高圧受電マンションにおける各戸専有部内の低圧工事を第二種電気工事士で行えるのか? | 音響・映像・電気設備が好き

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以前、電気工事に従事するために必要な資格と教育と言う内容を取り上げました。
こちらで疑問になることがひとつありまして、それは「高圧受電マンションにおける各戸専有部内の低圧工事を第二種電気工事士で行えるのか?」という事です。
インターネット上でも同じような質問があり、回答も様々ですが、自分でも調べてみることにしました。
ある程度の大きさになるマンションですと、50kW(200Vで250A)は超えてしまうので高圧受電となります。
※契約電力の総量が50kWを超える場合は高圧受電となります。

 

参考リンク:
低圧電力 東京電力エナジーパートナー株式会社
http://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/old02.html

 

 

受電が高圧になりますと、自家用電気工作物となりますので、その配下の低圧設備の電気工事資格は認定電気工事従事者又は第一種電気工事士免状が必要となります。第二種電気工事士では電気工事を行う事ができません。
と言うのが基本的な説明なのですが、そうなると各戸専有部内の電気工事も第二種電気工事士の資格では電気工事が出来ない・・・いや、そんなはずはないだろうと調べると例外が出てきました。それが電力会社借室変電室と言うものです。

 

電力会社借室変電室
各住戸の契約電力(各戸契約)と共用部分の契約電力の総量が50kW以上になる場合を目安に、電力会社の要望により設置される受変電設備。

 

この電力会社借室変電室は室内、設備共に電力会社の管理対象物となり、ここから提供される低圧電力は一戸建てに柱上変電設備経由で低圧電力供給する場合と同じく、低圧受電となります。

 

 

イメージ 1
電力会社借室変電室で変圧を行う場合の電気工作物区分例
※赤線が高圧、青線が低圧
注意しなければならないのは、50kWを超える共用部は自家用電気工作物(要第一種電気工事士免状、低圧に限り認定電気工事従事者)という点です

 

 

この電力会社借室変電室の有無の見分け方ですが、

 

 

・マンション内に電力会社以外立ち入り禁止の変電設備がある
・各住戸への電気代請求書が電力会社から来る

 

 

と言うのがあるようです。

 

 

イメージ 2
電力会社借室変電室の表示

 

 

 

イメージ 3
通常の変電室の表示

 

 

 

 

ビルなどはテナントへの電気代請求はビル管理会社から行われているかと思います。その場合は、ビルが高圧受電設備(自家用電気工作物)のメンテナンスを行っているはずです。

 

 

少し複雑ですが、上記の理由から、高圧受電マンションに於いても、電力会社借室変電室内で低圧に変圧し各戸専有部内へ電力供給をしている場合は第二種電気工事免状だけで電気工事が行えるという事でした。