NHK放送技術規格(BTS)の原本を入手した話 | 音響・映像・電気設備が好き

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ついこの間「NHK放送技術規格(BTS)の閲覧方法とアーカイブ化について」という記事を書きました。これはNHK放送技術規格(BTS)の原本が図書館に所蔵されているという話でした。

 

今回、偶然にもNHK放送技術規格(BTS)の原本を入手する事ができました。奇跡とも呼べる確率の出来事に、誰かが自分を試しているのでは・・・とも思いました・・・あれだけ探したのに・・・(偶然フリマサイトにあるのを見つけたのです)

 

 

NHK放送技術規格(BTS)の原本

 

 

背表紙には「放送技術規格 日本放送協会」と文字が入っている

 

 

 

開いた状態。白黒複写は両面印刷、青焼き複写は仕組み上片面となっている

 

 

 

バインダの構造

 

 

バインダーMPは櫛状の突起物が互い違いに紙を挟み込む構造です

 

 

用紙を取り外すことが可能です(ルーズリーフ世代からすると当たり前ですが)

 

 

このファイルですが、恐らく、コクヨ バインダーMP ハー123 A4-S 30穴 200枚(現在販売している型番)の特注表紙かと思います。念のため、コクヨに問い合わせを行いましたが、昔のことで特注を承けていたか資料が残っていないと回答をいただきました。

コクヨと言えば、ポリエチレン製足のフラットファイルの特許が有名ですが、それ以前からこのバインダーMPを製造していた模様です。筆者はこの旧タイプのバインダは知らず、学生の頃はルーズリーフのリングファイルを使っていました。Twitterで教えて頂きましたが、このバインダーMPは現在でも事務用品として使用されている様です。

尚、こちらに収録されている青焼き複写は現在のA4サイズと同じですが、白黒複写(PCC)は300mm × 210mmで現在のA4より3mm高さが大きいです。よって、複合機ではオートシートフィーダでの読み込みが出来ません。こちらの原本の青焼き複写(片面印刷)と白黒複写(両面)の比率ですがほぼ青焼き複写での収録です。

 

収録内容から、1969年頃の物で、所有していらっしゃった方は50年ほど前に高校の部活動で購入したものとの事です。これは購入時期と符合します。そして、「個人での購買をした方がいた」と言う貴重な情報でもありました。

ちなみに、1969年の放送技術規格は収録規格数が130ちょいのピークから減少に向かう頃です。この本にも目次にない削除された規格が収録されていたり、逆に無かったりと元からそうなのか、所有者によって無くなったのか推論の域を出ません。いずれにせよ、一冊として売られていたという証拠になることでしょう。

 

 

版は同じなのだが、解像度が圧倒的に図書館複写の方が上

 

 

原本を入手して気が付いた事が2つあります。一つは、「NHK放送技術規格(BTS)の閲覧方法とアーカイブ化について」で複写を行った物と収録されている青焼き複写の解像度が異なる事です。個人宅の保管状況と、NHKと図書館での保管状況では青焼き複写の色素抜けに差が出るのは分かりますが・・・上記の写真を見て頂ければ分かると思いますがそれだけでは説明できない圧倒的な画質の差があります。Photoshopで修正してもこの差は埋まりません。もしかすると、 東京都立中央図書館所蔵の物は青焼き複写ではないのかもしれません

 

 

図書館複写は両面、今回入手したものは片面である

 

 

その証拠に、図書館複写は両面印刷となっています。(注:A3青焼き複写の中折で両面A4を作成する場合もあります。ただ今回のケースはあまりにも画質に差があるので筆者は白黒複写であると考えています)

上部のページ番号の入り方から、本来は両面なのでしょうね。

 

 

 

 

改正年月日は同じなのに版が異なる規格がある(左:図書館複写、右:入手した原本)

ちなみに一枚目の「シンボル」は図書館所蔵が青焼き複写、今回入手したものが白黒複写であることが画質から分かる

 

 

もう一つは、改正年月日は同じなのに版が異なる規格がある事です。内容は同じなのになぜ・・・。確かな事は、版はひとつではないという事実です。規格は、制定、確認、改正、廃止と4つの工程がありますが、確認の際に改正年で再度版を起こしたのかもしれませんね。

 

今回、手に入れた原本で図書館複写よりも解像度が高いもの(図書館所蔵が青焼き複写で今回手に入れた物が白黒複写だったものも含む)はスキャンを行いアーカイブに入れ替え・追加しました。また、目次の年代も2年追加され、より情報量が多いリストが出来ました。こちらは以前の記事にあるリストを更新済です。

 

図書館所蔵の全複写を終えたら原本を入手したと言うこの展開・・・・・新たな疑問が出てきてしまい、調査はまだ続きそうです。

 

引き続き、NHK放送技術規格(BTS)の情報をお待ちしています。