CANARE BP-C5 50Ω用BNCコネクタを使ってみた | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

筆者は初めて触れる、カナレ電気の50ΩBNCコネクタです。
仕事の都合で無線機器の端末処理が発生し、今回、中継に使ってみました。

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50Ω用BNC J-JのBJ-Jと50Ω用BNC BP-C5


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CANARE BP-C5 50Ω用とBCP-C5B 75Ω用(こちらはディスコン製品)

ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんのでおさらいです。50ΩのBNCは、写真左のようにBNCコネクタの内側に絶縁体があります。これで特性インピーダンスの50Ωを保つわけです。
もちろん、BNCの受けもこれと同じです。
※歴史を紐解くと、そもそも75Ωの映像コネクタなんてものは当初存在しなかったのです。M型からBNCになり、ここまでは無線用の借り物をし、ある程度時代が進んで、75ΩのBNCコネクタが出るようになりました。よって古い設備では映像ラインも50ΩBNC(BNC-P-117・BNC-P117)が採用されています。


あれ?この前見たプロジェクタのBNCの受口の形は50Ωだぞ!って思われる方はいらっしゃると思いますが、そうです50Ωの製品(もしくは測定されていない製品)が非常に多いです。
映像信号の中間に50Ωのコネクタが挟まるとリターンロスが増えるという欠点を持ちますが、所詮アナログ映像なので画が出なくなるなんてことはありません。が、そんなコネクタを採用しているメーカでも、HD-SDI入力端子は75Ωを採用していることが多く見受けられますね。ちゃんと考えているのですね。

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専用圧着ダイスTCD-35Dと中心コンタクト

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中心コンタクトの比較。左のBP-C5 50Ω用中心コンタクトはよく見るとJIS形状(ストレート)ですね。カナレのBCP-C5B 75Ω用中心コンタクトはMIL規格形状でやや膨らんでいます。

特性インピーダンスが50Ωと言うことは、75Ωよりも内部導体を太くすることが出来ます。
これはBP-C5とBCP-C5Bの中心コンタクトを見れば一目瞭然です。
5D-2Vが1.4mm、5C-2Vが0.8mmです。
もちろん、FBの様に、高発泡ポリエチレンを絶縁体に使用すればさらに内部導体は太くなるので、低損失高周波対応ケーブルではこれの比ではないでしょう(笑)

カナレの50ΩBNCの普及率はとても低いとは思いますが、一人で作業を行う場合でないときに、75ΩBNC圧着と同じ作業内容で頼めるので今回はとても重宝しました。…次に使う機会を思いつきませんが(笑)

端末処理の参考リンク:
CANARE BCP-C3B製作方法