スピーカ・プッシュターミナルにAE線を接続する | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

今回はBGM工事をする弱電さんにはあるあるな、スピーカ・プッシュターミナルにAE線を接続する話です。
スピーカ・プッシュターミナルと言えば、ミニコンポや小型のアンプに使われているスピーカの入出力端子です。民生機器のイメージが強いかと思いますが、業務用の小型ハイインピーダンスアンプや、小型スピーカに使われています。こちらの端子はより線を接続するのには適していますが、単線(AE線を始めとするBGM弱電工事に使われる警報線)を接続するにはちょっと抜けやすい構造をしています。

 

 

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スピーカ・プッシュターミナル

 

 

 

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接点部分は表から見える金属部分だけ

 

 

こちらがスピーカ・プッシュターミナルです。見たことはあるかと思いますが、これ接点がどこだか分かりますか?
実は接点部分は表から見える金属部分だけなのです。分解した写真が以下です。

 

 

 

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内部構造。接点面積の少なさに驚くと思います。

 

 

 

 

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ただ一点だけで接触しています

 

 

 

 

写真をみれば一目瞭然、金属端子部分ただ一点(線)で接触しています。
下側にあるバネの力だけで接触を保持しており、何とも頼りない構造ですね。

 

 

 

 

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後述しますが、この金属部分にケーブルの被覆が挟まると導通しません。

 

 

 

こちらにAE線をつなぐのですが、まずはストリップから説明します。

 

 

 

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こちらがAE線です。ストリップする際は強引にニッパで被覆を剥ぐのではなく、カッタで丁寧に行った方が失敗が少ないです。下記リンクを参考にして下さい。

 

 

 

 

 

 

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ストリップ後は、使用しない線はケーブルに巻きつけるのがこの業界の作法の様です。写真では黄色の線が該当します。何かに後で使える様に切り落とさないでおきたい、見栄えも良くしたい・・・といった結果で編み出された方法かと思います。

 

 

 

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雑に剥くと心線が傷つきます。警報線は非常にデリケートなので注意が必要です。

 

 

 

 

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後はスピーカ・プッシュターミナルに差し込むだけですが、ここで注意していただきたいのは、心線は数mm見える様にする事です。心線が見えない方が見栄えが良いと思うかもしれませんが、ここを切り詰めると接触不良を引き起こします。

 

 

 

 

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短く被覆を剥くと・・・

 

 

 

 

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被覆を巻き込み接触不良を起こします。初心者の方が施工をすると鳴らない原因の大半がコレです。深く差し込めば良いわけではないのは冒頭で述べた通りです。接触しているのはちらっと見えている金属部分だけと言うことを忘れないでください。

 

 

 

単線を差し込むだけですと、ケーブルが引っ張られた際に抜ける可能性がありますので、先端を少しだけ折り曲げる工夫をします。

 

 

 

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先端を数mm折り曲げると・・・

 

 

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曲げた部分が抜け止めになり、すっぽ抜ける確率が(多少)減ります。

 

 

 

以上で終了です。Twitter経由で何人かにこの方法を説明する機会があったので今回まとめてみました。
この記事がどなたかの参考になれば幸いです。