しみから逃れるために、自分も浮気をしました。

そうすればお互い様で、浮気をされたつらさから解放され、気持ちが少し楽になると思ったようでした。

半年くらい続けていましたが、相手を好きになれないし、なんだか虚しいと言ってやめました。

夫と別れたい、でも、別れたくない、別れたら生活出来ない、遅く帰ってきたらイライラする、顔もみたくない、でも早く帰ってくるとホッとする、と複雑な心境で毎日を過ごしていました。

K子は新婚当時から冷めていたとか、夫を好きになったことはないとか、私に言っていましたが、あれは自分に言い聞かせていたのだと思います。

「ダンナさんのこと、好きなんだと思うよ。嫌いだったら理由なんて関係なく別れてるよ。帰宅が遅くても平気だと思うし。イライラしたり、苦しいのは、好きだからこそだと思うよ」 と助言しますが、絶対に違う、とK子は認めませんでした。

何回か、真剣に 「もう別れようと思う!」 と言っていましたが、本心は違うようだったので、 「離婚はいつでも出来るから、じっくり考えた方がいい」 と止めました。

別れてしまったら取り返しがつかないからです。

そんなK子が180度変わったのは、病気をしてからです。

手術をして、死を身近に感じ、いろいろと深く考えたようでした。

手術の時に、このまま死ぬかもしれないと思うと、自分の人生に悔いがたくさん残ることに気づいたのでした。

K子は死ぬことが怖くてたまらず、夫がそばにいてくれたから耐えられたものの、1人だったらどうなっていたかわからないと言っていました。 

プライドや意地、見栄などをすべて捨ててみると、素の自分がいて・・・そこにあったのは、 「夫が好き」 という感情でした。

それからK子は変わりました。

好きな夫が自宅に帰って来てくれるのが嬉しい、妻でいられるのが嬉しい、夫の食事を作ったりアイロンをかけたりすることが嬉しい、と思うようになりました。

夫が荷物をまとめて不倫相手のところに行ってしまったら、いくらハンコを押さない、と頑張っても、現実は1人ぼっちになるのです。

今までは、朝帰りをされると、わざと大きな音をたててドアを閉めたり、物をバンッとテーブルに叩きつけたり、イライラしている態度を示していました。

何か言われても返事もせず、無視していました。

それをやめ、最初はごく普通に接することから始めました。

長い間、冷たい関係だったので、急に笑顔で接するのには無理があったからでした。

普通の穏やかな生活が定着してくると、夫の方も少しずつ態度が軟化していきました。

お互いに笑顔で話すことが出来るようになったのは、心を入れ替えて半年くらいたってからです。

夫はまだ浮気を継続していましたが、K子の心の中は嫉妬よりも、夫が笑顔を向けてくれるようになって嬉しい! という方が大きかったのでした。

浮気をしていても、何をしても私はこの人が好き、別れたくない、妻でいさせてくれてありがとう、と感謝していました。

そんなある日、K子は思い切って夫を飲みに誘ってみました。

息子は大学生になっていたので、自由がきくようになったのです。

夫はすごく驚いていましたが、2人で近所の居酒屋へ行き、久しぶりに外で食事をしました。

それからも時々、K子は夫を誘って、あちこちの居酒屋に行きました。

K子が気持ちを切り替えて1年が過ぎた頃、 「一緒に韓国に行かない?」 と夫を旅行に誘いました。

2泊3日の旅行で、ずっと2人一緒ですから、夫は断るだろうと覚悟していました。

ですが意外にも夫はOKし、一緒に海外へ行って、2人の間の溝はほぼ埋まったのでした。

こうして少しずつ少しずつ、関係は修復され、1年半を過ぎた頃、夫婦生活も復活しました。

「浮気前からしてへんかったから、十何年ぶりやん? 高校生みたいにドキドキしたわ~」 とK子の笑顔はまぶしいくらい輝いていました。

本当に幸せで、嬉しそうでした。

他人の、しかも女の私が見ても、夫に恋するK子は可愛いなぁ、と思いました。

当事者の夫が思わないわけがありません。

その後、ついに夫は浮気をやめ、K子の元に戻ってきました。

今でも2人はとても仲の良いおしどり夫婦で、居酒屋デートもしていますし、たまに旅行もしています。

K子が言うには、浮気は自分のせいでもあると思う、とのことでした。

”望まれたから仕方なく、好きでもないのにアンタと結婚してやったのよ、ありがたく思いなさいよ” という高慢な考えだったので、それが態度に出ていたと言います。

自分の立場が上だと思っていたので、イライラすると感情のままに当り散らしていたそうです。

ここでも、一旦決心した女はすごいと思ったのは、K子はブレませんでした。

自分が心を入れ替えても、夫は1年半余り、浮気を続けていたのです。

”好き” と気づいてからの浮気はつらかっただろうと思います。

「病気になった時は、離婚で悩んで苦しんでる真っ最中だったから、なんで私だけがこんな目に合うねん! とヤケになってたけど、私病気になって本当に良かったと思てる。だって、自分にとって何が一番大事かわかったから。あやうくそれを捨てるとこやったけどな~」

K子はそう言って笑っていました。



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夫やパートナーに浮気をされて、離婚を考えている人は前回の私の体験を・・・

離婚は考えていなくて、夫婦を続けていきたいという人はこちらの例を・・・

読んでいただけたらと思います。

そして、これらが少しでも、何かの参考になれば嬉しいです。





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