自民党と新自由主義⑥
今日は、「トリクルダウン」について見て行きたいと思います。
竹中平蔵がこの理論を元に、何かあると反論にこの理論を使い、自分が政治家を辞めた後は、この理論を自ら捨てた、そんな理論です。
ですが、竹中平蔵が使わなくなっても、自民党や日本維新の会なんかは、この理論を使っています。
お金持ちや、その周辺には極めて都合の良い、この理論。
相手の思考を読む為にも、ここで学んでおきましょう。
トリクルダウンとは
トリクルダウン理論とは、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が零れ落ち、経済全体が良くなる」と言う思想である。
１８世紀の初頭にマンデヴィルによって提唱され、その後の古典派経済学に影響を与えたが、現代では否定的な意見が多い。
新自由主義の理論によれば、例え貧困層も含んで、ジニ係数が上昇したとしても、自由競争と国際貿易によって、貧困層も含めた「全体の底上げがされる」と考えられていた。
しかし、ＯＥＣＤによる実証研究では、貧富の格差が拡大すると、経済成長を大幅に抑制する事が示された。
つまり、この理論は既に破綻している理論なのである。
それでもあえて使おうとするのは、それが彼らにとってよほど都合が良いからだろう。
竹中平蔵がやった事
では、竹中平蔵が大臣時代に、「トリクルダウン理論」を隠れ蓑に使ってまでやった事は、何だったのか。
小泉政権(竹中大臣の時代)が法人税や富裕層減税の一方で、社会保障を削減、派遣労働法改正で大企業が自由に労働者を切り捨てることができるようになったため、貧富の格差が一気に増大。
日本の相対的貧困率は1985年には10.9％だったのが、2016年には15.7％と一気に1.5倍増になった。
実際、小泉政権後、国民から格差社会への反発が強まり、2008年には小林多喜二のプロレタリア小説『蟹工船』が再ブームとなり、2009年には「派遣切り」や「年越し派遣村」が流行語大賞にノミネートされている。
いずれにしても、「規制緩和」も「改革」も「新自由主義」も、効果がないどころか、国民生活を悪化させるものでしかないことがとっくに証明されているのだ。
トリクルダウン理論の嘘はバレ、残ったのは、「自由競争をさせれば、世の中、強い者が弱い者を淘汰し、お金も強者の下に集まる」と言う真実だけであった。
トリクルダウン理論の嘘はバレたが、、、
では、竹中平蔵はトリクルダウン理論の嘘を自分でバラしたと言う事は、少しは反省しているのだろうか？
違いますね。
竹中平蔵は、コロナ禍による経済苦に多くの人々が直面する中、医療崩壊は医師会が医学部新設に反対したせいだ、などとさらなる規制緩和を叫んだり、「日本の失業率は2.6％と低い。しかし失業者178万人に対し、「休業者」が652万人。潜在失業率は11％になる。政府が雇用調整助成金を出し、雇用を繋ぎ止めるからだ。不況が短期間で、かつ産業構造が変わらないなら、それでもいい。しかし、そうではないだろう。こうした点が国会で一切議論されないのは問題だ。」と、雇用を守る為の雇用調整助成金を非難したり、都知事選でコロナを巡り、医療体制や経済支援など、社会的ケアが問われている最中に、「都知事選が終盤を迎えているが、重要政策が議論されていない。東京都の巨額の資産を市場で売却することだ。イギリスでは、サッチャーによって国有企業が資産市場に売りに出された。結果的にそれが、資産市場を活性化させ、シティが世界一の金融センターになった。東京都には、売れる資産が山ほどある〉（7月2日のツイート）などと都の資産を売っぱらえと叫んだり、1ミリも反省しないどころか、ますます尖鋭化している。」
このように、相変わらず権力を追い求め、金を追い求め、資産を追い求める、その浅ましい姿勢は全然変わっていません。
新自由主義の嘘はバラしたけど、自分が背教者だという気持ちは毛頭なさそうですね。
では、日本はこれからどうすればいいのか？
それは簡単です。
政治を、新自由主義の及ばない政党に任せる事です。
具体的には、一番良いのは、公式に竹中平蔵を名指しで批判している政党ですね。
日本共産党・れいわ新選組の２つの政党が該当します。
次に続くのが、竹中平蔵を公式に非難はしていないが、もう既に「経済学者枠」が埋まっているので、もう入り込む事は出来ないと見られる、「立憲民主党」です。
特に、日本共産党は、反・新自由主義で、なおかつ、親・スタビライザー主義であり、親・マルクス主義です。
共産党自身は、そんな事思ってもいないでしょうが、結局、「経済にも倫理を！もっと道徳を！」と求める事になると、渋沢栄一じゃないけど、「最初に還る」事になるのかもしれませんね。
とにかく、自民党・公明党・日本維新の会には絶対に入れないように、宜しくお願いします。