卓上DCパワーサプライToolkitRC P200の紹介 | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

 @magicarchtec さんからこういうものが昨年発売しまして・・・と送られてきた卓上DCパワーサプライToolkitRC P200の紹介です。※結果的に会社でも複数台買う事にしました。

 

小型、大容量、AC・DC入力両対応と高機能で素晴らしい製品です。本来はラジコンの小型バッテリィの充電に使用するものですが、バッテリィ駆動が可能な可変直流電源(DC)出力装置としての使用方法を本記事では提案します。

 

 

MINI DESKTOP POWER SUPPLY ToolkitRC P200。操作は2つのダイヤル(エンコーダ)の回転と押し込みで行う

 

 

Input voltage:

AC 100-240V@MAX 100W
DC 7-28V@MAX 10A 200W
 
Main output:

1.0-10.0A @MAX AC 100W / DC 200W
1.0-30.0V @MAX AC 100W / DC 200W
 
TYPE-C output:5.0-20.0V @MAX 65W
TYPE-C protocol:PD 3.0/PD2.0/PPS/QC4/QC3.0/QC2.0
AFC/FCP/SCP/PE2.0/PE1.1/SFCP/VOOC

Protection time:<1ms (Short circuit, OC ,OV)
Control cycle:8ms

 

Product size:84*63*78 mm
Product weight:360g

 

Pack size:160*150*73 mm
Pack weight:670g

 

LCD:IPS 1.54" 240*240 resolution
Main port:4.0mm banana female port
USB port:TYPE-C Fast charge,  upgrade

 

 

メーカ公式サイト:

 

 

 

レビューリンク:

 

 

 

AとVに白でスミを入れました。LCD表示があるため、ここでダイヤルの役目を認識せずとも問題ありませんが、筆者は白スミ入れ大好きなのでつい入れてしまいます

 

 

USB Type-CはPD3.0まで網羅した最大65W対応。測定できる全プロトコル対応

 

 

Blog内参考リンク:

 

 

 

USB Type-C端子が付いており、PD3.0まで網羅した最大65W対応で、この端子はファームウェアのアップデートでも使用します。

※Type-C出力は本体で可変する事は出来ません。(相手の機器が故障します)

 

本機器はPSE未承認ですが、PSEの対象外であると考えています。理由は下記です。

 

 

PSE(電気用品安全法)の解釈について

 

対象非対象解釈例一覧(種類別) - 電気用品安全法(METI/経済産業省)

【PDF】電気技術者が使用する実験・検査用直流電源装置(PDF形式:4KB)

https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku/taishou_hitaishou/20030326/powersupply_for_specialist.pdf

 

1 当該商品等の概要
○用途、機能、性能
 専ら電気的知識及び技能を有する技術者が、電気機械器具の実験又は検査に使用する直流電源装置である。
①電圧・電流等の測定用計器を内蔵するもの
②電圧・電流可変型のもの
③オシロスコープ等のプローブ用のものがある。
○構造、仕様、意匠
 定格は電気用品の対象範囲内のものである。
○ 主な使用者、販売先
電気的知識及び技能を有する技術者。

 

2 対象・非対象の解釈

① 及び②は、非対象として取り扱う。
③は、特定電気用品の交流用電気機械器具の「直流電源装置」として取り扱う。

 

(理由)実験又は検査のために直流出力を要する場合の限られた使途のものであって、出力(電圧・電流等)を監視する計測器を内蔵するもの又は出力の微調整するための可変機能を有するものは、施行令上の「その他の特殊な構造」のものに該当するものとして取り扱うのが妥当と判断する。

 

本機器は「電気技術者が使用する実験・検査用直流電源装置」の「①電圧・電流等の測定用計器を内蔵するもの、②電圧・電流可変型のもの」に該当し、PSE対象外。但し、付属する電源コードがPSE対象外品なので業務で使用する場合は混同する前に電源コードの交換をお勧めします。余談ですが、DC電源のみで使用する場合はPSEは関係がありません。

※コードは「電源コード ミッキー(IEC 60320 C5)」で検索しましょう。

 

