耐震補強金具を使用しての音響映像弱電施工を考える | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

近年、建築業界では耐震補強工事が盛んです。地域によっては助成金もあり、特に大人数を収容する施設では率先して行われています。
耐震補強工事中の建物に入るという事は自分の仕事では滅多にあることではありませんが、以前たまたま立ち入ることがありました。その時の二重天井施工の写真を交えて、近年の耐震補強金具を音響映像弱電工事に生かせないか考えてみました。

 

 

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株式会社桐井製作所 RP-Wクリップ(C-38用)を使用した、のぶち受け(C-38・親バー・Cチャンネル)とのぶち(ダブルバー)を留める施工です。
※ここまで読んだ方には説明不要でしょうが、これはLGS(軽量鉄骨)による二重天井施工です。

 

 

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従来ですと、のぶち受け吊金具にのぶちを嵌め、そこにクリップ(Mバーやダブルバー)を挟み込むだけの施工が主流でした。
が、この施工では大きな地震に耐えられない事が分かっています。

 

参考リンク:
戸田建設 天井耐震クリップ工法 - 地震に強くしたい -
http://taishin.toda.co.jp/new_tec/clip.html

 

そこで各金物製作会社から耐震補強を名目とした各種補強金具は販売されています。

 

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耐震補強金具
左:株式会社桐井製作所 RP-Wクリップ(C-38用)※ダブルバークリップ
右:株式会社能重製作所 パワーホルダー(C-38用)※のぶち受け吊ボルト用水平補強金具

 

 

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こちらはのぶち受け吊金具を吊るボルトの水平補強金具です。曲げだけでは不安の場合はドリルビスを使用してさらに固定します。
これ、考えてみると、音響映像弱電施工でも使える金具なのです。

 

 

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同じ用途で使用できる金具がネグロス電工からも販売されています。
写真左がその製品でして、ネグロス電工株式会社 吊りボルト用軽みぞ形鋼支持金具 HR9Rです。

 

軽量物だから・・・と、従来は金属の弾性変形のみの力を利用したクリップで全ネジボルトにのぶち受けを吊る、なんて事も多かったのですが、近年では潤沢な耐震補強金具が電材会社からも販売され、C工事施工でも応用が出来るようになりました。※通常、天井補強金具は100~等の大量購入しないと手に入らないのです

 

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金属の弾性変形のみの力を利用したクリップ(ネグロス電工株式会社 吊ボルト他用交差金具 軽みぞ形鋼取付 HR96)を使用した従来施工。
※ボルトをのぶち受けに吊っているわけではありません

 

 

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参考施工ですが、ネグロス電工株式会社 軽みぞ形鋼用交差金具 U38CRと吊りボルト用軽みぞ形鋼支持金具 HR9Rを組み合わせて、後施工アンカが打てない場合に行ったボルト出し施工です。

 

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こちらはネグロス電工株式会社 吊りボルト用軽みぞ形鋼支持金具 HR9Rを使用したグリッドタイプのシステム天井補強金具です。軽量物をグリッドタイプのシステム天井に取り付ける際に施工したものです。
 
参考リンク:

 

近年の度重なる震災で、最末端である自分の業界(机上の理想と現場の現実がかけ離れているグレーな施工が主流)も耐震施工について日々研究する必要があると思います。