参考外部リンク:菊水電子工業株式会社

 

 

電源機器を製造する国内メーカでも同様の解釈です。

 

 

背面。PSEは取得していないが、上記の理由からPSE対象外。上がAC入力(IEC 60320 C6)、下がDC入力(XT60-M)

 

 

筆者の用途に合ったコード類を選定した

 

 

用途を想定し、用意したコード類は以下

  • DCプラグ変換セット
  • バナナプラグ to DCプラグ変換
  • マキタバッテリィ変換
  • USB Type-C 100W対応ケーブル

 

USB Type-C 100W対応ケーブルを使用したUSB Type-C電源出力対応

 

USB Type-Cはデバイスを検知してから出力する。電圧と電流が表示される機能はここでも生きます

 

 

短時間でスマホの充電が可能(急速充電対応モデル)

 

 

バナナプラグ to DCプラグ変換を使用した機器試験

 

逆接続は注意しなければならない為、線名札で記載した

 

 

DCプラグの変換を用意しておけばあらゆるケースに対応可能

 

 

変換後プラグ端子の径(8種, 外径/内径[mm]):
Φ6.4/4.4
Φ6.3/3.0
Φ5.5/2.5
Φ5.5/2.1
Φ5.5/1.7
Φ4.8/1.7
Φ4.0/1.7
Φ3.5/1.35

 

 

DC12Vを供給している参考写真

 

 

 

機器の収納ケースに、WERJIA収納ケースAnker Mini 3 Bluetooth スピーカー保護収納ケースを選定しました。「機材とは、ケースがあって初めて運用が可能である」とは筆者の理念です。

 

 

WERJIA収納ケースAnker Mini 3 Bluetooth スピーカー保護収納ケース

 

 

狙っているかのような収納具合

 

 

蓋を閉じた状態

 

 

機材ネームタグ

 

 

最大の利点を感じているのは、DC入力対応です。DC入力を異なる任意のDCに変換可能であるならば、AC電源が無い場所で使用する事ができます。筆者は工事業ですので、一番身近な高出力バッテリィはマキタの18Vです。これを入力電源として扱えばスイッチング電源の不具合での切り分け、現場から引き上げてきた機器のチェック、24V制御電源の負荷確認など様々な用途に転用が効くと考えました。

 

 

マキタの18VバッテリィでToolkitRC P200を駆動する。18~20V程度の出力がある

 

 

背面

 

 

 

マキタのバッテリィ取り出し用のコネクタはマキタ 643860-3、643843-3

 

 

マキタ バッテリーターミナル

643860-3 (充電式クリーナー CL181FD用部品)

写真左、制御端子付き、ファストン水平出し

※水平出しは643874-2(充電式インパクトレンチ TW285DZ用部品)も同等品です。色は黒。

 

643843-3 (充電式コンクリートバイブレータ VR450DZ用部品)

写真右、制御端子無し、ファストン垂直出し

 

端子 タブサイズは幅6.35mm、奥行き10.5mm、厚み0.8mmです。 これはファストン250と呼ばれる規格です。

マキタのバッテリィは純正のコネクタを使用する事により簡単に電源が取り出せます。このパーツは安価で、ネットで見かけるようなコピー品を使用するくらいなら純正部品を使用しましょう。

 

近年の音響映像設備施工では小型の変換器をじゃらじゃら使用する事が増えており、スイッチング電源の不良に多々遭遇します。※機器の電源LEDインジケータが交流電源周波数で点滅しているとまたか・・・って思ってしまう

「バッテリィ駆動が可能な可変直流電源(DC)出力装置」これがあるだけで不具合切り分けの効率が上がるはずです。

 

 

 

おまけ

 

ある程度の設定変更が可能

 

 

GUIのテーマをダークに変更が可能

 

 

電流制限を行い、機器がどうふるまうか試験が可能

 

 

追加で9台購入した

 

 

とりとめもなく記載しましたが、カットリレー用の電源負荷測定や直流電源の電流が身近になる体験キットとしても機能し、音響映像設備施工業に最適なツールであると思います。※USB PDもね!

 

この記事がどなたかの参考になれば幸いです。